隣接の県有地購入へ 児童数急増の葛城小 つくば市長がPTAに回答

市が購入する方針を決めた葛城小北側に隣接する県所有の学校用地

【鈴木宏子】児童数が急増しているつくばエクスプレス(TX)沿線のつくば市立葛城小学校(同市苅間、児童数384人)について、同小PTAが、グラウンドに校舎を増設するのではなく、適切な教育環境を整えるよう要望していた問題=4月5日付=で、五十嵐立青市長は24日までに、同小北側に隣接する県所有の学校用地(約6100平方メートル)を購入し校舎を増設するとPTAに回答した。

6月11日開会の市議会6月定例会に、県有地購入費と校舎を増設するための設計費用を提案し、次の9月議会に用地取得案件を提案する方針という。市教育局教育施設課によると、金額や増設規模については現時点で公表できないとしているが、将来の児童数増加に対応できる規模にするという。

市議会で可決されれば、今年度中に設計を実施し、来年度に教室の増設工事をする。2021年4月から子どもたちが新教室で勉強できるようにする。校舎の配置などは、現在の校舎がすでに老朽化していることから、将来の建て替えも視野に入れた配置とするという。併せて県有地に放課後児童クラブを建て替える。

4月5日、当時PTA会長の福田理さん(40)=現在は顧問=らが要望していた。児童数の急増に対し五十嵐市長は当時、グラウンドに校舎を増設する、隣接の学校用地を県から購入する、通学区を見直す―などの選択肢を検討していると回答していた。

県有地購入の方針を決めた理由について市教育施設課は、現在のグラウンドは狭いため、児童数が増える中で、グラウンドに校舎を増設すると子どもたちの運動などに支障が出て、事故なども心配されると判断したとしている。一方、通学区については現時点で見直しは実施しないという。

要望書を提出した福田さんは「市議会議員や区長の協力を得て、ものごとを動かすことができた。まずはちゃんと動いてくれた市に感謝したい」と話している。

TX沿線の研究学園葛城地区に立地する同小周辺は住宅開発が進み、2014年に72人だった児童数は今年4月に384人と5.3倍に急増している。今年度は空き教室2教室を普通教室にして対応した。来年度はさらに空き教室1教室と特別教室1教室の計2教室を普通教室にして対応する予定という。2021年度以降は転用できる教室がなくなってしまうことから、早急に教室を増設することが求められていた。

4校で60教室増設

TX沿線で人口が急増する同市では、沿線地区のほかの小中学校でも教室が足りなくなり、対応を迫られている。今年度は2018年4月に開校したばかりの学園の森義務教育学校の敷地内に26教室を増設、同じ年に開校したみどりの学園義務教育学校も15教室を増設する。ほかに竹園西小で8教室、竹園東中で11教室を増設し、市内4つの義務教育学校と小中学校で計60教室の増築が行われる。小学校新設の計画があるのは、万博記念公園駅近くの香取台地区の1校のみだ。

学校敷地を拡張して教室を増設するのは葛城小が初めて。学校敷地内での教室増設が進められていることに対し、市議会で教育環境を整えるよう訴えてきた山中真弓市議は「葛城小での学校用地購入が市内の学校の教育環境を整えるきっかけになれば」と話している。