日曜日, 3月 22, 2026
ホームつくばつくばの市民劇団 伊賀七座 16日、集大成の組曲お披露目

つくばの市民劇団 伊賀七座 16日、集大成の組曲お披露目

【橋立多美】江戸時代にからくり時計を作った、つくば市谷田部出身の発明家、飯塚伊賀七を題材にした舞台を手掛ける地元の劇団伊賀七座の5回目の公演「組曲伊賀七」が16日、同市谷田部の「よりあいや伊賀七庵」(旧呉服店アラキヤ)で開かれる。

同劇団などの活動は昨年7月、市が実施している周辺市街地を元気にする「つくばR8地域活性化コンペティション」で最終審査に残り、最高額の200万円を獲得した。16日の公演は今年度の集大成になる。

伊賀七座の初演は昨年6月で座長は地元在住の劇作家で舞台演出を兼ねる70歳の沼尻渡さん(ペンネームは北野茨)。以来、伊賀七の発明を基にした演劇を披露してきた。今回は、測量器具「十間輪」をモチーフに人情味に満ちた物語に仕上がっている。

当初7人だった劇団員は15人に。初演から舞台に立ち、今公演で伊賀七を演じる中村壮志さん(22)は「芝居は奥が深い。悩みは尽きないがやめるつもりはない」。伊賀七の女房役の竹田京子さん(51)は「着物に慣れないので、テレビに和服姿の女性が登場すると食い入るように見てしまう」と話した。

朗読の練習をする劇団員たち=同

劇団の母体は、シャッター通りと化した谷田部地区に活気を取り戻そうと、昨春立ち上がった「わわわやたべや町民会議」(長塚俊宏代表)。伊賀七をシンボルに町おこしが動き始め、劇団と地域住民の交流拠点「よりあいや伊賀七庵」が発足した。

つくばR8地域活性化コンペで最高額を獲得したことについて沼尻さんは「コンペで認められたことが地域の励みになり『勇気づけられた』『まちが元気になりそう』という声がある。参加する住民も増えてきた。約500個の和提灯を町内に飾り付けた11月のイベントには、子どもやボランティア約300人が集まった」という。

また「コンペの支援金でのぼりを購入できたが約半分は会場の家賃に充てる。『よりあいや』は日常的に利用できる場にしたいが、それには常駐者が必要で人件費がいる。これからも寄付を募っていく」と話す。その一方で「3年間はまちの発展のために全速力で走る」とも。

「組曲伊賀七」は同町民会議の今年度の集大成で、公演には迫力ある太鼓演奏が加わるほか、伊賀七座のテーマソングが発表される。

◆公演は16日(日)午後1時からと同3時からの2回。3時からの部は終演後、参加者たちで谷田部の地域づくりを語り合うパネルディスカッションが開かれる。チケットは大人1000円(3時の部は1500円)、中高生500円、小学生300円。当日チケットあり。問い合わせは電話090-3341-7351(沼尻さん)。

◆「つくばR8地域活性化コンペティション」の成果報告会は、11日(火)午後1時30分から、つくば市役所コミュニティ棟1階で開催する。

➡つくば市周辺市街地活性化の過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「霞ケ浦導水事業」を歩く《日本一の湖のほとりにある街の話》36

【コラム・若田部哲】1月末、霞ケ浦導水事業の見学会に参加しました。霞ケ浦を利根川-那珂川と結び、広域で水を融通する構想として昭和50(1975)年代に始まったこの事業の背景には、水需要の増大や水質への懸念、渇水時への備えといった、当時の社会的課題がありました。その後、長い年月の中で、事業を取り巻く状況や環境への向き合い方は変化を重ねていきました。 今回見学したのは、そのうちの一部、小美玉市の玉里立坑と、そこから地中に伸びる石岡トンネル。午前10時の集合時間には、親子連れや年配の方など、多くの参加者が集まっていました。 ヘルメットを着用し、全員で集合写真を撮影したのち、いざ、直径18メートル、深さ約45メートルの玉里立坑の縁へ。地上からのぞき込むと、円筒状の巨大な空間が足もとに垂直に落ち込んでいます。 5メートルごとに数字が記されたその光景は、想像を超えるスケール! ワイヤーメッシュの籠状の工事用エレベーターに乗り込み、ドアが締まると、歯車がきしむ音を響かせながらゆっくりと地下へと降下し、自然と緊張感が高まります。 底部に降り立つと、両側に大きく口を開ける「石岡トンネル」は、よく見ると直径が異なっており、片方は4.5メートル、もう片方は3.5メートルとのこと。計画や技術の変遷が、断面の違いに現れているのを感じます。 湖と人、技術と暮らしをつなぐ トンネルは、巨大な円筒形の「シールドマシン」によって掘り進められると同時に、工場製作のコンクリートの壁である「セグメント」を組み立てていく工法だそうです。全長31.5キロという数字に、その積み重ねの大きさを感じ、めまいを覚えます。 圧倒的なスケールの余韻を抱いたまま地上に戻り、見学会が終わろうとしたその時、これまでの工事を記録した映像が上映されました。 掘削、セグメントの組み立て、測量、機械の点検─さまざまな工種の作業員の方々が、真剣な表情で現場に向き合うその姿。巨大な土木構造物も、突き詰めれば一人ひとりの手仕事の積み重ねという、その確かな事実に改めて心を打たれました。 霞ケ浦導水事業をどのように受け止めるかは、人それぞれでしょう。ただ少なくとも、現場には確かに、人の手と時間が積み上げてきた現実があります。湖と人、技術と暮らしをつなぐ、長い対話の一端に触れることにより、この事業を「遠大な構想」ではなく、「目の前の風景」として思い描けるようになった取材でした。(土浦市職員)

