金曜日, 10月 3, 2025
ホームコラム予約不要・参加無料 土曜観察会の魅力《宍塚の里山》114

予約不要・参加無料 土曜観察会の魅力《宍塚の里山》114

【コラム・片山秀策】宍塚の自然と歴史の会では、毎週土曜日の午前中、農業用ため池の宍塚大池と池を取り囲む里山の自然と歴史を丸ごと観察する土曜観察会(通称シェラカップの会)を実施しています。この観察会の歴史は古く、1989年に会が発足以来35年間、予約不要、参加費無しの自由参加の活動として続いてきています。

年間の回数はほぼ52回で、正月、嵐や大雪などの荒天以外は、夏の暑さ、冬の寒さ、雨の中でも実施しています。距離約3.5キロを3時間かけて、コース上の色々なものを観察しながら歩いています。見るものがたくさんあるときには、時間を忘れてしまうことも多く、予定時間を大幅に超えることもあります。

観察コースは、会が作成した「宍塚里山散策マップ」に掲載されており、地図の番号順に進むと一周できます。集合場所は、観察会用駐車場で、会のWebサイトや「里山散策マップ」に掲載されています。マップは池の堤防のボックスに置いてありますし、会のWebサイトにも掲載されており、ダウンロードして印刷できます。

自然の移り変わりを体感

観察対象は、動植物全般になりますが、特に野鳥、昆虫、植物を重点的に見ています。宍塚の里山は、池、湿地、アシ原、雑木林、スギ・ヒノキの林、水田、畑などの多様な環境で構成されているので、生息している生物の種類も多く、茨城県の絶滅危惧種や準絶滅危惧種にも多く記録されています。

通年実施することで、自然の四季の移り変わりを体感することができ、長期間続けることで大きな気候の変化もわかります。また、太陽光発電所の建設による林の伐採などによる自然破壊など、里山を取り巻く社会環境の変化も知ることもできています。

観察会の記録は、会報「五斗蒔だより」に毎月掲載され、会のWebサイトでもブログ形式で沢山の写真と共に公開されています。思いがけない自然との出会いもありますので、是非一度、土曜観察会に参加してみてはどうでしょうか。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

<参考サイト>

▽集合の場所はこちら

▽散策マップはこちら

▽土曜観察会はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

皆既月食と夏休みの自由研究《ことばのおはなし》86

【コラム・山口絹記】変な時間に寝てしまい夜中に目を覚ましてしまうことがある。さえてしまった眼で時間を確認すると、夜中の1時。しばらく寝られそうにもないが、目だけでも閉じておこうとしたところで、今夜は3年ぶりの皆既月食、とのスマホの通知が目に入った。 せっかくだし撮っておくか。ごそごそと立ち上がって、三脚とカメラに望遠レンズをセットする。望遠レンズといっても、せいぜい子どもの運動会用のレンズだが、最近のカメラは性能が良いので、トリミングすればそこそこな写真が撮れてしまう。 寝ている妻にも声をかけてみると、「子どもたちに見せようか」と言うので、月が欠けてきたら起こそう、ということになった。 セッティングを確かめるために一度外に出て三脚をセットする。が、夜なのにまだ暑くて待機するのは諦めた。部屋に戻ってパソコンを立ち上げると、いたるところで月食LIVEの動画配信が行われていた。便利な時代である。快適な室内でちょうどよい頃合いをうかがって外に出ればよい。 観察される側になった私 はっきりと食が確認できるようになったタイミングで、妻と子どもたちと外に出た。子どもたちは食にはそこまで興味がないようで、珍しい夜のイベントに興奮したのかパタパタとあたりを走り回っている。 カメラの背面モニターで拡大した月を確認しながらピントを合わせる。食が最大となる瞬間は何度見ても美しい。何枚か撮影して顔を上げると、娘が月ではなくこちらを見ていた。 ふと、自分が小さい頃、夏休みの自由研究でアゲハチョウの観察をしたことを思い出した。サナギの状態のチョウを枝ごと持ち帰って羽化を観察する計画だったのだが、チョウの羽化は朝早いので、私はウトウトしていてほとんど記憶がない。カメラをやっていた伯父が羽化の瞬間を撮影していたのだが、チョウの羽化よりも、それを見て感動している伯父の姿の方が記憶に残っている。 家族が家に戻った後も撮影を続けながら、ああ、そうか、私も観察される側になったのかもしれないな、とふと思った(言語研究者)

