月曜日, 10月 27, 2025
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新型コロナに判断揺れる つくば・土浦のイベント関係者 

【橋立多美】国内で新型コロナウイルスの感染が相次ぎ、感染者数は日々更新されている。22日現在、県別の感染者に茨城県はないが、都内への通勤や国際交流の機会が多いつくばでは、モヤモヤした不安を抱える人が少なくない。感染の拡大を受け、不特定多数の人が集まるスポーツイベントや会議、集会を中止する動きが広がっている。

ノーベル賞受賞者も来日回避?

農研機構は18日、一般公開施設「食と農の科学館」(つくば市観音台)を当分の間休館すると発表した。19日つくば開催の4つの研究会やサイエンスカフェに加え、21日につくば国際会議場(同市竹園)で予定していた気象環境研究会「近年の猛暑によるイネ高温不稔の顕在化とその対策」を中止とした。

同会議場では3月12日に予定されていた日本学術振興会主催の「第12回HOPEミーティング―ノーベル賞受賞者との5日間」も中止となった。ノーベル賞受賞者3人と著名研究者によるパネルディスカッションが一般に公開される予定だった。パネリストとして招へいの海外のノーベル賞受賞者の1人が直前になって出席を辞退、主催者も「コロナウイルスの影響を考慮」して中止を決めた。

敢行にも中止にも決断力

国が不要不急の集まりを控えるよう呼びかけつつも具体策が示されないなかで、多くの人が集まる会合を開催した例も。つくば市社会福祉協議会は20日、コロナウイルス予防策を練って「地域の絆フォーラム2020」をホテルグランド東雲(同市小野崎)で開催した。230人が参加した。

会場入り口にアルコール消毒液を置き、開演前にマスクを着けていない人にマスクを用意していることをアナウンスして飛沫感染を防ぎ、休憩時間に扉を開けて換気を行った。花粉症の時期と重なってマスクが入手できない現状だが、食事サービスや災害支援向けにストックしているマスクを運び込んだ。

同フォーラムは互いに支えあい、安心して暮らせる地域づくりを目指して8年前から開催。「(開催を)楽しみにしている人がいる」と中止の検討はされなかった。フォーラムを運営した担当者は「できるだけのことをした」と話す。

一方、元開業医の室生勝さんが主宰する、高齢者の居場所づくりを目指す「サロンゆうゆう」(毎週月曜)は、今月初めから活動を中止している。

政府が水際作戦をとったが、室生さんは1月下旬にはすでに国内に無症状患者がいると考えた。周囲からは「そこまでしなくても」という声があったが、医療に携わった者として対策を徹底させた。感染すると重症化する可能性が高い後期高齢者が多いことも背中を押しての決断という。

どうなる?かすみがうらマラソン

土浦市は21日、市が主催するイベント開催の方針を示し、方針に基づいて実施の判断と対応を行うと発表した。

実施するのは出席者や来場者が限定的で特定することができ、イベント会場でのアルコール消毒や手洗い、咳エチケット、換気など、一般的な感染症対策をすることが可能なもの。他方、参加者が不特定多数で感染拡大のリスクが大きく、出席者への感染により、市民の安全確保や行政、企業経営上、多大な影響が予測されるイベントは原則中止とする。

同日、霞ケ浦の湖畔をめぐるウオーキング大会(29日と3月29日)の中止が告げられた。今後は4月19日開催の「かすみがうらマラソン兼国際ブラインドマラソン」の催行に注目が集まる。エントリー者数2万4000人をこえる。

近隣ではつくばみらい市の「みらいマラソン」(3月1日)の中止が決まった。実行委員会では、大会スタッフ用のマスクや消毒液が確保できないことを中止の要因に挙げている。

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色彩とリズムの饗宴 フランス音楽研究会がサロンコンサート

