【コラム・小泉裕司】昨年から今年にかけて、全国で「市制施行20周年記念」を冠したイベントが多いことにお気付きだろうか。理由は、1999年から行われた「平成の大合併」が20年のピークを迎えたから。
花火大会も例外ではなく、茨城県内では筑西市や常陸太田市が昨年に記念の大会を開催。今年合併20年目を迎え、かつ花火大会を開催する水戸市や古河市、取手市、稲敷市、行方市、常総市、桜川市をメーンに、県内の花火大会の見どころなどを2回に分けて紹介しよう。
7月26日(土)午後7時30分から、千波湖畔を会場に約5000発打ち上げ。担当は野村花火工業(水戸市)。1906年にご先祖が始めた「沼開き花火」から119年目を迎える。昨年の人出は23万人。水戸駅から1キロの近さから毎回多くの観客が訪れる。
野村花火の十八番10号玉「五重芯変化菊」や「野村ブルー」と評される独特の青色の花火をはじめ、土浦や大曲の競技大会では常に優勝を争うミュージックスターマインなど、国内最高峰の花火を60分に凝縮。フィナーレでは、水戸黄門まつりのイメージソング「いざ水戸黄門まつり!」(よさこい風)にコラボしたミュースタはレアもの。有料観覧席を発売中。
第20回古河花火大会(2005年に1市2町が新設合併)
8月2日(土)午後7時20分から70分間、古河ゴルフリンクスを会場に約2万発打ち上げ。担当は野村花火工業(水戸市)。阿部煙火工業(新潟県)、田熊火工(栃木県)。例年の人出は20万人。会場が県境のため、隣県からも多くの観客が訪れる。
市長のトップセールスで招聘(しょうへい)した野村花火と大玉が十八番の阿部煙火の三尺玉2発は必見。注目は、市制施行20周年+第20回のスペシャル企画。高スペックのスピーカーから流れる選りすぐりの音楽と三尺玉の爆発音の『響き』を体感してほしい。
一昨年まではメインの有料観覧席は堤防斜面席であったが、昨年から、ゴルフ場内にフェアウエイ席を増設し、打ち上げ筒も角度を変えたとのこと。高額の観覧席から完売するという。有料観覧席を発売中。
第70回とりで利根川大花火(2005年に藤代町を編入合併)
8月9日(土)午後7時から約80分間、利根川河川敷を会場に約1万発(最大10号)を打ち上げる。担当は、山﨑煙火製造所(つくば市)、筑北火工堀米煙火店(桜川市)、高城煙火店(千葉県)。例年の人出は12万人。取手駅から観覧エリアまで約500メートルの至近距離にあることから、東京圏からも多くの観客が訪れる。
2023年から約15分間のドローンショーを取り入れて人気を博しているが、これは全国でドローンショーを展開する㈱レッドクリフが、利根川河川敷を定期的に練習場として利用しているご縁とのこと。打ち上げ幅はそれほど広くないので正面有料席が良席。オンライン販売は7月1日午前10時から。
いなしき夏まつり花火大会(稲敷市市制施行20周年記念)
8月23日(土)午後7時から約90分間。江戸崎総合運動公園をメーン会場に約1万発を打ち上げる。担当は、山﨑煙火製造所。人出は約15万人。鉄道施設がないことから、来観者の駐車場不足を補うため「軒先パーキング」による駐車場の有料予約制システムを導入している。
打ち上げ時速の間延び感は否めないが、フィナーレを飾るスターマインは迫力満点。午後3時からのステージイベントや多種多様な露天商など、かつての「えどさき夏祭り」の雰囲気を楽しむ観客も多い。有料桟敷席の発売は7月10日午前10時から。
土浦キララまつり(願いごと花火募集)
8月2日(土)午後8時30分から10分間。土浦新港で約1000発(最大5号)を打ち上げる。担当は森煙火工場(筑西市)。目玉企画は、4年ぶりの「願いごと花火」。会場で応募者のメッセージを読み上げ、4号玉2発を打ち上げる。応募者には、模造玉が記念品として安藤市長から手渡される。申込締め切りは7月7日(月)午後5時。
2021年の願いごと花火で打ち上げた筆者のメッセージ。「本日の花火打ち上げを担当されている花火師の皆さんありがとうございます。これからも土浦全国花火競技大会で素敵な花火作品を見せてください」
本日は、これにて打ち留めー。「どーん キラキラキラ まつり」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)