火曜日, 3月 3, 2026
ホームつくば遺族に無断で副葬品を取り出し処分 つくばメモリアルホール

遺族に無断で副葬品を取り出し処分 つくばメモリアルホール

2020年ごろから 火葬直前、ひつぎのふた開け

つくば市玉取の市営斎場「つくばメモリアルホール」(高野徹也斎場長)が2020年ごろから、火葬のため炉の前に運び込まれたひつぎのふたを開け、遺族らに無断で副葬品を取り出し、勝手に処分していたことが分かった。

副葬品は、お別れの儀式の最後に遺族らがひつぎに納める思い出の品などで、故人が生前愛用していた服や好きだった食べ物、故人への手紙などが多い。

高野斎場長によると、燃やしてはいけないものが混入し、副葬品が溶けて遺骨が汚れたり、損傷したり、燃え残った副葬品が炉台にくっついて、はがす際に炉台を傷つけたり、火葬時間が長くかかるなどの事例が発生したことから、火葬の直前にひつぎのふたを開けて、副葬品を取り出すようになった。スタッフが、献花でいっぱいになったひつぎの中に手を入れ、白装束と花以外の副葬品を取り出していたという。

取り出した副葬品は今年3月末まで、供養した上、残った遺骨の灰などを処分する委託業者に、灰と一緒に引き取ってもらい処分していた。処分先については「委託業者それぞれ、埋葬するお寺をもっており、そこに埋葬されたと思う」としている。

同ホールは火葬、告別式、法事などを行うことができ、同市内外の住民が利用できる。実績報告書によると2020年度の火葬件数は1754件、21年は1850件だった。20年ごろから、感染症などで亡くなった人を除ぎ、すべてのひつぎを開けて副葬品を取り出していたといい、高野斎場長は、処分した副葬品が合わせてどれくらいになるか「分からない」としている。

今年4月になって、副葬品の混入を改善するため同ホールは、公害、火葬炉の損傷、不完全燃焼などの原因となる副葬品は入れないよう呼び掛けるちらしを作成、さらに徹底するため、ひつぎから取り出した副葬品を葬祭業者に返却するようになった。

高野斎場長は「4月以降、葬祭業者から返却に対する意見などは出てなかったので、納得してもらえたと思っていた」としている。

一方、今年9月初め、市外の土浦市右籾にある葬祭業者「ひまわりくらぶ」(井上圭一代表)が遺族と、同ホールで火葬を実施したところ、副葬品としてひつぎに入れたはずの紋付きの着物と果物を、火葬の最中に返却された。井上代表(60)がスタッフらに尋ね、メモリアルホールが、遺族らに無断でひつぎのふたを開け、副葬品を取り出していたことが発覚した。

井上代表は「返された紋付きの着物は、亡くなった90歳を超えるおばあさんのもので、先に逝ったおじいさんがあの世で、おばあさんを迷わず探し出せるようにとの思いが込められている」「おばあさんは亡くなる前の20日間、入院先で点滴を受け、何も食べられたなかったので、生前好きだった果物などもひつぎに納めた」と話す。着物は絹製の1着のみで、同ホールがひつぎに入れないよう呼び掛ける副葬品の対象ではなかった。

「副葬品は遺族の思いがこもった神聖なものであり、ふたを閉じた後、第3者がふたを開けて中身を取り出すなどあってはならない。故人に対する冒とく」だと述べ、「遺族は、着物が煙になって一緒に天に昇ったと思っている。取り返しがつかない」と憤る。井上さんの手元にはまだ、返された紋付きの着物があり「遺族にどう言って返せばいいのか」と頭を抱える。「葬祭業者は下請けと同じ立場なので、メモリアルホールから副葬品を返されてもほとんど意見を言えない」ともいう。

同ホールは、井上代表から「遺族の心情や死者の尊厳を軽視する行為」だなどの申し入れを受け、不適切な行為だったことを認め、申し入れがあった後の9月13日以降は、ひつぎのふたを開けて副葬品を取り出すことはやってないとし、高野斎場長は「配慮が足りなかった」としている。

つくば市は9月30日夜、同ホールによる副葬品の不適切な取り扱いについて発表し、五十嵐立青市長は「遺族の心に寄り添う配慮が足りず、深くお詫びします。今後は遺族の心に寄り添った対応を心掛けるよう徹底して参ります」とするコメントした。

