土曜日, 7月 12, 2025
ホームコラム恥ずかしながら 私のウイルス体験記 《文京町便り》2

恥ずかしながら 私のウイルス体験記 《文京町便り》2

【コラム・原田博夫】前回のコラム(2月27日掲載)原稿を編集部に提出した数日後、私のパソコンがウイルスに汚染されました。今回はその顛末(てんまつ)をお話しします。

Wi-Fi接続していたPCが、2月23日午後2時過ぎ、けたたましい警告音(サイレン)とともに、甲高い女性の声「PCの電源を切らないで」が繰り返されました。PC画面には、赤字で「ウイルスに感染されました、至急、034-579-0166に電話をください」が出ている(あえて、その時の不自然な電話番号を表示しておきます)。

とりあえずは電話すると、画面で「MICROSOFT Windows, Mike Miller」と自称する人物が音声(不自然な日本語)で出現し、無料診断の結果、私のパソコンの問題点は「1.service stop, 2.no network security, 3.hacker found」だと表示。加えて、ハッカーの顔写真(囚人風の外国人(ボカシ))が表示され、恐怖感を煽(あお)る。

これを解消するには、plan 1(4年間保証で2万円)かplan 2(7年間保証で3万円)だと、と迫ります。私は、これはおかしいと反論するも、この担当者は近くにコンビニはあるか、と問う。コンビニFがあると答えると、そこで該当額のGペイカードを購入するように、と指示。

半信半疑ながら、そのコンビに出向き、店員(40歳前後の男性)にGペイカードの所在を尋ね(そもそも使ったことがないので)、経緯を話すと、「振り込み詐欺かもしれない」と案じ、「一度、家電屋で見てもらった方がいい」とアドバイス。我に返り(カードを購入せず)自宅に戻り、この間(15分程度)接続していたPCをシャットダウン。

ロシア製の対策ソフトをインストール

次は、近くの家電量販店Kでのやり取り。担当者(30歳前後の物静かな青年)は、PCのハードディスクをチェックし、特に問題は発生していない模様だと仮診断。私からは、思い返すと、ここ2週間ほど、PC導入時にデフォルトで設定したウイルス対策ソフトWの更新要求メッセージを無視していたことが今回の原因なのかもしれない、と反省の弁。

するとこの担当者は、同店推薦のソフトK(店頭販売のウイルス安全対策ソフト、3年保証、13,200円)のインストールを勧め、私もそれに応じました。その後、ウイルス対策は支障なく動作しているようですが、このソフトKはロシア人が設立した企業で、その持株会社はロンドンの企業とのこと。

まさに、魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界のゆえに、何がより完全な対策なのか不明ですが、ロシアのウクライナ侵攻の前日だったことと符合しているとも感じています。ご参考までに、皆様にご報告しておきます。(専修大学名誉教授)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

1コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

土浦三 科技日立破り3回戦へ【高校野球茨城’25】

第107回全国高校野球選手権茨城大会は6日目の12日、2回戦が行われた。ひたちなか市民球場ではBシードの土浦三が登場、1回戦で逆転勝ちし勢いのある科技日立を7ー4で破り、3回戦進出を決めた。  12日 2回戦 第2試合 ひたちなか市民球場土浦三高 201002101 7科技日立 000030010 4 土浦三は初回1死から下村悠真のヒットと盗塁で1死2塁のチャンスに、鈴木大芽がセンター前タイムリーを放ち先制した。続く星典蔵、池田翔の連続ヒットで満塁とし、大塚秦多の犠牲フライで1点を追加した。 3回にも1点を追加し3点をリードすると、土浦三の先発池田翔は4回まで科技日立打線を1安打に抑えた。しかし5回、1死後に連続四球と2本のタイムリーと内野ゴロの間に同点とされた。 直後の6回、1死2、3塁のチャンスに山本真聖がセンターへの2点タイムリーヒットで勝ち越し。山本は「(相手が)前進守備だったので、コースを絞って強く叩く気持ちで振り抜いた」と話した。 7回には、2死2塁で先発投手からレフトの守備についていた池田翔に代わって、代打島田優聖がストレートをセンターへタイムリーヒットを放ち、突き放した。「池田の代打とは思わなかったので驚いたが、しっかり準備はできていた」と島田。9回にも来栖大蒼の犠牲フライで1点を追加した。 粘る科技日立は、5回途中から池田に代わりセンターの守備からリリーフした2番手黒田広将を攻め、無死2、3塁と反撃に出るも、黒田がスピリット、カーブ、ストレートを上手く使い分け、気迫のこもった投球で3者連続三振に仕留め、チームを3回戦進出に導いた。野手と投手の二刀流の黒田は「次の試合でも打つ方も守備も投げる方もいつも通りチームに貢献出来るように頑張る」と誓った。  3安打を放って鉄壁な守備でチームに勢いを付けた下村悠真は「夏の大会初戦は自分自身経験したことがなくとても緊張感があったが、楽しみつつ思い切りプレーすることが出来た。先制のホームを踏みチームが盛り上がった。次の水戸葵陵は打力のあるチームなので、自分たちの武器である守備をしっかりやって守備から攻撃に流れを持ち込み勝ちにつなげる」と力を込めた。 土浦三高の竹内達郎監督は「科技日立はしっかり鍛えられた、しぶとい、いいチーム。夏の大会は(対戦相手同士の)お互いの思いがぶつかり難しいが、ひるまずにリラックスして闘えたのが良かった。選手には焦らずに狙い球を定めて自分のスイングをしてこいと伝えた。島田は代打の切り札として春から勝負強さが目立っていた。ストレートをよく打った」と島田をたたえ、「次の試合も1試合ずつ勝っていきたい」と語った。3回戦は16日に水戸葵陵と対戦する。(高橋浩一)

霞ケ浦、5失策も投打の軸が躍動【高校野球茨城’25】

第107回全国高校野球選手権茨城大会は6日目の12日、4球場で2回戦8試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第2試合は昨年優勝校の霞ケ浦が登場、日立一を4-1で下し3回戦に進出した。 12日 2回戦 第2試合 J:COMスタジアム土浦日立一 000000100 1霞ケ浦 00010120X 4 「守る野球」を身上とする霞ケ浦が5失策(エラー)と慌てた。要因は初戦の緊張だけではないようだ。「春大会では公式戦の雰囲気を1試合しか味わえなかった。日立一はセーフティを多く仕掛けてくるので、内野陣が警戒して前に出たことでバウンドが変わった。緊張していても自分にばかり目を向けるのではなく、相手の出方や野球の中身のことを考えていれば固さはほぐれてくる」と高橋祐二監督。 先発は2年生の稲山幸汰。打たせて取るピッチングで6回1/3を被安打3、失点1に抑えた。「初戦なのでチームに流れを持ってこようとていねいに投げ、特に先頭打者は塁に出さないよう心掛けた」とのコメント。直球は最速136キロだが今日は本調子でなく、球が浮いていたのでコントロール重視で投げたそうだ。 先制点は4回。先頭の3番・鹿又嵩翔主将が左翼線への三塁打、4番・大石健斗が死球で無死一・三塁、5番・花内晴紀が遊ゴロでダブルプレーの間に鹿又が生還した。 6回には追加点。2死三塁から6番・西野結太の中堅への適時打で1点を加えた。「ベンチから相手投手の投球を見ながらタイミングを合わせ、まっすぐを待ちながら変化球を叩けた。真ん中へ来たスライダー系の球を、シャープにコンパクトに振り抜いた」との振り返り。西野はこの日3安打の活躍。 7回表にはエラーで出した走者を1ヒットで返され、2-1と詰め寄られたが、相手投手が2人目に交替した7回裏に突き放した。1番・荒木洸史朗がセーフティバントで出塁し、盗塁で二塁へ進む。2番・村上聖は四球で1死一・二塁とし、大石の右翼への三塁打で2点を加えた。「相手は変化球投手で、インコースは来ないと分かっていたのでアウトコースに絞り、真ん中に甘く入ったスライダーをコースに逆らわずに打ち返した」と大石。 霞ケ浦は7回途中からエース市村才樹がマウンドへ。8回は野手のエラー3つと四球で2死満塁とされるが次打者を三振で退け、9回は三者三振で締めくくった。「初戦の特別な雰囲気の中で、自分たちのプレーができてなく、野球を楽しめていない様子だったので、雰囲気を良くしようと、無駄な走者を出さずテンポ良くていねいに投げることを心掛けた」と市村。今年は経験を積んで落ち着いて投げられるようになり、体重も増えてストレートの球速やスライダーのキレが増しているという。 チームには市村や荒木、大石ら昨夏の甲子園メンバーが5人残る。「中軸がチームを引っ張り、いい方向に向かわせたい」と大石。「厳しい山に入ったが、自分がいい投球をすればチームも乗ってくる」と市村。次戦は16日、3回戦で下妻一と対戦する。(池田充雄)