コンパニオンアニマルと孤独の時代《看取り医者は見た!》45

【コラム・平野国美】私が今の仕事に従事して20年以上が経過し、世の中のシステムや価値観が大きく変わるのを肌で感じています。最近では、新型コロナ感染症が死生観や葬儀の在り方を変えました。これらの変化を良い、悪いと論じるのではなく、歴史的な事件や災害が生活様式を変えるのは世の常なのでしょう。 家族の形態も大きく変わりました。子供の頃に見ていた日曜日夕方の「サザエさん」のような、一つ屋根の下に多世代が暮らすご家族にお会いすることは、今や年間を通して一件あるかないかです。核家族化が進み、誰もが独り暮らしになりうる時代。サザエさん一家の同居ペットであった猫「タマ」の立ち位置は、ペットという存在をはるかに超えているのです。 ここ数年、訪問先様のお宅でペットにお会いする機会が増えました。以前はワンちゃんが多かったのですが、飼い主様の高齢化に伴い、散歩など体力的な負担が少ない小型犬が好まれ、やがて猫へと変わってきました。この変化については、以前、コラム27「ワンちゃんがネコちゃんに負けた日」(24年9月19日付)で報告したことがあります。 核家族化と独居化が進む中、「我々は誰と老後を暮らし、そして最期を迎えるのか?」という根源的なテーマが浮上しています。その問いに対する一つの答えが、彼ら「コンパニオンアニマル(伴侶動物)」です。 犬や猫と人間の絆が「愛情ホルモン」とも呼ばれるオキシトシンによって育まれることは、医学的にも解明されています。このホルモンは、ストレスの軽減や幸福感の向上、信頼感を深める働きがあり、触れ合い(スキンシップ)や会話によって分泌が促されます。驚くべきことに、オキシトシンは人間同士だけでなく、人と犬といった異種間でも、お互いの分泌を促進させ合うのです。 「孫を飼うなら犬を飼った方がいい」 太古の昔、人の集落に近づいてきた狼の中に、人懐っこい性質の個体がいたのでしょう。それらが家畜化されて犬になったという説があります。犬は他の動物に比べて白目の部分が多く、人とアイコンタクトを取るのが得意です。視線を交わし合うことで、人と犬は共に狩りをし、コミュニケーションを取り、共生の道を歩み始めました。 皆さんも、犬と見つめ合った時に、幸福感に包まれた経験はないでしょうか。まさにその瞬間、オキシトシンが分泌されているのです。もちろん、人と猫の間にも、このホルモンを介した関係が成立することが証明されています。 高齢化と独居が進む時代、唯一無二の存在として傍らにいるのが犬や猫なのです。彼らは今やペットを超え、「コンパニオンアニマル」と呼ばれています。以前、ある患者さんが私に、こんな意味深な言葉を漏らしました。「先生よ、孫を飼うなら犬を飼った方がいいね。裏切らないよ」。この言葉が持つ重みを、私たちはどう受け止めるべきなのでしょうか。(訪問診療医師)