11月9日 つくば 夢工房 つくばを中心に活動するフランス音楽研究会(阿部理香代表)が11月9日、同市豊里の杜、ギャラリー「夢工房」でサロンコンサートを開く。今回は「色彩とリズムの饗宴」と題し、シャブリエ、ドビュッシー、イベールら19世紀末から20世紀初頭のフランスの作曲家の作品と、同時代の印象派などの絵画作品を合わせて鑑賞する。ピアノ、フルート、歌唱による生演奏と生解説。 ドビュッシーに代表される19世紀末~20世紀初頭のフランス音楽は、ロマン派から印象主義への移行期で、色彩的な響きとモダンなリズムが特徴。手法としては全音音階や不協和音などを取り入れて、よりあいまいな気分や雰囲気を音楽に持ち込み、光や水など自然の情景も生き生きと描き出した。またアメリカやアフリカ、アジアなどの原初的でパンチの効いたリズムにも目を向け始めている。 今回のコンサートの趣向である絵画との取り合わせでは、シャブリエの「幸福の島」「小さなあひる達のヴィラネル」にはルノワールの「ぶらんこ」を合わせる。シャブリエ自身も印象派の画家たちと親しく、何気ない日常を描くセンスも両者に通じるところがある。ドビュッシーの「子供の領分」にはドニの「赤いエプロンドレスを着た子ども」。ドビュッシーとドニも楽譜の挿絵や、舞台音楽と背景美術などで直接の交流があった。イベール「物語」にはバルビエの「マケダ、シバの女王-エチオピア年代記」で異国情緒を、プーランク「村人たち」にはマチス「花と果物」で繰り返す明るいリズムを漂わせる。 プログラムの最後を飾るのはフランセの「ルノワールによる15の子供の肖像画」。ルノワールの絵からインスピレーションを受けた小曲集だ。フランセが選んだ15枚の絵にはあまり表には出てないものも多く、なぜこういうチョイスになったのかは長年の疑問だったが、元になった画集があることを今回フランス音楽研究会が明らかにした。 その画集とはミシェル・ロビダが編纂した「ルノワール―子供たち」。ロビダはフランスのジャーナリストで、ルノワールの伝記も著している。彼の大伯母は印象派の大パトロンであるシャルパンティエ夫人で、ルノワールを社交界に紹介し肖像画家としての道を開いた人物だ。 ロビダが選んだルノワールの絵には、良家の子女ばかりでなくルノワール自身の子どもの絵なども含まれ、いずれもかしこまった姿ではなく、普段の生き生きとした姿や、伸び伸びと自由に遊ぶ子供たちの一瞬の様子を捉えている。「天真爛漫な子どもたちへの愛と、描くこと自体の喜びや幸せが、こうした魅力的な表情を生み出す秘訣なのかもしれない」と阿部さんは推察する。 フランセの曲にも子どもたちへの愛が込められている。今回演奏されるのはピアノの連弾のバージョンだが、低音部を先生、高音部を生徒が弾く練習曲としての側面もある。特にユーモラスなのは12曲目「ピアノに向かって」で、ちょうど絵の中の子どもたちのように、習いたてのたどたどしい姿を再現しており、しっかりと譜面通りに弾かないと作曲者の意図がうまく伝わらない難曲でもある。 フランス音楽研究会は2003年結成。近代フランスの作曲家を中心に音楽、美術、料理、文学などジャンルを超えて研究し、その中から新たなムーブメントが生まれることを目指している。毎年秋のサロンコンサートでは、ホールコンサートとは異なる自由な発想で、観客との歓談の時間なども設け、より密に交流することができる。(池田充雄) ◆フランス音楽研究会サロンコンサート「色彩とリズムの饗宴」は、11月9日(日)、つくば市豊里の杜2-2-5、夢工房で開催。開場は午後1時30分、開演は2時。料金は2000円(お茶付き)。申し込み・問い合わせは電話029-852-7363(阿部さん)へ。 ➡フランス音楽研究会の過去記事はこちら

