人口増加が続くつくば市に県立高校が少ない問題で、つくば市議会は6月定例会議最終日の27日、県立竹園高校(つくば市竹園)の募集定員を8学級から10学級に増やすことを知事に求める意見書を全体一致で可決した。近く大井川和彦知事宛て提出する。小村政文市議ら5人が提案した。
意見書は、つくば市を含むTX沿線エリアは県内で唯一、2030年度まで生徒数が増加することが示されており、高校進学の受け皿確保は喫緊の課題であるとし、受験生への公平な進学機会の確保や隣接エリアへの影響を回避するために、つくばTX沿線エリア内で着実かつ戦略的な定数増が不可欠であるとしている。
さらに、これまで市内や近隣の県立高では、つくばサイエンス高の2学級増と普通科への再編、牛久栄進高の1学級増、筑波高校への進学コース設置など改革が図られてきたことから、続く竹園高の定員増は、地域の中学生の進学先として高い需要があり、定員増により近隣エリアでも公平な進学機会を確保できるなど波及効果も見込まれるなどとしている。
つくば市の県立高校不足問題に取り組んでいる市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」の片岡英明代表は「意見書可決は、県立高校が不足しているため進路選択に困難を感じている生徒や保護者の大きな励ましになる。県には今年の受験生のために竹園高校の募集定員増を行うことを求めたい」としている。
来春の2026年度入試は、県立高校の適正規模や適正配置などの方向性を示した県策定の県立高校改革プラン(2020-26年度)の最終年に当たる。片岡代表は「改革プランで県は、つくばエリアの県立高校の学級数を57学級から2学級増やすとしているが、現在は58学級しかない。増えた1学級も付属中学から進学する枠の1学級増で、中学から受験する高校入試の枠は53学級と増加していない。26年度入試でつくばエリアを2学級増加することは県の計画からも必要」だとしている。
竹園高の学級増について五十嵐立青市長は昨年10月の市長選で、増設分の校舎の建築費は市が負担するなどと表明している。(鈴木宏子)