【コラム・海老原信一】見た目はそうでないけれど、れっきとしたキツツキの仲間。その名はアリスイ。爬虫(はちゅう)類に似た雰囲気があり、図鑑でキツツキの仲間だと知ったときは驚いた。林などをすみかにする他のキツツキ類と違い、ヨシ原のような湿地が好みらしい。初めて観察できたときは、「なにこれ?」と驚いた。
その後、何度か観察する機会があり、湿地の灌(かん)木などにいるアリの巣に、長く伸びる舌を差し込み、舌の粘膜にアリをからめとって食べる様子を観察できた。動物のアリクイのように、この仕草からアリスイの名がついたのだろう。ここに鳥見の楽しさがある。隠れているなら見つけてやるぞ…と。
もちろん、ガサゴソと彼らの近くへ踏み込むことはしない。望遠鏡を使い、丹念に居そうな場所を探す。他の隠れるのがうまい鳥を探すとき同様、静かに、丹念に。冬鳥たちの観察が楽しくなるシーズンに、これから入る。
隠れ上手なタシギ

保護色となると、冬枯れの緑の消えたハス田でタシギを見かける。危険を避ける場所を探し、レンコンの葉や茎が重なり合ったところに隠れている。うまくカモフラージュされているのだ。「うまく隠れるものだなあ」と思ったりするが、「頭隠して尻隠さず」の言葉があるように、隠れ上手のタシギも「尻隠さず」のことがある。
タシギにしたら隠れた気分なのだろう、こちらから体は丸見えなのに、目だけが隠れている。それを見て、うれしくなっている自分がいる。鳥見は楽しいと思える日々が、気力と体力と相談しながら、もう少し続くようにと願うこのごろ。(写真家)





