木曜日, 5月 29, 2025
ホームスポーツ8本の炬火が1つに 土浦で茨城国体の集火式

8本の炬火が1つに 土浦で茨城国体の集火式

【崎山勝功】いきいき茨城ゆめ国体2019(茨城国体)に向け、土浦市内8カ所で採火された炬火(きょか)を1つに集める「集火式」が3日、土浦市大和町のうらら大屋根広場で行われた。炬火はオリンピックの「聖火」に当たるもので、市内の公民館で6月8日から7月20日までの間に灯された炎が「土浦の火」として一つにまとめられた。9月28日の同国体開会式で、県内各地で採火された炬火と一つに束ねられる。

各公民館で採火された火種は触媒カイロで保存され、集火式会場に持ち込まれて8基の炬火台に灯された。各公民館のチャレンジクラブ代表の小学生が2人1組で炬火台からトーチに点火。その後、茨城国体土浦市代表炬火ランナーで土浦二中3年の伊沢勝優さん(14)ら代表者6人の持つトーチに火を移した。6人の持つトーチがステージ壇上に備え付けられた炬火台に点火され、「土浦の火」が一つにまとまった瞬間、会場の客席からは拍手が沸き起こった。

各地区公民館の炬火台からトーチに点火する、各地区チャレンジクラブ代表の児童たち=同

集火式を終えて、伊沢さんは「少し緊張したけど誇らしかった。土浦市の代表なので、責任を持ってしっかりとランナーを務めたい」と意気込みを改めて示した。

土浦二中地区チャレンジクラブの松本虹さん(11)は炬火イベントでマイギリ方式での火おこしに苦労した経験をもつ。「トーチは思ったより重くて、2人で持ったけど少し重かった。でも代表者の人に火を移すことができて、土浦市の火が起こるところを見られて良かった」と語った。

「土浦の火」は9月28日の国体開会式まで石油ランプで保存され、ひたちなか市佐和の笠松運動公園でつくば市など他の43市町村の炬火と一つにまとめられる。茨城国体の正式競技のうち、土浦市では相撲・水泳(水球)・軟式野球の3種目、特別競技では高校野球(軟式)の1種目が実施される。

つくば市では24日のまつりつくばで

つくば市では、11日と24日に炬火の採火イベントが市内2カ所で行われ、24日の「まつりつくば」内イベントで集火式が行われる予定。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