「自然共生サイト」に認定されました《宍塚の里山》129

【コラム・森本信生】この9月、環境省、農林水産省、国土交通省から、土浦市の「宍塚の里山」、つくば市の「奥村組技術研究所ビオトープ」と「洞峰公園とその近隣公園」が自然共生サイトに認定され、30日に東京で認定式が行われました。 自然共生サイトは、国内だけでなく国際的にも位置づけられる制度です。2021年のG7サミットで採択された国際目標「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」では、30年までに世界の陸域・海域の30%を「健全な生態系として効果的に保全・管理された区域」とすることが掲げられています。 この目標を達成するため、国は23年度に「自然共生サイト」認定制度を創設し、25年度には「地域における生物の多様性の増進のための活動の促進等に関する法律」を施行しました。今回の認定は、この法律に基づく初の認定です。自然共生サイトは、既存の保護区を除き、OECM(Other Effective area-based Conservation Measures:保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)として、国際データベースに登録されます。 これまでに認定された自然共生サイトは、茨城県内で14カ所。土浦市では宍塚の里山が唯一の認定地です。つくば市は7カ所と多く、全国の市町村の中で第4位となっています。 環境教育の場として高い評価 今後、私たちの会は「自然共生サイト増進活動実施計画」に基づき、「生き物と歴史遺産に恵まれた宍塚の里山を次世代に伝える保全活動実施計画」を立て、次世代に向けた保全を目指します。認定にあたり評価された生物多様性上の価値は、次の4点です。 (1)公的機関によって生物多様性保全上の重要性がすでに認められている場(2)里地里山といった二次的自然環境に特徴的な生態系が存在(3)伝統工芸や伝統行事など、地域の伝統文化を支える自然資源の供給の場(4)希少な動植物が生息・生育している、またはその可能性が高いこと 有識者による認定審査委員会からは「本サイトが学生などの活動拠点となり、環境教育の場として活用されている点を高く評価する」とのコメントが寄せられました。 宍塚の里山はすでに、環境省の「生物多様性上重要な里地里山」に指定されています。また、100年間にわたり全国1000か所の自然環境をモニタリングする環境省のプロジェクト「モニタリング1000」における第1号調査地「里山コアサイト」としても知られており、日本を代表する貴重な里山の一つです。 今回の「自然共生サイト」認定は、この地域の価値が国際的にも認められたことを意味します。宍塚から吉瀬(つくば市)に広がる里山の保全活動が、さらに大きな力を得て進展することを期待しています。(宍塚の自然と歴史の会 理事長)

わんわんランドで愛犬と学園祭 つくば国際ペット専門学校

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田)が25日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第16回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちがさまざまな企画を用意し、日頃の勉強の成果を披露した。 混雑するのを避けるため今年も卒業生や家族などを含めた関係者だけでの開催となった。午後からはあいにくの雨になったが、2000人ほどが参加し、駐車場は満杯となった。 ドッグトリマーコース2年生は、来園者が連れてきた愛犬と一緒に写真撮影をしたり、愛犬に似合うリボンの色を選んでオリジナルアクセサリーを作るなどした。愛玩動物看護師コース2年生は、犬や猫の生態などに関する謎解きゲームを実施した。制限時間内にクリアすると脱出出来るという試みだ。ペットケア総合コース2年生は、犬猫や学校をテーマにクロスワードパズルとビンゴを組み合わせたゲーム「クロスワードビンゴリー」を実施。犬3頭の合計体重を当てるゲームなども催された。 フィナレーレを飾ったのは、ドッグトレーナーコース2年生によるドッグ・パフォーマンスショー。同校では、学生が1人1頭の子犬を飼育し、学校での授業を始め、放課後や学生寮、自宅で一緒に生活するパートナードッグ制度を実施している。学園祭では、それぞれのパートナードッグと1年半向き合った成果を、大勢の家族や関係者の前で披露した。学生が「待て」「お預け」「進め」などの指示を出すと、パートナードッグはそれぞれ、指示を出した学生の周りを回ったり、ダンスや曲芸を見せたり、投げたディスクを空中でキャッチしたり、ステージ上に設けたトンネルなどの障害物を駆け抜けたりしていた。 栃木県壬生町から来た玉田豊さん(76)は「孫がドッグトレーナーコースの2年生で、今日のショーに出演するので見に来た。あいにくの雨だけど頑張ってほしい」などと話していた。(榎田智司)

