つくば市農業委員会委員の任期満了(定数24、任期は5月18日までの3年間)に伴って、新しい農業委員を任命する議案が同市議会3月議会最終日の22日、本会議に提案された。同候補者選考会(会長・飯野哲雄副市長)の答申に基づいて五十嵐立青市長が提案した24人を次期農業委員に任命することについて、議会は全会一致で同意した。
注目された地区別人数割は、谷田部地区6人(候補者は11人)、筑波5人(同10人)、桜4人(同6人)、大穂4人(同4人)、豊里3人(同6人)、茎崎2人(同2人)となり、3年前の前回の改選時に、同候補者選考会に事務局案として最初に示された農地面積や農家戸数などを考慮した地区別人数割の考え方(谷田部6~7人、筑波4~6人、桜3~4人、大穂3人、豊里3人、茎崎2人)にほぼ収まる人数割となった。24人は現職15人、新人9人。男女別は男性22人、女性2人。
前回21年5月の改選時の地区別委員は、農地面積や農家戸数が市内で最も多く、農地転用や所有権移転などの農地法許可申請件数が最も多い谷田部地区が4人だったが、24年5月からは2人増え、18年5月時点と同じ6人に戻る。
市議の一人は「(地域制を考慮した)配置の考え方(前回の事務局案)を満たしているので今回、了承した」と話す。現職の農業委員の一人は新たな地区別人数について「本来の姿になったと思う」と話している。
前回3年前の改選時は、谷田部地区の委員が少なくなったなど地区別の人数割や農地法違反などをめぐって紛糾し(21年5月20日付、同28日付)、会長選をめぐって警察の捜査が入り、農業委員の一人が贈賄申し込みの罪で罰金50万円の略式命令を受け辞任するなどの事件に発展した。
今回の選考では、前回、紛糾の種になった地区別人数割について、どうなるかが注目されていた。
選考にあたっては、昨年10月に公募を実施。39人の応募があり、同12月4日に次の農業委員の候補者を選考する同候補者選考会(会長・飯野哲雄副市長)をスタートさせた。地区別人数割の扱いについては「(法令では)市内全域が一つの選挙区になっているが、極端な差があると後の運営に差し障りが出るのではないかということもあるので、どうしていくか協議していく」(飯野会長)としていた(23年12月5日付)。
選考会では、選考委員9人がそれぞれ、候補者39人に対し、農業委員としての責務を理解し意欲があるか、農地法に違反する転用があるかなど、選考シートに基づいて17項目について評価し評点を付けた。市農業委員会事務局によると、評点を付けた結果「地区バランスがとれており、支障をきたすものではなく妥当」だとして、評点に基づいて24人を選考し、五十嵐市長に答申したという。
新しい農業委員は5月19日以降開かれる総会で辞令が交付され、新しい会長などが選任される。(鈴木宏子)