「錯視(さくし)」は見たものが事実とはちがうように見えてしまう目の錯覚で、同じ大きさの図形が違う大きさに見えたり、同じ色がちがう色に見えたりする。この錯視の科学を紹介する企画展「錯視の世界ーあなたは今度もかならずだまされる!」が、つくばエキスポセンター(つくば市吾妻)で5日から始まった。5月8日まで。
展示されるのは錯視研究者の杉原康吉さん、北岡明佳さん、山口康さんの作品、合計56点。模様によって形がゆがんで見える「高さ反転立体」、直接見るのと鏡で見るのとで全く異なって見える「変身立体」など、錯視の様々なテクニックを楽しむことができる。
2013年にレディ・ガガが発表したアルバム「アートポップ」のCDのインサイドデザインに使用された作品「ガンガゼ」も展示されていて、静止画なのにウニのトゲが動いているように見える。ベスト錯覚コンテスト世界大会受賞作品も6点展示されている。
展示室の外の廊下には大きな作品が展示されていて、見応えがある。またエントランスには、オブジェの中に自分が入って、両側にある鏡に見える像の違いを体験できるコーナーがある。展示作品の解説パネルの漢字にはルビがふってあり、子供でも読みやすい。
企画を担当したエキスポセンター運営部の松岡安希子さんは、「錯視は目から入った信号を脳で処理する過程で起こる現象なので、見え方に個人差がある。子供と大人とでも見え方が異なる場合があるので、親子でどう見えるか話すのも楽しいと思う。大人の方も『そんなことはない』と分かっているのにだまされてしまうのを楽しんで下さい」と話す。
新型コロナ感染拡大防止のため入場制限を行う場合があるので、来館前に最新情報をウエブサイトで確認してほしいとのこと。入館料のみで企画展も見ることができる(如月啓)。
◆企画展「錯視の世界」は3月5日(土)~5月8日(日)。開館時間は午前9時50分~午後5時。入館料は大人500円、4歳から高校生250円。休館日などの問い合わせは電話029-858-1100(つくばエキスポセンター)。