2024年2月、県からつくば市に無償譲渡された洞峰公園(つくば市二の宮、約20ヘクタール)の今後の管理・運営方針などを市に提言する同市の「洞峰公園管理・運営協議会」(委員長・藤田直子筑波大芸術系環境デザイン領域教授)が11日スタートした。同日、第1回協議会が市役所で開かれ、昨年6月に同公園で開催した市営化スターティングイベントのような協議会のスターティングイベントを、今年6月ごろに開催することなどを決めた。
当初予定より1年遅れの設置となった(1月3日付)。委員は16人で、生物多様性や環境教育、まちづくりなどの学識経験者5人、洞峰公園などで活動する住民団体の関係者2人、公園を管理する委託事業者1人、造園会社の団体関係者1人、県と市の行政関係者7人で構成する。委員の任期は2年。
都市公園法の規定に基づき公園利用者の利便の向上を図るため必要な協議を行う協議会で、同公園の生物多様性の保全方針、公園施設の維持管理と更新方針、公園施設の運営方針などを、市長に随時、提言する。
協議会の組織の構成は、16人の委員による「委員会」と、公募市民がテーマごとに各テーブルに分かれて意見を出し合う「分科会」の2層構造となり、分科会で出た市民の意見をもとに委員会が協議して市長に提言する。
分科会は①生態系保全など「環境」②施設の維持管理と更新など「施設管理・運営」➂子育てと子どもの遊び場など「教育」の3つの分科会をつくる案が事務局案として出されている。6月ごろのイベント開催後、各分科会ごとに市民の公募を開始する予定で、応募があった市内外の市民全員が参加できるようにする。
分科会の運営方法は、テーマ別に市民が各テーブルに分かれて意見を出し合う。各テーブルでは筑波大の学生が司会者役となるほか、学識経験者の協議会委員1~2人が各分科会全体のまとめ役となる。今年度のスケジュールは、各分科会をそれぞれ1回、計3回程度開催する予定だ。
議会の2025年度予算は委員の謝礼などが計240万円。一方、分科会に応募する市民には無償で参加してもらう。
11日の協議会では併せて、公募で参加する市民が分科会に参加できなくなった場合などに意見を書き込める場などとして、筑波大発ベンチャー企業が開発した意見交換プラットフォームを活用することなども報告された。
協議会の設置に向けては昨年3月に、市長や議会議員、学識経験者など9人による準備会を設置して、3月、4月、12月の計3回準備会を開き、協議会の組織や運営方法などについて非公開で協議してきた。
市が県から洞峰公園の無償譲渡を受けるにあたってはこれまで、県が負担していた公園の維持管理費が新たに市の負担になることから維持管理費の負担軽減ほか、体育館・プール、新都市記念館など施設の長寿命化費用の負担軽減などが、市議会や市民説明会などで指摘されてきた。(鈴木宏子)