入替戦 第1戦は敗れる つくばFCレディース なでしこ2部復帰目指し

2025プレナスなでしこリーグ2部入替戦の第1戦が25日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで行われ、つくばFCレディースは、なでしこリーグ2部11位の南葛SCウイングス(WINGS、東京都葛飾区)に5ー0で敗れた。つくばは昨シーズン、なでしこリーグ2部から降格し今シーズンでの復帰を目指す。入替戦はホームアンドアウェーで2試合が行われ、2試合の合計得点で勝負が決まる。第2戦は11月2日にアウェーのAGFフィールド(東京都調布市)で行われる。つくばは次のアウェーで6点以上の差を付けて勝てば逆転で2部昇格が決まるが、5点差なら同点となり、勝っても4点差ならば、南葛のなでしこ2部残留が決まり、厳しい戦いとなる。 つくばFCレディース 0 ー 5 南葛SC WINGS   0 前半 1        0 後半 4 【得点】前半=5分 南葛・菅野永遠、後半=33分 南葛・石倉花純、42分 南葛・佐藤幸恵、43分 南葛・石倉花純、90+2分 南葛・佐藤幸恵 つくばFCレディースは前半5分、南葛の菅野永遠から右コーナーキックを直接決められ、失点する。つくばも4分後、石黒璃乙が中央からドリブルで突破してシュートを放つが得点ならず。石黒は高校卒業後の今季から新加入しチーム最多得点を挙げている。 31分には、ケガで出場できない高橋萌々香に代わってキャプテンを務めた鏡玲菜が、中央から左足でミドルシュートを放ちゴールを捉えるが、相手キーパーに弾かれた。39分には再び鏡がフリーキックを直接狙ったが、わずかにゴールをとらえることができず、得点を奪うことは出来なかった。鏡は「相手のサイドが上がってきているところにロングボールを入れた。あの位置からのシュートは得意なので常にゴールを狙っていていたが悔しい」と残念がった。 前半は0ー1とリードされて折り返した。志賀みう監督は「やるべきことは徹底してやったが1失点はもったい失点だった」と前半を振り返った。後半は「もう一度やるべきことを徹底出来るよう確認し、相手が狙ってくる部分や自分たちの狙いを確認して選手に指示をした」。 後半は開始直後、南葛の細かなパス回しでゴールに迫られるが、つくばはデフリンピック日本代表のGK伊東美和を中心にDF陣が必死で守る。すると徐々に流れをつかみ、後半14分に石黒がシュートを放つ。GKが弾いたところを穂谷颯季がシュートを放つが、惜しくもゴール右に外れる。31分にも中央からパスを受けた石黒がドリブルで持ち込みシュートを放つが、またしても相手GK米満布貴に弾かれた。 一方南葛は、後半34分に途中出場の石倉花純がゴールを決め2点目を挙げると、後半42分には同じく途中出場の南葛、佐藤幸恵が決定的となる3点目を奪う。ホームで意地を見せたいつくばも、両サイドの攻撃から果敢にゴールを狙うが、その後は運動量が落ちて足が止まってきたところを押し込まれて、さらに2点を追加され5ー0で敗れた。 鏡は「自分たちのサッカーは(戦術として)体力を使うので、体力面だったり改善するところはたくさんある。あと1週間で準備していきたい。次の試合はアウェーで厳しい戦いになるが、相手の嫌がることをたくさんやって、5点、6点取って勝ちたい」とリベンジへの意欲を語った。石黒は「自分たちへの流れはあったが、そこで自分が決められなかったのが悔しい。リーグ戦の後半からは入替戦に向けて調整してきたので、力を発揮出来るようにしてきたが、もっとやれたなって思いが強い。得点力、シュートの回数も上げるべきで、最後まで動き続けるのが大事だと思った。あと1週間で足りない部分を補えるようにしっかり準備していき、絶対に昇格出来るように勝ちにいく」と話した。  今季キャプテンを務めた高橋萌々香は、試合後サポーターに向けて「まだ後半戦があるので、切り替えて、次は勝てるようにまだまだ諦めずに戦う」と誓った。志賀みう監督は「正直悔しい。選手は、伝えたこと、これまで積み上げてきたものをしっかり発揮してくれた」と選手を称え「自分(監督)自身が足りないから結果を出せなかった。本当に悔しい」と涙を浮かべながらも「まだ終わっていない。次は5ー0以上で勝ちに行く。皆さんも諦めずに一緒に戦って下さい」とサポーターに後押しを頼んだ。 今季、関東女子サッカーリーグ1部のつくばは、9月に福島県のJヴィレッジで行われたなでしこリーグ2部の入替戦予選を3勝1敗の2位で終え、入替戦の権利を得ていた。入替戦は、一つの上のカテゴリーであるなでしこリーグ2部の下位2チームと、予選会1位と2位のチームが戦う。予選会2位のつくばは、なでしこリーグ2部12チーム中11位の南葛と対戦し、予選会1位のレノファ山口FCレディースは、なでしこ2部最下位のFC今治レディースとホームアンドアウェーで2試合行う。合計得点で勝ったチームが来シーズンのなでしこリーグ2部に昇格または残留する。25日行われたレノファ山口FCレディースとFC今治レディースの第1戦は0-0の引き分けだった。(高橋浩一)