おいしい日本酒を飲みながら交流する「第35回つくば酒朋会(しゅほうかい)」(塚本一也会長)が18日、つくば市小野崎、ホテルグランド東雲で催された。県南地域の日本酒愛好者約80人が参加し、全国新酒鑑評会で金賞を受賞した県内の地酒5種類を、日本酒に合う料理に舌鼓を打ちながら堪能した。大井川和彦知事も初めて参加した。
大井川知事は「前任者(橋本昌元知事)がワイン(通)だったので私は日本酒でいく」と会場を笑わせ、7月2日から5日間、フランスのエソンヌ県とパリを訪問し茨城の日本酒など県産品をPRした成果を報告した。その上で「日本酒はフランス料理でもブームになっており、ソムリエがフランス料理に合った日本酒を勧めたりする。茨城の日本酒をプロモーションするのが私の役割」などとあいさつした。
この日は、地元つくば市の稲葉酒造と浦里酒造のほか、古河市の青木酒造、常陸大宮市の根本酒造、石岡市の府中誉から大吟醸など5種類が出された。
同会は筑波研究学園専門学校(土浦市上高津)元理事長で郷土史研究家の故・西谷隆義氏の呼び掛けで22年前に始まり、東雲を会場に年3回開かれてきた。スタート時から毎回参加し皆勤賞という学校法人専務理事の志賀宏さんは「この会は会社や役職などに関係なく、ただ日本酒が好きな人たちの緩やかなつながりの会。料理も一度として同じメニューが出たことがなく、雰囲気がすばらしい。日本酒を楽しみたいという、ただそれだけで出ている」と話す。
今回、日本酒を提供した稲葉酒造蔵元の稲葉伸子さんは「つくばの地酒、茨城の地酒を喜んでもらえるだけでうれしく、お酒を造ってよかったと思える」と話す。
塚本会長は「西谷さんの遺言として、この会を長く継続してほしいということと、この会の代表にふさわしい人間になれということを言われた。県南の紳士、淑女の社交の場、交流の場として長く継続できるようにしたい」と話している。