琉球の希少植物と暮らしを紹介 筑波実験植物園で企画展

絶滅危惧種など150種 琉球列島由来の希少な植物を知ることができる企画展「琉球の植物−南国を育む植物たち」が20日から、国立科学博物館 筑波実験植物園(つくば市天久保、遊川知久園長)で始まった。展示されているのは、同植物園が保有する琉球列島の植物約400種類の中から、自然界では日本に1株しか残っていなかったり、自生地ではすでに絶滅してしまった希少種など、絶滅危惧種に指定されている約110種を含む150種あまり。 琉球の植物の展示は2019年以来7年ぶりとなり、豊かな自然が育んだ「琉球文化」の紹介にも力を入れる。展示を担当した同植物園研究員の國府方吾郎さん(57)は「琉球列島の豊かな自然とともに、たくさんの植物を有効活用してきた地元の人たちの暮らしを知る機会になれば」と来場を呼び掛ける。会期は29日まで。 展示会場は、多目的温室と研修展示場の2カ所。温室では、海岸、海岸林、山地林、低地林、渓流沿いなど琉球列島にある五つの自然環境の自生種を展示する。葉の裏側に赤い小さな花をつけるハナコミカンボクは沖縄本島の1カ所にしか自生していない。ナガミカズラは西表島で1株の自生が確認されている。小指の先ほどの白い花をつけるオリヅルスミレは自然界では絶滅してしまった。新種のアマミマツバボタンは國府方さんが2013年に発見した。 國府方さんは、「(奄美諸島、沖縄諸島などからなる)琉球列島は種の多様性が高く、単位面積あたりの植物種の数は日本本土より45倍多い」とし、背景には三つの理由があるとする。一つ目は、本土に当てはめると青森から高知までに相当する広い緯度差と多様な自然環境だ。「北琉球」とされる屋久島、種子島は本土と同じ温帯で、それ以南は亜熱帯に属する。その中にも乾燥地、湿地、標高の高低などの違いがある。 二つ目は、島ごとの交流が限られることで生まれた独自の進化だ。かつて大陸と地続きだった時代から、島々が分離した時期によっても種の違いが生まれた。大東島に限っては一度も他の土地との接続がない。 三つ目は、沖縄の言葉で、混ざり合うことを意味する「チャンプルー」だという。遺伝的にオーストラリアにある植物と近い種は、北へ向かう渡り鳥が種を運び分布するようになったと考えられている。その他、動物や人の移動、海流などにより、日本本土や東南アジア、台湾、ユーラシア大陸など世界各地とのつながりが確認されている。國府方さんは「その様子は、アメリカや日本、中国と関わり合ってきた沖縄文化のよう」だと話す。 文化を自然科学的に研究する必要ある 自身も沖縄出身だという國府方さんが今回力を入れたのが、研修展示場で紹介する琉球列島の植物と共に営まれてきた「人々の暮らし」だ。 地域に自生するキク科の野草 ホソバワダンは白和えなどにして食べられている。商品として流通するのは葉の大きい栽培品種だ。自生種との遺伝的な違いを國府方さんが調べると、意外なことが分かった。流通する品種と遺伝的に近い種が、海を超えた奄美や屋久島、平戸、対馬にあったのだ。 「近い種が沖縄の自生種ではなかった。元になるのは一つの株だということも分かった。昔、おいしいホソバワダンと出合った誰かが株をひとつ持ち帰った。近所の人にも食べさせたいと思い、株を分け合った。そんな様子目に浮かぶ」と笑顔を浮かべる。 このほか、「どこの学校にもあった」という大きく枝を広げるガジュマルの木と、そこに宿るとされる精霊のキジムナーの物語、葉を編んで草履にしたアダン、扇や笠にしたビロウ、赤い実が飢饉を救い、味噌にも用いられてきたソテツなど、琉球列島の人々の暮らしを支え、文化をもたらしてきた身近な植物も丁寧に紹介している。 「文化というのは自然から生まれたもの。私たち研究者も、文化を自然科学的に研究する必要があると思っている」とし、文化を自然科学的に研究しようというプロジェクトも進行中だと話す。「琉球の植物に関するクイズもあり、特製のポストカードのプレゼントもある。お子さんにも楽しんでもらえたら」と話す。(柴田大輔) ◆企画展「琉球の植物ー南国を育む植物たち」は20日(金・祝)~29日(日)の10日間、つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館 筑波実験植物園で開催。開園時間は午前9時~午後4時30分(入園は4時まで)。入園料は一般320円、高校生以下と65歳以上は無料。詳しくは同植物園のホームページ、問い合わせは電話029-851-5159(代表)へ。

