月曜日, 2月 2, 2026
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未来のアニメーター必見! つくばのウィットスタジオに未知なる可能性

【高校生ライター・加藤涼芳】「進撃の巨人」と言えば、広い世代に愛されている漫画の1つである。奇妙ともいえるストーリー設定でありながら不思議な魅力を放つこの漫画をアニメ化したウィットスタジオ(本社・東京都武蔵野市)に迫る。

アニメを作ってみたい人に朗報 

アニメ「魔法使いの嫁」のポスター前で撮影する山田さん(右)と加藤記者=同

つくば市にウィット茨城スタジオがある。同市産業振興センター(同市吾妻)内に設けられ、人材の育成をコンセプトとし企画制作活動をしている。来年4月からの新卒者を含む新規採用の募集もスタートしており、地域に根ざした新たな形のアニメ制作の可能性に挑む。

茨城スタジオでは、まず短編アニメやご当地オリジナルグッズの作成など短期間でできるものから手掛け、さらに、地元の商業施設や学生との連携なども視野に入れていきたいとのことだ。

茨城スタジオを担当するのは同社制作担当の山田健太さんだ。つくば市は人材育成に適していると話す山田さんから、将来アニメ制作の仕事につきたいと思っている人にアドバイスをもらった。①考えているものを、具現化することを楽しむ②自分の意見を持ちつつも、他人の意見に耳を傾けコミュニケーションを大切にする③アニメーションの画面の作り方を理解する―の3つだという。 

膨大な時間と尽力が必要 

ウィットスタジオでは、企画→脚本→絵コンテ→作画→加工、納品までを他社のスタッフとの関わりを持ちつつ仕上げている。

企画・脚本・絵コンテでは、いろいろな設定の材料が必要になる。脚本作成に週1回のペースでシナリオライターとの打ち合わせをし、大量の絵コンテ作成には、アニメ監督をはじめ社内スタッフから社外発注も含め対応する。中でも作画には、膨大な時間と労力を要する。1枚の絵を複数の人がチェックし加筆しながら作業を進めていく。

キャラクターの色や背景の色彩の個々の設定、また、同じ対象物の色でも明るいところと暗いところでは色味を変えて塗るなどの細かな指定をする。設定の詳細が書かれた指示書の作成・作画の変更等を重ね最終画面の決定に至る。素材の合体の後、最後に光の処理を加える。こうして出来た原画60枚で映像8秒程度にしかならない。

手掛けたスタッフ1人ひとりの妥協のない熱い思いが原画1枚1枚に注ぎ込まれ、戦闘シーンの速い動きをも滑らかに描き出し、見る者すべてを魅了する作品ができ上がる。たくさんの人と協力し合い、分業しつつ数年単位の年月を1つの作品に費やし作成する。

取材の際、見せていただいた原画からは神聖さを感じるほどの迫力があった。機密資料ということで写真を掲載できないのが残念だ。

同社制作担当スタッフの山田さんは「パソコンを使って1秒間に例えば8~12枚の絵を何層分も重ねて描くなど、1枚ずつ手作業で行うのでやりがいがあります」と話してくれた。山田さんいち押しの作品は新感覚・青春ロードムービーと話題になった「ローリングガールズ」だそうだ。

学校対抗アニメコンテストなど地域活性化に期待

ウィット(WIT)スタジオのWITとは、和田丈嗣社長を初めスタッフの名前の頭文字(W・I・T)を連ねて出来たものと、英語のWITからできており「機知(その場に応じてとっさに機転きかせる)に富んだ」という意味がある。物づくりに携わる人たちならではの頓知のきいたネーミングだ。ウィットスタジオには、そんなアイデアに満ちたスタッフがたくさん所属し、アニメの企画制作業務を行っている。

同スタジオは長編アニメーションだけでなく、プロモーションビデオやテレビの番組宣伝ほかゲームのオープニング等も担当している。

山田さんが特に印象に残っているのが、スカイツリー展望台で流した映像の作成だったという。通常、縦9:横16の画面比率に対し、縦9:横96という横長の大画面への挑戦は、苦労もあったが技術の飛躍的発展につながったと笑顔を見せてくれた。

今後アニメを見る際、アニメ企画制作の角度から鑑賞するのもまたひと味違う楽しみ方になるだろう。アニメ制作には数年単位の年月と膨大な尽力を要することは前に紹介済みだが、地方でそれをどうカバーするかが最大の課題であろう。また、地域活性化の一助として学校対抗アニメコンテストや動画甲子園などと銘打った企画の実現に期待したい。(土浦日本大学中等教育学校5年)

