【谷島英里子】交通手段が乏しく買い物が困難な高齢者を無料で送迎する「買い物支援サービス」=10月30日付け=の利用が21日、土浦市内で始まった。市内34の福祉施設で構成する土浦市民間社会福祉施設協議会の取り組みで、利用者からは「車で安全に行けるので助かる」と好評だ。
利用したのは、同市南部の土浦三中地区にそれぞれ1人で暮らす98歳と82歳の女性2人。98歳の女性は、野菜は宅配サービス、肉は近くの精肉店を利用するが、魚屋が近くになくて困っていた。自転車で近くの店まで行っていたが、体力が衰え、別居の子どもに心配されていたという。回覧板でサービスを知り、自ら申し込んだ。
午後1時30分すぎ、買い物を支援する特別養護老人ホーム「もりの家」のワゴン車が各家に到着すると、「ありがたいですね、待っていました」と一言。車には市社会福祉協議会ボランティアの櫻井忠男さん(77)が添乗し、スーパーで何を購入したいかを話すなど和やかな雰囲気となった。約1㌔離れたスーパーに到着すると、軽快な足取りで約30分間、買い物を楽しんだ。
利用した2人は「車が自宅に来るので安全で助かる。また利用したい」「初めて行ったスーパーだったのでどこに商品があるのか戸惑ったが、他の店と違うお薦め商品を見つける楽しさにつながる」と満足した様子だった。
市社協によると、11月に入り回覧板でチラシを配布したところ、数件の問い合わせがあった。今後は、各中学校区にある公民館の市社協職員(地域ケアコーディネーター)や地域の民生委の協力で高齢者に利用を呼びかけていく。