茨城リーグ選抜が準優勝 全日本選手権、奮闘ぶり強い印象

少年硬式野球 挑戦の軌跡振り返る 5月の爽やかな青空の下、牛久運動公園野球場でひときわ輝いていたのは、悔しさをにじませながらも胸を張る茨城リーグ選抜の少年たち14人の姿だった。 少年硬式野球の「JA共済杯第13回インターミディエット全日本リトルリーグ野球選手権大会」が10、11日に同運動公園野球場で行われた。茨城代表チームは選抜メンバーを編成して大会に臨み、堂々の準優勝。あと一歩で優勝を逃したものの、その奮闘ぶりは、多くの関係者に強い印象を残した。 大谷翔平も 世界目指す第一歩 リトルリーグは、国内にとどまらず世界を目指せる数少ない小中学生の硬式野球組織。メジャーリーガーの大谷翔平や鈴木誠也もこの舞台から世界に羽ばたいた。 インターミディエットのカテゴリーはリトルリーグの中でも、走者リードやけん制が導入され、より本格的な野球が展開される。対象年齢は小学5年から中学2年まで。全日本選手権優勝チームは6月に台湾で開催されるアジア・パシフィック大会に日本代表として出場。同大会に優勝すれば8月に米国で開催される世界大会の出場権を与えられる。 冬の戦いから始まった 全日本選手権に向けて茨城リーグは、県内6チーム(牛久、常陸太田、常陸大宮、竜ヶ崎、友部、小美玉)からの選抜編成で臨んだ。 2月、まずは4日間の総当たり戦で腕試し。最も勝ち星を挙げた牛久スラッガーズのスタッフ陣が、選抜チームの指揮を託された。 そして3月。中学1年(当時)の4月~8月生まれを中心に4度の合同練習を経て、3月30日、14人の茨城代表が決まった。顔ぶれは、中1が12人、小6が2人。各所属チームで主力を張る選手たちが集結し、新たなチームが動き出した。     茨城リーグ選抜メンバー1 眞壁 陽大 中1 牛久スラッガーズ2 飯塚龍一郎 中1 龍ケ崎スターズ3 中島直太郎 中1 牛久スラッガーズ4 後藤 桜雅 中1 常陸太田山吹5 長島  岳 小6 牛久スラッガーズ6 萩原 唯月 中1 牛久スラッガーズ7 鈴木 心明 中1 牛久スラッガーズ8 朝  隆晟 小6 牛久スラッガーズ9 小澤 優智 中1 友部ジャイアンツ10 瀧本  渚 中1 友部ジャイアンツ11 戸塚 大智 中1 小美玉ジャイアンツ12 御鳴佑太朗 中1 常陸大宮レッドスピリッツ13 瀧  龍信 中1 常陸大宮レッドスピリッツ14 阿部 俊太 中1 常陸太田山吹 千葉と前哨戦 4月中旬、千葉リーグ選抜との東関東連盟代表順位決定戦が行われた。全5試合で2勝3敗。あと1勝が届かず、茨城は東関東連盟第2代表として全国大会に臨むこととなった。 だがこの経験はチームにとって決して無駄ではなかった。対千葉で痛感した「個の力と総合力の差」を乗り越えるため、選手たちはその後の練習にさらに熱を入れた。 決勝まで快進撃 5月10日。予選リーグ初戦の相手は九州北部。先発を任された戸塚大智(小美玉)が粘りの投球で試合をつくると、阿部俊太(常陸太田)、瀧龍信(常陸大宮)へと継投し、4-2で勝利。大きな初戦白星を手にした。 続く第2戦、相手は関西の強豪・兵庫。ここで主将の萩原唯月(牛久)が覚醒する。3安打3打点の大活躍で6-3と突き放した。投げては眞壁陽大、瀧本渚(友部)が“翌日も登板可能な20球までのリレーで3回まで2失点と試合を作った。4回から7回までは中島直太郎(牛久)がロングリリーフで試合を締め、予選リーグを2勝で通過した。 そして11日、晴天スタジアム美浦で行われた準決勝では、ワイルドカードで勝ち上がった兵庫と再び激突。御鳴佑太朗(常陸大宮)の2ランなど、打線が奮起し11-1の5回コールド勝ちで決勝へと駒を進めた。 決勝は再び千葉 午後、決勝戦の舞台は牛久運動公園野球場に戻る。相手は、前哨戦で惜敗した千葉選抜。投手陣総動員で挑んだが、千葉の強力打線を前に苦戦を強いられた。 結果は4-13の敗戦。準優勝という結果は、輝かしい戦績であると同時に、“あと一歩”の悔しさがにじむものでもあった。 監督の吉田明宏(牛久)は試合後「千葉の投手力は折り紙付き。どう打ち崩すかを考え、練習してきた。差を見せつけられた形になってしまったことが残念」と語った。主将の萩原も「一緒に台湾に行きたかった」と言葉を詰まらせながらも、「もうちょっとできたかなという思いがある」とチームメートを見つめた。 今回の全国大会では、14人すべてが打順に組み込まれる全員連続オーダー制での戦いが求められ、限られた打席とチャンスの中で結果を出す難しさと向き合った。 茨城の底力見せつけた 準優勝は、悔しい結果に違いはない。しかし茨城リーグ選抜は、結成からわずか1カ月半という短期間でここまでチーム力を高め、強豪千葉に真っ向勝負を挑んだ。その軌跡は、彼らの努力と結束、そして“茨城”の底力を見せつけるものだった。 敗れても、夢は終わらない。この舞台を踏んだ14人が、再び“世界”を目指す日が、きっとやってくる。