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新図書館を検討、陸上競技場着工 つくば市26年度当初予算案

過去2番目の規模 つくば市の五十嵐立青市長は30日、2026年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度当初比3.6%減の1227億1000万円、特別会計などを合わせた総額は同1.2%減の1910億3200円で、25年度当初に次いで過去2番目の規模となる。解散総選挙で国の予算は年度内成立が難しい情勢だが、成立を見込んで予算編成した。 主な新規事業として、現行の中央図書館の面積や所蔵資料が自治体規模に見合ってないことから、複合機能をもつ新図書館の整備検討を開始する。26年度は市民ワークショップ開催と新図書館建設基本構想策定委員会設置などに570万円を計上する▽ほかに、ボルダリング、スケートボード、ダンスなどができるアーバンスポーツ施設を整備するための設計費を250万円計上する。 継続事業としては▽上郷高校跡地に計画されている陸上競技場は26年度分として工事費など16億8500万円を計上し、建設工事に着工する。完成は28年度末の予定だ▽廃校となった旧田水山小学校に整備中の芸術文化創造拠点は、工事2年目の26年度分として6億8400万円を計上する。本オープンは27年4月の予定▽つくば駅前の中央公園はリニューアルに向け2300万円を計上し、基本・実施設計を実施する。27年度以降、工事着工する予定だ▽筑波山麓の池田地区に計画している道の駅は290万円を計上し、整備検討委員会の開催などをする。 学校施設では▽児童数増加に伴って香取台小に3階建ての校舎を増築する。増築工事費として26年度に7億2400万円を計上、2カ年で工事を行い、完成は28年4月の予定だ▽吾妻小は老朽化と児童数増に対応するため、現在のグラウンドに4階建ての校舎と体育館を新築し、整備後、既存の校舎と体育館をすべて解体し、グラウンドを整備する。26年度は設計費など1億3400万円を計上。27~29年度の3カ年で建設工事を実施し、30年4月の完成を目指す。30~31年度にさらに解体とグラウンド整備を実施する予定だ▽谷田部小も老朽化と児童数増に対応するため、校舎建て替えのほか、学校体育館と周辺公共施設との複合化を検討する。26年度は基本構想策定などに2200万円を計上する。校舎などの建て替え工事は29~31年度の予定で、32年4月の完成を目指す。 ほかに県内初の新規事業として▽市役所の窓口業務にデジタル庁が推進する「自治体窓口DX SaaS」を構築する(2600万円)。「書かないワンストップ窓口」といわれるシステムで、職員による聞き取りやマイナンバーカードの読み取りにより、申請書の手書きが不要になるという▽来日間もない小中学生を対象に、2カ月間程度、日本語の基礎の学習支援を行う「プレスクール・プレクラス」(2300万円)も県内で初めて開設する。日本語の指導が必要な児童生徒は市内に330人程度おり、そのうち10人程度の利用を想定している▽中高生を対象に、さまざまな活動を支援したり居場所として利用できる「ユースセンター」も県内で初めて開設する(130万円)。 そのほか▽児童発達支援センター整備事業(6億3400万円)では、市役所春日庁舎を改築し、発達に課題のある子どもと保護者への包括的な支援活動の中核施設にする。今年度内に整備工事を終えて、来年4月に開設する▽部活動改革・地域展開推進事業(1億円)は教員の負担軽減を目的に、来年9月までに民間企業や地域団体と連携し部活指導員を確保する。 助成制度としては、新規事業として▽大学受験料・模擬試験料補助金を創設し、ひとり親家庭や低所得子育て世帯の高3の大学受験に対し1人当たり上限5万3000円、模試受験に対し上限8000円、中3の模試受験に対して上限6000円を支援する(128万円)。▽がん治療で外見の悩みを抱えている人の負担を軽減するため、がん患者アピアランスケア支援助成金を創設し、ウィッグや乳房補正具などの購入・レンタル費用の一部を助成する(200万円)。▽不妊治療費助成では、1件当たり4万円を上限に、保険適用外となる不妊治療費用の一部を助成する(1440万円)など。 市税収入は過去最大 一方歳入は、個人・法人市民税などの市税収入は前年度当初比4.5%増の593億3100万円で、過去最大を見込む。市は人口増や賃金上昇によるものと説明する。昨年12月末に廃止されたガソリン税暫定税率については、減収分と同額の3600万円が国から地方特例交付金として補てんされるため「影響はない」とした。