土曜日, 10月 10, 2026
ホームつくば7部署42人に6255時間 市職員の残業代未払い つくば市が全庁調査公表

7部署42人に6255時間 市職員の残業代未払い つくば市が全庁調査公表

約2年間で総額1490万円

生活保護業務を担当していたつくば市職員の告発に端を発する同市の残業代(時間外手当て)未払い問題で(24年5月9日付)、五十嵐立青市長は14日、市役所全体で調査した結果、2021年4月から23年4月までの間、7部署の42人に6255時間の残業代未払いがあり、未払い総額は1490万円になったと発表した。

昨年5月までに支払い済みの生活保護など担当の社会福祉課職員24人(未払い時間3851時間、約860万円)以外に(25年6月20日付)、新たに6部署の18人に2404時間分の未払いがあったことが分かり、今月8日に約630万円を支払ったという。

18人に対する延滞金(遅延損害金)は40~50万円程度になる見通しで、市は議会に報告し速やかに対応するとしている。さらに職員の処分についても今後検討していくとしている。

6部署は、社会福祉課以外の福祉部の1部署、建設部の2部署、都市計画部の1部署、消防本部の2部署。具体的な課の名前は現時点で公表しないとしている。

サービス残業が発生した具体的事案として▽課の残業代の予算が不足した際に、所属長が残業を制限する指示を出し、残業の申請が適正になされなかった▽市の規則で月45時間超える残業は原則不可となっていることから、所属長が理由を問わず一律に不可とし、サービス残業の時間数を翌月に付け替えるなど不適切な管理をした▽所属長が残業を把握していながら適切な申請を促さずサービス残業が発生した▽残業の申請は、事前申請を原則としていることから、所属長が事後申請を認めずサービス残業が発生した▽残業時間の削減について所属長が特定職員に実現可能な手段を明示せず、残業時間の削減のみを指示したためサービス残業が発生したーなどがあったとした。

原因や背景については「特定個人によって起こったというより、全庁的に慣習に従って行われた部分も多い」などとした。

その上で、残業代未払いは全庁的な規模の問題だとし、組織全体としてこれまでの慣習を払拭し、再発防止に向け、①誤った認識を払拭するための全庁的な制度の周知②管理職による残業の事前命令と事後確認の徹底③必要に応じた予算措置などのほか、必要に応じた適正な職員数の配置、職員の能力向上のための研修、相談体制づくり、生産性を意識した評価制度の検討などに取り組むとしている。

一方、所属長の処分については、全庁的な慣習のほか、必要性が低いのに職員が残業した事例もあったなどとして、「所属長に一律に責任を課すことには疑義が生じ、処分は慎重さが求められる」などとしている。

全庁調査は、社会福祉課で残業代未払いがあったことを受けて実施された。五十嵐市長の処分については、すでに同課で未払いが発覚した際に処分を実施したなどから、追加の処分は実施しないとしている。

「全て明らかになったと思わない」

一方、最初に告発した当時社会福祉課の男性職員(41)=現在は別部署に異動=は「今回の公表で全てが明らかになったとは到底思っていない。私たち職員が置かれていたのは、必要な残業を適正に申請するのか、それとも職場の空気に従って黙るのかを迫られる、まさに『踏み絵』のような状況だった。しかも、定期監査結果や、職員間で直接聞き取ってきたサービス残業の実態と比べても、今回公表された結果とは大きなズレがある。まだまだ拾われていない被害があると思う」とし「社会福祉課についても、声を上げられた人、申告や請求にたどり着けた人は全体の一部。申請できなかった人、職場の空気にのまれて諦めた人、声を上げれば不利益を受けるのではないかと黙った人がいた」とし「一番懸念しているのは、声を上げた人(公益通報者)が守られず、私の二の舞になってしまうこと。問題の本質は、個人・現場の問題ではなく、市役所全体の組織風土にある。自主的な幕引きではなく、第三者を入れた検証と、声を上げた職員が不利益を受けない仕組み作りが必要」だとしている。(鈴木宏子)

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