路上で乗り降りすることが多く安全確保が課題となっている、つくば市のデマンド型乗り合いタクシー「つくタク」の乗降が、コンビニ店、ファミリーマートの駐車場で出来るようになっている。2日、つくば市とファミリーマート(東京都豊島区)が公共交通事業協定を締結し取り組みを明らかにした。県内初という。
ファミマ駐車場が乗降場所となるほか、利用者はつくタクが到着するまで店内の飲食スペースで待つことができる。つくタクの利用券も店内で販売、つくタクの運転手も店内で休憩できるようにする。コンビニ店にとっても顧客開拓が期待できる。
市内27店のうち、駐車場がない店を除く22店で順次利用できるようにする。今年春からスタートし、すでに7店で実施しているという。乗降場所になった店の店頭には「つくタク」と書かれたステッカーが貼られる。
同社北関東ディストリクトの藤田聡統括部長は「市民の安心と便利につながるので一店舗でも多く利用できるようにしたい」と話し、五十嵐立青市長は「提供していただけて、ありがたい。市だけでやるのは不可能な時代になっているので、市と民間のいい関係ができるようにしたい」などと述べた。
春からつくタクの乗降場所となっている同市若栗、ファミリーマートつくば若栗店の平間聡店長は「店内でコーヒーを飲みながら待っているお客さんもおられる。以前はお店の前がバス停になっていて乗降客と車の接触事故があったとも聞いているので、そういうトラブルが無くなればいい」と話している。
つくタクは2016年度に約5万人の利用があった。8割が高齢者、1割が障害者という。乗降場所は現在市内に750カ所ある。今後、市では、商業施設やクリニックなどに乗降場所を増やしていきたいとしている。(鈴木宏子・ラヂオつくば特約記者)