プレナスなでしこリーグ(日本女子サッカーリーグ)2部のつくばFCレディースは19日、つくば市山木のセキショウチャレンジスタジアムで今季ホーム最終戦を迎え、岡山湯郷Belle(ゆのごうベル、本拠地・岡山県美作市)に1-2で敗れた。これで通算成績は5勝3分13敗、順位は暫定で12チーム中10位。2部リーグへの残留を果たせるかどうかは、26日の最終節の結果次第となった。
プレナスなでしこリーグ2部・第21節(10月19日、セキショウチャレンジスタジアム)
つくばFCレディース 1-2 岡山湯郷Belle
前半 0-2
後半 1-0
今季無敗で首位を独走する岡山湯郷に対し、つくばは善戦するも及ばなかった。「相手は個の能力に優れた集団。局面局面でそれを思い知らされた。個の力に対して組織で立ち向かう戦い方をやり通そうと、自分たちの色を出すことはできた」と佐藤誠一郎監督は話す。
最大の差は、体幹の強さや一瞬のスピードなどのフィジカル面。そこに対応しきれないまま、前半5分に先制を許してしまう。だがその後は、徐々に自分たちのリズムでボールを動かせるようになり、左サイドの小林和音や右サイドの野沢真由からチャンスをつくり出していた。また守備ラインを上げて全体をコンパクトに保ち、裏へ出てくるボールにはGKが積極的に飛び出すことで、守備陣に負担をかけないという組織的な対処もできていた。
だが前半39分、相手のロングボールをGK伊東美和がペナルティエリア際で手を使って弾き、これが相手の得点機会を阻止したとしてレッドカード。伊東は退場処分となり、相手に直接フリーキックが与えられた。
ここでつくばはMF赤嶺美月を下げ、GK澤田法味を投入。「普段からいつでも出られるよう準備はしている。ただ、みんな動揺していたので、前向きに気持ちを切り替えられる声掛けをすることと、フリーキックを絶対に止めて、悪い流れを断ち切ることを心掛けた」と澤田。この場面は、壁がボールを弾き返して危機を脱した。
それでも1人少なくなった影響は大きく、前半ロスタイム、またも守備ラインをドリブルで突破され、追加点を許した。
後半、つくばは布陣を4-4-1に整理。1トップの石川朋萌が前から積極的にプレスをかけ、後ろが連動することで粘り強い守備を実現。石川はクロスに飛び込む形でも幾度となくチャンスを作ったが、タイミングが合わずシュートは0本。「強烈なシュートという持ち味も見せたかった」と残念がる。
その後はメンバー交代で形を変えながらチャンスをうかがい、ついに後半ロスタイム、待望の1点を挙げる。コーナーキックの流れから途中出場のFW古寺未佳が押し込んだ。「自分の目の前に転がってきたので、しっかり当てて決めるだけだった。みんなが頑張ってくれた」と古寺の振り返り。
最終節は28日、岡山県高梁市神原スポーツ公園多目的グラウンドで、吉備国際大学Charme岡山高梁と対戦する。湯郷Belleには敗れたものの、9月以降は2勝1分1敗とつくばは好調を維持しており、ぜひとも勝って残留を決めたいところだ。「次節、勝ち点3を取って結果を出したい。どんなことがあっても最後まであきらめない」と佐藤監督は意気込む。(池田充雄)