一方、今後の対応については、火葬を行う上で支障がある副葬品について、遺族や葬祭業者に周知を徹底し、遺族や葬祭業者に確認した上で取り出すよう改善するなどとしている。

これに対し井上代表は「遺族や葬祭業者に確認すれば副葬品の取り出しを続けると言ってることになり、つくばメモリアルホールは葬送という儀式を何も分かってないのではないか。燃えないものや大きなものをひつぎに入れてはいけないことは遺族も分かっており、信頼してほしい」という。

近隣市「ふたを開けることはない」

一方、つくば市近隣の火葬場である土浦市営斎場(同市田中)と、うしくあみ斎場(牛久市久野町)はNEWSつくばの取材に対しいずれも、火葬場でひつぎの中に入った副葬品を取り出すことはないし、ひつぎのふたを開けることはないと回答する。両斎場とも、副葬品に燃えにくいものが混入しないようチラシを渡すなどして周知しているとした上で、火葬時間は人によって違うので、時間が延長されるケースもあるが、いずれも、副葬品が原因でトラブルが発生したことはないとしている。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

14 コメント

14 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

電子看板のガイドラインを策定 土浦市 県内初 光・動き・音に指針

良好な景観と交通安全確保へ 街中で、LEDビジョンなどを用いて広告などを流す電子看板「デジタルサイネージ」の設置件数が増加する中、良好な景観を維持し交通安全を確保しようと、土浦市は2日、屋外などのデジタルサイネージの表示に関するガイドラインを県内で初めて策定した。 デジタルサイネージに特有の光のまぶしさ、映像の動き、音の大きさなどについての指針を示すもので、市内を、にぎわいを創出するエリア、自然と歴史のあるエリアなど4つに分け、エリアごとにそれぞれの指針を示している。デジタルサイネージは、人の視線や注意を特に引きつけるなどの特性があることから、景観維持のほか、ドライバーや歩行者の不注意による交通事故を誘発するのを防ぐことが目的。 具体的には ①夜間の光の明るさは、原則として1平方メートルあたり400カンデラ以下(スマートフォンを暗闇で光らせたくらい)とする ②光が夜空に拡散しないようひさしなどを付ける ③色や模様は、うずまき模様や細かい縞模様などは見る人に錯覚などを引き起こすことがあり好ましくない ④動きは、極端な点滅、高速で動く、クイズ形式などは、ドライバーに幻惑を誘発し交通事故を誘発する恐れがあるため避ける ⑤設置位置は信号機と重ならないようにする ⑥霞ケ浦や河川の水面に反射しないよう配慮する ⑦音は、駅前などにぎわいを創出するエリア以外は音を出さないーなど。 市内を駅前などにぎわいを創出するエリア、幹線道路沿いや工業団地などのエリア、霞ケ浦湖畔や筑波山麓エリア、落ち着きのある旧城下町エリアの4つに分け、それぞれエリアに応じた指針を示している。旧城下町エリアについては屋外広告物条例で設置そのものを禁止している。 これまで同市は市景観計画や屋外広告物条例で屋外広告物の大きさや設置位置などを規制してきた。現在、市内には17基のデジタルサイネージが設置されており、これまで市民から「まぶし過ぎる」などの意見が計5件、市に寄せられ、市はその都度、設置事業者に連絡などしてきた。今回のガイドラン策定を機に、17基の事業者のほか、新たに設置を計画している事業者にも周知を図っていきたいとしている。ただし強制力や罰則はない。 同様のガイドラインは全国で、さいたま市、千葉県柏市、名古屋市、大阪市などがすでに策定している。同市の特徴として、夜間の光の明るさについて、近くに別の光源などがある場合は一部、明るさの基準を緩和している。大学の研究結果などを取り入れた緩和で、全国初という。

