新規就農者 県南で増加が顕著 400人目標 県が就農支援態勢強化

ちぢみほうれん草を収獲する中村淳さん。葉に泥が付かないよう雑草を生やしているという=つくば市自由が丘

【山崎実】新たに農業で生計を立てる新規就農者数が県南地域で増加していることが県の調査で分かった。12月15日にはつくば市で「農場見学&就農相談会in県南」が開かれる予定で、「新規就農者の確保は茨城県農業の維持、発展に不可欠な施策」(農業経営課)と、県は就農支援態勢を強化していく考えだ。

調査結果によると、昨年度の県全体の新規就農者(16~44歳)は、前年度比18人増の346人。うち新規学卒・Uターンなど主に後継者は122人。県内に807組織がある農業法人の雇用就農は163人、新規参入(就農)は61人だった。特に新規参入では県南地域が30人と全体の半数を占め、しかもここ数年は右肩上がりの傾向にある。

なぜ県南地域なのか。同課によると、就農者は脱サラ、IT系企業からの離職者などが含まれ、地理的に消費地に近いことや、首都圏からの交通の利便性が高いことなどが要因になっているのではと、背景を分析する。

脱サラし、7年前からつくば市自由が丘の農園約3㌶で年間50品目の野菜をつくる中村淳さん(35)は「都内のレストランや直売所に卸しているので、東京に近いつくばはメリットがある」と話す。

さらに就農時の年齢が45歳未満で、独立・自営農業などの条件はあるが、国の就農支援制度で年間最大150万円が生活保障として最長5年間交付されることも後押ししている。

経営類型の新規就農者数では、野菜が圧倒的に多く、県全体で346人中、222人と6割以上を占めている。「水稲などの普通作と異なり、野菜は初期投資が少なくて済む分、入りやすいのではないか」(同課)という。

2020年度に県全体で新規就農者数400人を確保するのが目標だが、雇用情勢が好調なことから他業種への流出が考えられ、新規学卒の参入減少も懸念される。それだけに、担い手確保は喫緊の課題で、同課は「支援は惜しまない。県南の動きが全県的な波及効果につながれば」と期待している。

◆「農場見学&就農相談会in県南」は12月15日(土)午前9時、JAつくば市桜支店集合(古来1630)。2014年に新規就農しネギの周年栽培をしている吉沼宏幸さんの農場などを見学するほか、就農就職に関する個別相談も行われる。問い合わせは同課・農業参入等支援センター(電話029ー301ー3846)。