おさがり《短いおはなし》39

【ノベル・伊東葎花】 お気に入りの金魚の浴衣を畳みながら「来年は着られないね」とママが言った。私が着られなくなった服は、近所に住む従妹(いとこ)の物になる。従妹の楓は2つ下の6歳で、楓のお母さんの幸子おばさんは、ママの妹だ。楓は男の子みたいに乱暴で、私が大切に着ていた服をすぐに汚す。フリルがついたワンピースも、チェックのスカートも、全部泥だらけ。あまりにひどいので「もう楓ちゃんに服をあげないで」とママに言った。 「まあ、どうして?」 「だって、楓ちゃんすぐ汚すもん。それに、全然似合わないよ」「そんなことないわよ」 「そうだ。ネットで売れば? ねえママ、そうしよう」 「唯、そんな悲しいこと言わないで」 「じゃあ妹が欲しい。ママ、妹を産んで。私の服は妹のために取っておく」 「いい加減にしなさい」 ママが、珍しく大きな声で怒った。その夜、ひとりで泣いているママを見て、私はすごく反省した。その後、楓は叔父さんの転勤で遠くの町に行くことになった。 「お姉さん、唯ちゃん、今までありがとう」 幸子おばさんが楓を連れて最後の挨拶に来た。 「おばちゃん、バイバイ」 楓はママの胸に顔をうずめて泣いた。 「あらあら、甘えん坊ね」 幸子おばさんはママから楓を引き離すと、「じゃあ行くね」と背を向けた。 「唯が着られなくなった服、送るね」 ママが声をかけると、幸子おばさんは立ち止まった。 「お姉さん、おさがりはもういいわ。楓には、自分の好きな服を選ばせるわ」 何だか冷たい言い方だった。ママは「そうね」とうつむいた。 その日、ママはやっぱりひとりで泣いていた。ママの涙の理由を知ったのは、法事で親戚が集まった6月のこと。久しぶりに楓と会った。楓は1年生になっていた。大人たちの会話に飽きた私たちは、別の部屋でゲームをしていた。奥の部屋からボソボソと話し声が聞こえた。話好きの本家の大おばさんたちだ。 「楓ちゃんはすっかり幸子の子供だね」 楓の名前が聞こえて、思わず襖に耳を近づけた。 「それにしてもねえ、いくら妹に子供が出来ないからって、自分の娘を養女に出す? 犬や猫の子じゃあるまいし」 「よほどの事情があったんだろうね」 「そうだとしても、あたしは嫌だね。お腹痛めて産んだ子を養女に出すなんて」 「そうね。よく平気だね」衝撃的な内容に、私の心臓はバクバク動いて、気づいたら襖を開けていた。 「あ、あら、唯ちゃん、いたの?」 「しまった」と顔を見合わせる大人たちに、私は言った。 「平気じゃないよ。ママ、泣いてたよ。楓ちゃんの引っ越しの日、泣いてたよ」 言いながらぽろぽろ泣いた。大人たちはバツが悪そうに早足で部屋を出て行った。「養女って、なに?」 あどけない顔で楓が私を見た。 「知らない。楓ちゃんは知らなくていいことだよ」 私は、楓の手をぎゅっと握った。梅雨が明けたら、金魚の浴衣を楓にあげよう。きっと似合う。だって私の妹だから。 (作家)

茨大生の将来は明るい《地方創生を考える》29

【コラム・中尾隆友】茨城大学で『人生を豊かにする働き方・生き方』という寄付講座を2年連続で行った。この講座は2014年に東京大学で行った村上憲郎氏との対談が下敷きになっているのだが、これから社会人になる学生たちに言いたかったのは、主に次の2つのことだ。 仕事の成否は「9割の戦略を持った努力」と「1割の運」で決まる。ただし、一生懸命に努力して、初めて運が呼び込める。努力しない者には、決して運は訪れない。 若いうちに自らの視野を大きく広げてもらい、人生ができるだけ豊かになる働き方を模索していってもらいたい。 しかし、学生たちのレポートをみてわかったのは、もっとも関心が高かったのが冒頭で余談として話した内容であったということだ。 すなわち、私が起業してからずっと実践してきた効率的な働き方についてだ。列挙すると以下の通りだ。 会社の近くに住んで、通勤になるべく時間をかけない。 頭の働きが鈍らないために、朝食は取らない。 頭の働きを良くするために、コーヒーを飲んで仕事を始める。 午前中の早い時間帯に集中して、頭を使う仕事をする。 伊藤忠が常態化した朝型勤務 人間は朝の早い時間帯に頭が一番働くから、午前中に集中して仕事をすることが効率的だ。しかし、首都圏や大都市圏に住む会社員の多くは、この頭が働くゴールデンタイムに満員電車で出勤するという、非常に効率が悪い働き方をしているのだ。 この問題に一石を投じたのが、伊藤忠商事だ。同社は2013年から早朝(午前5~8時)に勤務する社員に対してインセンティブを付与し、朝型勤務を常態化させた。その結果、同社は商社の中でトップの生産性を誇るようになった。 効率よく働くことは、自分のスキルを高めるとともに、生活の質をも高めることができる。茨城大学の学生たちが私の朝のルーティンに強い興味を持ったことは、その効果を詳しく説明しなくても、その重要性を感じ取ったからなのだろう。 そういった意味では、彼らの将来は明るいといえるし、できれば茨城経済の担い手として活躍してもらいたいところだ。(経営アドバイザー)