不登校支援に取り組む高校生 島本美帆さん【ひと】

「科学カフェ」オープンし1年 つくば市内の通信制高校で学ぶ島本美帆さん(18)が、市内に交流スペースとなる科学カフェ「フェルミカフェ」を開き、不登校の子どもや家族の居場所づくりに取り組んで1年になる(24年4月19日付)。不登校を経験した中学時代から現在に至るまで、気持ちはどう移り変わったのか。美帆さんは「フェルミカフェを始めると、活動を応援してくれる人や自分を必要としてくれる人と出会った。以前は感じることがなかった世界の広がりを感じている」と話し、今後はさらにカウンセリングにも力を注ぎたいと思いを語る。 模索したどり着いたのが今 つくば駅から徒歩15分。同市二の宮の住宅地にあるアパート2階の1室に、フェルミカフェがある。昨年5月、美帆さんが得意とする科学を中心に、さまざまな人が交流しながら共に学べるカフェとして始めた取り組みだ。現在の場所には12月に移転した。オープンから1年が過ぎ、口コミで訪れる人が増えつつある。営業するのは木曜から日曜の週4日。用意してある簡単な器具で科学の実験や工作をしたり、読書や宿題、資格の勉強をしたり、それぞれが目的に沿った時間を過ごすことができる。最近は、より作業に集中できるよう、「もくもくタイム」という時間を週に1日2時間設けた。利用するのは小学生から大学生、社会人や高齢者などさまざまだ。 美帆さんは現在、通信制の学校で学ぶ高校3年生。大学受験を控え、受験勉強と日頃の学業、カフェの運営と多忙な日々を送っている。カフェが休みの月・火・水の3日間と、開店前後やお客さんがいない時間帯に学校の課題に集中して取り組む。毎日通学する必要がない通信制だから、卒業に必要な課題は自分のペースで進められる。7月中には1年分の課題を終えられそうだという。「仕事と勉強、自分にとって、いいサイクルができている」と話す表情に、充実感がにじみ出る。不登校を経験した中学時代を経て、自分に合った学び方を模索してたどり着いたのが、学業とカフェ運営を並行する今の暮らしだ。 持ち寄りランチ会 美帆さんが、母親の真帆子さんと昨年から続けているのが、不登校をテーマにした「持ち寄りランチ会」だ。月に一度、不登校の子どもや家族が集まり、お昼を食べつつ互いの話に耳を傾ける。時には、それぞれが抱く今後の目標の発表の場にもなるという。カフェを営む中で、不登校の子を持つ親から相談される機会が増えていた。「子どもが不登校になった。このままだと勉強もついていけなくなりそうで、将来が不安」「学校に行かずにゲームばかりしている。ゲームを取り上げた方がいいのか」「生きるのがつらそうな子どもの様子を見て、親としてどう接すればいいのだろう」など、親たちは、学校に行けなくなった子どもの気持ちをつかみきれず不安を抱えていた。そうした親の声に対して美帆さんは、自分の過去を振り返り、子どもの目線で答える。「他に行き場がないからゲームに向かっているだけで、それを取り上げるべきではないと思う。気が済むまでゲームをやらせるのも手じゃないでしょうか」「学校に行けない子どもは悩んでいるが、自分の気持ちを言語化するのは難しい。時間をかけて、思いを聞いてほしい」「家の中を居心地よくするのもいいこと」。 学校に行けない子どもの中には、「何かを燃やしたい」という衝動を抱えたと話す子もいた。その子には、母親の真帆子さんが「燃やすと重くなるものと軽くなるものがあるんだよ」と語りかけ、計りとアルコールランプを出して、スチールウールに火をつける実験をした。「燃やして実際に重くなっているのを知ると、興味が湧きますよね。不登校の子の中には学校行けないことで劣等感があると思う。その気持ちを否定せずに、実験の方に気持ちを向けてあげると、気持ちのはけ口になるんじゃないかと思ったんです」と真帆子さん。