「うつろ舟」享和3年 常陸国に漂着《ふるほんや見聞記》14

【コラム・岡田富朗】皇居向かいに位置する国立公文書館では2月28日から3月13日までの期間、所蔵されている『弘賢随筆』(ひろかたずいひつ)の原本から、「うつろ舟」が描かれている箇所(上の写真)が展示されています。「うつろ舟」の形は現代の人が見ると空飛ぶ円盤のようにも見えますが、江戸時代後期の1803(享和3)年2月22日、常陸国に漂着したとされる舟です。 漂着したのは、現在の茨城県神栖市波崎舎利浜(しゃりはま)ではないかと言われています。『弘賢随筆』は、幕臣で蔵書家としても知られる屋代弘賢(やしろひろかた、1758~1841)の手もとにあった雑稿を取りまとめ、不思議な出来事や変わった噂(うわさ)などが数多く収録されています。 55年前設置された国立公文書館 国立公文書館は、「公文書等の保存、閲覧・展示などへの利用、公文書の調査研究を行う機関」として、1971(昭和46)年7月に設置されました。今日では、公文書館は図書館・博物館とともに、文化施設を支える三本の柱の一つとなっています。 館内入口の展示スペースでは、常設展示に加え、1~2カ月ごとにテーマを変えた企画展や特別展が実施されています。常設展示では複製資料を展示していますが、期間限定で貴重な資料の原本が並ぶこともあります。 国立公文書館の設置に際し、その重要な一部門となった内閣文庫は、1873(明治6)年に太政官に置かれた図書掛に始まり、1885(同18)年の内閣制度創始と同時に内閣文庫となりました。以来、和漢の古典籍・古文書を所蔵する我が国屈指の専門図書館として、内外の研究者に親しまれてきました。 所蔵品のうち、日本の資料で最も古いものとしては、東大寺文書に含まれる908(延喜8)年の文書があるそうです。 1998(平成10)年7月には、筑波研究学園都市内に、つくば分館を設置し、書庫などの拡充を行いました。現在、175万冊が所蔵されており、うち50万冊が内閣文庫、125万冊が行政機関などから移管された公文書です。 3~5月に昭和100年記念特別展 データ化が進んでいるものの、毎年行政機関から4~5万冊の公文書を受け入れており、永久保存していく資料であるため、蔵書は増加の一途をたどっているそうです。そのため、既存施設の書庫が近年中に満架となる見込みであることを踏まえ、2029(令和11)年度末には、新館の開館を予定しています。新たな国立公文書館は、新たな憲政記念館と合築で整備され、展示スペースも広くなるそうです。 「公文書は保存するだけではなく、利用していただくことにも意味があるので、より多くの方に公文書館を訪れていただきたい」と、総務課広報の新井さんは話してくれました。「うつろ舟」展示終了後、3月20日~5月24日までは、昭和100年記念特別展「昭和の日本人とフロンティア―南極・深海・宇宙への挑戦―」が開催されます。(ブックセンター・キャンパス店主)

創立40周年祝う つくば学園ロータリークラブ

市内で記念式典 社会奉仕団体、つくば学園ロータリークラブ(RC)の創立40周年記念式典が1日夕、つくば市内のホテル日航つくばで開かれた。同RC会員のほか、招待された県内RC代表も参加し、200人を超える大式典になった。つくば市内には、つくば学園RC、つくばシティRC、つくばサンライズRCの3クラブがあるが、会員数は学園RCが最も多い。 会員数3.5倍に 学園RCを代表して高田稔美会長(高田工務店社長)があいさつ。「このクラブは1986年7月、土浦RCのスポンサークラブとして、30人の会員で設立された。1985年に開かれた科学万博が成功のうちに終わり、地域が活気に満ちていた時代だった。当時、私は中学生だったが、地域発展の未来に期待していた。それから40年。つくば市は大発展し、私たちも地域の発展に寄与してきた」と述べた。 また、創立40周年記念式典の浦里浩司実行委員長(浦里酒造店会長)は「会長あいさつにもあったように、スタート時の会員は30人だったが、今では100人を超え、106人の規模になった。スポンサーの土浦RCはじめ、多くのロータリー会員のご指導にお礼申し上げる」と、会員の大幅増を強調した。 学園RC会員によると、茨城県内のRCで最も会員数が多いのは水戸RCで、学園RCは2番目という。土浦市内にも、土浦RC、土浦南RC、土浦中央RCの3クラブがあるが、学園RCのスポンサー(親クラブ)だった土浦RCの会員数は減少傾向にある。 3人のガバナーを輩出 高田会長、浦里実行委員長のあいさつのあと、瀬戸隆海ガバナー(県内全RCの代表、龍ケ崎RC会長)、県知事代理の久保三千雄県営業戦略部長、五十嵐立青つくば市長が来賓としての祝辞を述べた。 この中で、瀬戸ガバナーは「40年前というと、NTT民営化、科学万博、男女雇用機会均等法成立など、時代の大きな変化が始まろうとしている時期だった。学園RCは、たくさんの奉仕活動に取り組んでおり、RC活動に大きなインパクトを与えている。これらが未来に残るよう、今後の活躍を祈念している」と、活発な活動を続けるよう求めた。 学園RCもこれまで、筑波山江戸屋の吉岡昭文社長(当時)、つくば企画の野堀喜作社長(当時)、東光拓商事の大野治夫社長(当時)の3人のガバナーを輩出している。いずれも地元有力会社の経営者だ。 記念式典の途中、40年のクラブ活動の写真をAIで編集したスライドが壁面に映し出され、出席者はRC活動のいろいろなシーンに見入っていた。1時間半の式典のあと、会場は祝賀の宴に入り、夜遅くまで懇親を深めた。(坂本栄)