働く私たちのリアル《マンガサプリ》5

【コラム・瀬尾梨絵】新卒として社会に飛び出したとき、誰もが胸に抱く「理想の自分」。しかし、現実に突きつけられるのは、自分の無力さと、理想とはかけ離れた泥臭い現場であることも少なくない。そんな「やりたいこと」と「できること」のギャップにもだえ、悩み、それでも一歩を踏み出す姿を描いた、ねむようこ先生の「午前3時の無法地帯」(祥伝社、全3巻)を今回はご紹介したい。 主人公・ももこは、イラストレーターを夢見てデザイン事務所に就職したばかりの新卒会社員。彼女が思い描いていたのは、おしゃれでかわいい雑貨のデザインに関わるキラキラした毎日。しかし、配属された先は、パチンコ屋のチラシやPOPを専門に扱う、文字通り「無法地帯」のようなデザイン事務所。午前3時を回っても明かりが消えず、床には誰かが寝ており、タバコの煙と怒号が飛び交う。そこは、彼女の理想とは対極にある場所だった。 本作の最大の魅力は、新卒の誰もが直面する「理想と現実のギャップ」を、ねむ先生特有の柔らかくも鋭い感性で描き出している点にある。「私はもっとかわいいものを描きたいのに」「自分にはもっと才能があるはずなのに」。 そんなももこの心の叫びは、読んでいるこちらの胸をチクリと刺してくる。自分が本当にやりたかったこととは違う、派手でけばけばしいパチンコの広告デザインに追われる日々。その「やらされている感」と、それすらも満足にこなせない「実力不足」の板挟み。この葛藤は、クリエティブな職種に限らず、組織の中で自分の役割を見出せずにいるすべての若手社会人が共感できるはずだ。 今の仕事を本当にやりたかった? しかし、この物語が単なる「お仕事苦労話」で終わらないのは、その無法地帯な職場にいる人々との交流を通して、ももこが少しずつ「働くことの本質」に触れていくからである。 一見デタラメに見える先輩たちも、実はプロとしての矜持(きょうじ)を持って仕事に向き合っており、自分が嫌っていた仕事の中にも、誰かを喜ばせる工夫や、確かな技術が必要であること。そして、理想の場所にたどり着くためには、まずは目の前の「できること」を必死に積み上げていくしかないということ。ももこが少しずつ顔を上げ、自分の居場所を見つけていく過程は、読者に「今の自分も、あながち間違いじゃないのかも」という小さな救いを与えてくれる。 ねむ先生の描くキャラクターは、どこか抜けていて愛らしく、それでいて生々しい生活感を持っている。徹夜明けのボロボロの肌、深夜に食べるカップ麺の味、理不尽な上司への愚痴。そんな等身大の描写があるからこそ、ももこの成長が輝いて見える。 「今の仕事は、自分が本当にやりたかったことだろうか?」。そう自問自答して立ち止まってしまいそうな夜、ぜひこの本を手に取ってみて欲しい。午前3時の暗闇の中で、それでも灯りを灯し続けるももこたちの姿が、あなたの心にある「ギャップ」を少しだけ埋めてくれるはずだ。(牛肉惣菜店経営)

学校給食に金属製ナット混入 つくば市の義務教育学校

つくば市は19日、市内の義務教育学校で同日出された学校給食に異物が混入していたと発表した。教職員が職員室で給食を食べようとご飯のふたを開けたところ、直径8ミリほどの金属製のナットが混入していた。 同校の他の教職員や生徒、同日ご飯が提供された他校からもほかに異物混入の報告は無く、健康被害も報告されていないという。 市健康教育課によると、同日午後0時45分ごろ、教職員が個別の器に入ったご飯のふたを開けたところ、端の方に直径8ミリほどのナットが混入していた。 同市でのご飯の調理は、給食センターとは別に、米飯納入業者が炊飯工場でご飯を炊き、一人分をそれぞれ個別の器に入れ、ふたをして各学校の配膳室に配送している。配送された給食は、職員が配膳室から各教室や職員室などに運んでいるという。 どうして混入したかについて同課は、米飯納入業者が経緯を調査したが、19日時点で不明だとしている。 市は同日、ご飯の提供を受けた市内の各学校の保護者にお詫びの通知文を出した。