訪れる人たちの悩みに接する中で美帆さんは「もっと不登校のサポートを前面に出してもいいのかなと思った」のだと話す。 ➡次のページに続く 自分は「ダメ」だと思った 美帆さんが不登校を経験したのは中学時代。2年生の夏休みを迎えるころからだった。体調を崩して休みがちになった。医療機関にかかったが、なかなか快方に向かわなかった。「みんな学校に行っているのに私は行けなくて、自分は『ダメ人間』かもしれないと思った。どうしていいかわからず本当に辛かった」と当時を振り返る。 学校の慣習にも馴染めなかった。ダンスが苦手なのに人前で踊らなければならなかった、反復練習では学ぶ意義が感じられないのに、同じように学ばないと怒られることもあった。「例えば、自分が好きな科学で実験レポートを書くとなれば、実験結果と関連づけて必要な漢字や数式を一緒に覚えることができる。私は全体のつながりの中で物事を学びたかった。その方がよく学べるのに、と思っていた。集団行動も苦手だった。学校では自分に合わないことをしなければいけない。精神的につらかった」 母親の真帆子さんは当初「給食くらい食べてくればいいのでは」と、娘の姿を見つめていた。だが、次第にそれは負担が大きいことだと感じると、科学好きの美帆さんに、つくば市内の研究所や博物館の見学を勧めたり、真帆子さん自身が取り組む地域の小学校で開く科学の出張教室の助手を頼んだりするなど、学校外の活動に目を向けるよう働き掛けた。 人前で話し自信になった 活動を続ける中で、美帆さんにとって大きなきっかけになる出来事があった。16歳になったころ、母親が毎年1度、講義を持っている福島県内の大学で、学生に向けて話をする機会を得たのだ。事情を知った大学関係者が協力した。美帆さんは、当時読んでいた経済に関する本を紹介することにした。人前で話すのは初めてのこと。事前に入念な準備を重ね、ドキドキしながら教壇に立った。話し終えると、拍手が湧き、さらに謝金まで出た。「自分のしたことでお金をもらったのは初めて。興味を持ってくれたのもすごくうれしかったし自信になった」と振り返る。 美帆さんは「学校に行かなければいけないという固定観念を外してみることで、楽になった」と言い、「フリースクールでもいいし、コミュニティスペースに出入りしてもいい。勉強の仕方はいくらでもある。もちろん、学校が合う子どももいる。その子にあった学び方を選択すればいいのでは」と話す。母親の真帆子さんは「不登校によって生じる問題は学習機会が減るということ。学習機会が減ると将来の選択肢が減ってしまう。学習機会をどこでつくるかということが大切になる」。 どこにいても話できる場所つくりたい 「今が一番楽しい」と島本さんは言う。その一方で、「もう一度、小学生からやり直すとなったら、そんな気力はない。1回目だから耐えることができたけど、2回目があったら無理かもしれない。それくらい当時は大変だった」と、不登校時の苦しみを語る。 これからの目標は、まずは大学に進学すること。そこでは一緒に活動できる仲間を作り、人間の心と体について学びたいと話す。フェルミカフェはこれからも続けていくつもりだ。今後はより専門的な相談サービスも展開していきたい。 「将来は、全国どこにいても話ができるオンラインスクールをつくれたらうれしい。不登校だったけど、大学に行ってこんなことができるよって示せたら、安心してくれる人が増えるかもしれないですよね」(柴田大輔) ◆交流スペース「フェルミカフェ」はつくば市二の宮1丁目9-5 ホワイトレジデンス201号室。開館時間は木・金は午後1時~6時、土・日・祝日は午前10時~午後5時。利用料金は1日当たり大人500円、学生は300円。フェルミカフェのホームページはこちら。