順延は1日のみ、警備員を確実に確保 土浦の花火 11月1日開催へ

今年開催する第94回土浦全国花火競技大会の実施計画を決める同実行委員会(会長・安藤真理子土浦市長)が26日、土浦市内のホテルで開かれた。昨年、荒天時の順延日に人手不足から警備員が確保できず中止としたことを踏まえ、今年は順延日を例年の2日間から1日のみとし、順延日に確実に警備員を確保できるようにする。 今年の開催日は3連休初日の11月1日とする。花火大会の始まりとされる、神龍寺の秋元梅峯住職が1925(大正14)年に花火を打ち上げてから100年を迎えることから、大会の名称に「土浦の花火100周年記念」を付ける。荒天の場合は1週間後の8日に延期し、両日とも開催できない場合は中止とする。 例年は開催日翌日と1週間後の2日間を順延日としていた。昨年は11月の開催予定日に台風が接近したなど異常気象の中、翌日を順延日とすると河川敷に設ける観覧席の足場が悪いままの恐れがあることなどから翌日は順延日に設定しない。警備費用が1日当たり1800万円程度かかることもあり、順延日を1日のみとして、確実に警備員を確保する。 今年の警備員確保については現在、大会事務局の市商工観光課が複数の警備会社に聞き取りを実施し、開催日と順延日両日の確実な警備員の確保のほか、警備費用などについても聞き取りを実施しており、現時点で両日とも警備員を確保できる見通しだという。夏頃までには警備会社を選定する予定だ。 一方、翌日を順延日としないことで、弁当業者や屋台業者などの食材費の負担が増える恐れもある。市商工観光課は「(翌日を順延日としないことは)今日の実行委員会で決まったばかりなので、関係者にはこれから理解を求めていきたい」とする。 意思決定は役員会で 大会開催の是非を決める意思決定については、中止を決定した昨年、実行委の副会長の一人である市議会議長が協議に加わらなかったことが議会などで問題になった。意思決定について今年の大会からは、会長と副会長3人で構成する役員会で協議した上で、会長が最終判断することを大会実施要綱に明文化する。 ほかに実行委員会の組織として、観客輸送、安全対策、煙火消費の三つの専門部会を設けたり、他部署に異動した事務局経験者の市職員をアドバイザーにするなど組織を強化する。 座席数増やし値上げへ 物価高や資材高騰の中で収入を確保する方策については、有料観覧席に新たにテーブル席を設けるなど座席数を3万9000席から4万4000席に約5000席増やすほか、有料観覧席すべてを1000~2000円値上げして、有料席販売収入を前年予算比約4100万円増の2億5100万円にする。 新たに設けるテーブル席は4人で8万円とする予定。桟敷席(定員5人)は2万6000円(前年までは2万4000円)、椅子席はA席が6000円(同5000円)、B席5000円(同4000円)、C席4000円(同3000円)といずれも値上げする予定で、ほかにツアー向けなど、さらなる高額な座席も検討している。 今年の大会の予算は計約3億5000万円で、前年比約4100万円増(13%増)を見込む。収入は、市が昨年と同額の8500万円を補助し、ほかに有料観覧席の販売収入2億5100万円、広告料収入1000万円、駐車料金や花火グッズ販売収入など350万円を見込む。 支出は、物価や資材が高騰する中、警備費や清掃費、有料席販売委託料など委託料が前年の2300万円増の9300万円(34%増)、桟敷席や椅子席、テント、花火打ち上げ筒、仮設トイレ借り上げなど使用料・賃借料が2000万円増の1億6000万円(15%増)を見込んでいる。 収入と支出の差額については例年100万円程度の黒字が出て、これまで土浦市に戻していたが、今年から基金を設立して積み立て、物価や資材の高騰などに備える。 市に4000万円戻し入れ 一方、中止とした昨年の大会については、市が当初8500万円を補助し、中止後、さらに2億3000万円を追加補助し市の負担は計3億1500万円になる見通しだったが、最終的に4000万円の残高が出たことから市に戻し入れた。中止となったことによる市の最終的な負担額は2億7500万円になった。