児童・生徒数が急増しているつくば市のTXみどりの駅周辺の学校新設について、市教育局は19日、人口推計を見直した結果、みどりの学園義務教育学校は、みどりの南小中学校(仮称、2024年4月開校)を分離した後、増築した教室で対応できるとして、現段階では、みどりの地区に3カ所目となる新たな学校を新設しないとする方針を示した。市学区審議会は今年3月出した答申で、南小中学校のほかに、新たな学校の設置を検討するよう意見を付けていた。
一方、みどりの義務教育学校の児童・生徒数は今年4月時点で1595人と、国が解消を促している1200人程度以上の過大規模校になっている。南小中学校を分離した後もさらに増え続けるが、市教育局は2030年度をピークに減少に転ずるとして、大規模で推移する期間について「学校で子どもたちが健やかに成長できるよう対応していく」とした。
具体的には、みどりの義務教育学校は現在、テニスコートなどだった敷地に開校後2度目となる校舎を増設中であることから、東側に新たに県有地9900平方メートルを取得し、テニスコートを含めたサブグラウンドと教職員駐車場を整備するという。
19日開かれた市議会全員協議会で明らかにした。サブグラウンドなどの購入価格は約4億2500万円で、11月30日開会の12月議会に補正予算を提案する。可決されれば来年3月に取得し、教職員駐車場を22年度に整備する。グラウンドの設計や整備時期は未定。拡幅用地はもともと公共公益用地として土地利用計画されていた。
19年の推計より900人減少
今年3月の市学区審議会では、みどりの義務教育学校は、南小中学校分離後も大規模校で推移することから「新たな学校用地の確保など適正規模に向けた対策を検討する」よう意見が付けられた。
市教育局によると、答申を受け対策を検討する中で、みどりの義務教育学校の2022年度以降の児童・生徒数推計を見直した結果、2019年策定の児童・生徒数の推計と、現時点で見込まれる推計に乖離(かいり)があることが分かった。女性が産む子供の数や平均世帯人数などの推計を実態に合わせて見直した結果、19年はピーク時の2030年度の児童・生徒数は3158人と推計されていたが、宅地開発が早く進んだ場合でも、当初より900人少ない2276人と見込まれることが分かったとしている。今年4月時点でも実際の児童・生徒数は推計値より約40人少なかった。
みどりの義務教育学校は2018年4月開校。翌年の19年度に普通教室を16教室増築し、さらに現在も2度目の増築工事を実施中でさらに19教室増築する。来年4月には特別支援教室も合わせ計83教室となる。ピークとなる2030年度には78教室が必要になると見込まれ、83教室で対応できるとした。
一方、今後も人口増加の状況や児童生徒数の推移を注視し、継続的に精査していくとしている。(鈴木宏子)