道の駅 洞峰公園近くを取り止め つくば市 

筑波山麓1カ所で検討 つくば市内2カ所を候補地に道の駅の建設を検討していた(24年12月9日付)つくば市は11日、洞峰公園近くの上原・松野木地区での検討を取り止めると発表した。もう1カ所、筑波山麓の池田地区については建設に向け検討を続ける。 市立地推進課によると、予定地周辺住民を対象に6月にアンケート調査を行った結果、洞峰公園近くの上原・松野木地区は反対が52%、賛成が37%、どちらともいえないが11%と反対の声が多かった。さらに周辺住民などから反対署名が市に提出されたなどから、事業を続けることは難しいと総合的に判断したとしている。 アンケートでの反対理由は「交通渋滞」が最も多く、次いで「住宅地に近い」、「騒音」、「税金の無駄遣い」、「田園風景の喪失」など。反対意見は「通学路になっていて子供の交通事故が増える懸念がある」「西大通り沿いは渋滞が激化する懸念がある」「地域住民にとってのメリットが具体的に示されていない」「道の駅をつくる目的が理解できない」などが出された。 アンケートは、上原・松野木地区は予定地から半径800メートルの5227世帯、池田地区は半径3キロの5149世帯を対象に実施し、それぞれ44%、42%の回答があった。 一方、筑波山麓の池田地区のアンケート結果は、賛成が82%、反対が5%、どちらともいえないが13%と賛成が8割を超えた。賛成理由で多かったのは「にぎわいの創出」「利便性の向上」「雇用の創出」などだった。 大規模事業評価実施へ 今後について市は、池田地区1カ所を候補地に2026年度に基本構想を策定し、面積や施設の規模、完成後の運営主体や地域の意向などについて検討したいとする。10億円を超える事業規模と見込まれることから、その後、事業の必要性や有効性、経済性など6項目について評価する大規模事業評価を実施することになるとし、着工時期などは現時点で未定としている。 集客45万人、売り上げ4.5億円 道の駅建設をめぐっては、2024年度に上原・松野木地区、池田地区のほか、菅間地区、島名地区の市内4カ所を候補地に検討し、上原・松野木地区と池田地区の2カ所が高評価だったことから、2カ所に絞って検討し、周辺住民のアンケート調査を実施していた。 今回取り止めが決まった上原・松野木地区の予定地は、筑波研究学園都市の都市公園 洞峰公園や、気象研究所、産業技術総合研究所つくば西事業所などに近接し、西大通りに面することから、五十嵐立青市長は昨年12月、研究学園都市の研究所や大学と連携する新たなコンセプトの道の駅を検討したいなどと表明していた。 検討が続けられる池田地区は、山麓から筑波山を見渡せる開けた水田地帯にある。市がコンサルタント会社に委託して2024年10月に作成した簡易経営診断業務最終報告資料によると、池田地区に建設した場合の経済効果は、対面交通量からの予測として集客が年間約42万~64万人、売り上げは年間4億2000万~6億4000万円、商圏人口からの予測として集客が年間約45万人、売り上げは年間約4億5000万円になり、観光消費金額に換算した経済効果は毎年約23億円になるとしている。さらに需要予測通りに売り上げを達成するためには①出荷者の確保及び調整②観光を意識した名物単品・サービスの開発③体系的なマーケティング戦略ーの3点の施策が必要で、施策を充実させるためには庁内プロジェクトの組成、専門家のアドバイスを踏まえた計画策定の必要性が高いなどと進言している。(鈴木宏子)