防災拠点27年末完成へ 大屋根芝生広場は計画変更 旧総合運動公園用地

つくば市土地開発公社が外資系物流不動産会社、グッドマンジャパンつくば特定目的会社に売却した同市大穂、高エネ研南側の旧総合運動公園用地(約45ヘクタール)について、市議会全員協議会が29日開かれた。同市が活用する用地南側の防災拠点施設約4.2ヘクタールについて、来年夏ごろ着工し、27年末までに完成する見通しであることが示された。 一方、2022年8月の土地売買契約締結時点の事業計画が変更になる。当時は防災備蓄倉庫やアメニティ施設などの上に大屋根を架け、芝生広場とする事業計画案が示されたが(22年8月30日付)、約4ヘクタールの防災多目的広場と、平屋建て建物面積約2900平方メートルの防災備蓄倉庫を設置する。ほかにグッドマンがアメニティ施設を設ける。消防、警察、自衛隊などの活動拠点や災害廃棄物の仮置き場として使用可能な平場スペースとするためという。広場と倉庫は20年間、市が無料で借り受けるが、その後どうするかは決まってないとした。 一方、1棟目の施設として、来年春ごろにデータセンターを建設する工事に着工するという。28年春ごろ完成予定。 全協では、グッドマンが対面での住民説明会をこれまで一度も開催していないことに対して「説明会は普通、対面で説明し同意を得る。周辺区会と敷地境界100メートル以内の住民に紙だけ渡しただけではとうてい説明したことにはならない」(市原琢己市議)などの意見が出た。ほかに、無料で借りられる期間が20年間であることに対する懸念が複数の市議から出されたほか、物流倉庫ではなくデータセンターが最初に建設されることについて「住民説明会で市長は、物流倉庫ができると雇用創出ができるとおっしゃっていた。約束通りきちんとやっていただきたい」(飯岡宏之市議)、防災拠点についての市とグッドマンとの契約内容がまだ示されていないことについて「防災拠点についてなぜ未だに契約の条件がはっきりしないのか」(酒井泉市議)などの意見が相次いで出された。全協は酒井市議が黒田建祐議長に開催を要望していた。

ボランティアフェスタinつくば《けんがくひろば》16

【コラム・山崎誠治】10月11日、つくば駅近くのセンター広場やコリドイオで、「ボランティアフェスタinつくば」が開催されます。各ボランティア団体が、手話、点字、工作、楽器演奏などの体験、よさこい、ガマ口上などの活動発表を行います。スタンプラリーやモルック体験などもあり、子供も大人も楽しめます。今回は研究学園駅周辺の催しの紹介ではありませんが、皆さん、ぜひいらしてください。 みんなでつくるボラフェス つくばには200を超えるボランティア団体があります。つくば市ボランティア連絡協議会は、ボランティア団体の世話をする人ではなく、「共に活動していく仲間」の集まりとして、従来の「世話人会」から「推進チーム」へと団体名を変更しました。そして推進チームのスタッフだけでなく、登録ボランティア団体の方々も参加していただき、「ボランティアフェスタinつくば」実行委員会を結成し、いろいろな意見を取り入れ、充実したボランティアフェスタ(以下ボラフェス)を開催いたします。 最近、いろいろな場面で「つながる」という言葉を聞きます。ボラフェスは、ボランティア団体の活動を紹介することで、より多くの市民とつながるきっかけを創るだけでなく、各団体のつながりを深めることも大きな目的としています。 いろいろなつながりが始まる ただ、「つながりましょう」と言って、つながるものではありません。団体同士の交流会を開催するにしても、お互いを知り合えるような工夫が必要です。各団体が「団体の紹介カード(きっかけカード)」を作成し、「どんな活動をしているのか」「どんな課題があるのか」「どんな工夫をしているのか」など活動内容だけでなく、問題点やその対処方法など、他の団体を知ることにより、いろいろなつながりが始まると思います。 また、今までボランティア活動に参加したことのない学生や市民の来場者だけでなく、出展者も他の団体のブースに加わり、そのボランティア活動を体験するという「インターン制度」も行います。このように、知り・体験することにより、これからの団体の活動に役立てることができればと思います。 新しい出会いを見つける 子どもも大人も、ボランティア活動を世の中のためということだけでなく、自分のためとして、いろいろな活動に参加するきっかけの発見の場として、ぜひボラフェスを楽しんでいただきたいと思います。 もちろん、いろいろな団体のブースをご覧になり、「つくばではこんなことをしている団体があるんだ」と発見したり、各ブースのイベントを見たり、イベントに参加し、体験していただくことでも、子どもから大人まで十分楽しんでいただけると思います。(ボランティアフェスタ実行委員長) <ボランティアフェスタinつくば>・日時:10月11日(土)午前10時~午後3時・場所:コリドイオ・つくばセンター広場・ノバホール小ホール・主催:つくば市ボランティア連絡協議会、つくば市社会福祉協議会