サンガイア、千葉に連勝 プレーオフ進出の可能性残す

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は2月28日と3月1日、つくば市竹園のつくばカピオアリーナで千葉ドット(旧千葉ZELVA、本拠地千葉県千葉市)と2連戦し、共にセットカウント3-0で連勝した。これでサンガイアは通算成績16勝8敗で東地区5位。レギュラーシーズンは残り4試合で、他チームの結果次第では各地区2位以上によるプレーオフ進出の可能性も残す。 2025-26 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(3月1日、つくばカピオアリーナ)サンガイア 3-0 千葉ドット25-2325-1522-17 つくばでのホーム最終戦となった1日、第1セットは拮抗(きっこう)した展開で、ブロックの隙を突く千葉の精密な攻撃に苦しんだサンガイアだったが、終盤に僅差(きんさ)をつけてセットを先取。第2セットは中盤以降一気に差をつけてセット連取、第3セットも勢いに乗ってものにした。 「昨日とはメンバーが替わった中で、チームとしてやるべきことを確認し、苦しい場面でも逆転されず我慢することができた」と、アウトサイドヒッターの川村駿介。同じくアウトサイドヒッターの畑中大樹は「アウェーでの4連敗から、自分たちの課題を見つめ直し、みんなで戦って手にした連勝」と話し、自分の攻撃については「序盤は緊張もあって肩に力が入ってしまったが、後半は気持ちを切り替えてチャレンジャーとして挑むことができた」と振り返った。 この日は川村、畑中の2人に加え、ミドルブロッカーには榮温輝、リベロには松浦友喜と、前日から先発4人を入れ替えて臨んだ。「昨日はミドルブロッカーの決定率が良く、今日もそこに相手がついてくると思ったので、バックアタックを積極的に使うなど、幅のあるいい攻撃ができた」とセッターの浅野翼。 川村はスピードとパワー、畑中は高さとパワーという持ち味をそれぞれ攻撃に発揮。榮と梅本鈴太郎が速攻などで揺さぶりをかけ、エースの長谷川直哉が要所を締める。それら全てのタクトを振るうのが浅野翼のトスワークだ。「縦にも横にも、相手に的を絞らせず、しっかりと立体的に攻撃を展開したことが勝利につながった」と浅野は胸を張る。 「昨季と違ってすごく選手層が厚くなっており、誰が出ても力を落とさずに、違ったスタイルのバレーができる。どのチームも対策を立てて試合に臨んでくる中で、できるだけ違うパターンでメンバー編成し、昨日と今日とで全く違うバレーを意識的にしている」と加藤俊介監督。 今季Vリーグは残り2節4試合。東地区は現在、首位から5位までが勝ち星4差の中にひしめく大混戦だ。サンガイアは、来週はホームの牛久運動公園体育館で長野GaRonsとの2連戦、再来週はアウェーの北ガスアリーナ札幌46で北海道イエロースターズとの2連戦に挑む。 「相手がどうこうではなく、自分たちが目指すバレーができれば結果は必ずついてくる。残り2週間で選手と共に今の課題を詰めきり、4試合を全部取ってわれわれが目指してきた今季の集大成を締めくくりたい」と加藤監督は意気込む。(池田充雄)