金曜日, 10月 9, 2026
ホームつくば住民請願は趣旨採択 代わって事業者に説明会求め決議 データセンター問題でつくば市議会

住民請願は趣旨採択 代わって事業者に説明会求め決議 データセンター問題でつくば市議会

つくば市議会9月定例会議最終日の6日、本会議が開かれた。つくば市大穂に国内最大級となる1000メガワット(100万キロワット)のデータセンターが計画されている問題に対し、住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)が市議会に提出していた、市による市民向け公開説明会の開催を求める請願(9月29日付)について採決が行われ、13対14で、理解できるが採択できないという意味の趣旨採択となった。

代わって趣旨採択に賛成した神谷大蔵市議(つくばクラブ)から、事業者のグッドマンジャパンに説明会開催などを要請する決議が出され、全会一致で採択された。

決議は「データセンターの立地は、税収の増加による地域への貢献も期待される一方、周辺住民のみならず広く市民から、環境への影響を懸念する声が寄せられている」などとして、「8月に周辺住民を対象とした説明会が開催されたがいまだ説明が十分に尽くされたとは言い難い」とし、「市民の不安払しょくを図るため、周辺住民に限定することなく、参加を希望する幅広い範囲の人が参加できる説明会を改めて開催するよう、つくば市に対し、グッドマンジャパンに強く要請することを求める」などとしている。

決議について五十嵐立青市長は「グッドマンジャパンに対しこれまでも説明会の開催を求め、8月に説明会が開催されたが(8月21日付)、決議があったので改めて説明会の開催を申し入れたい」としている。

住民「納得いかない」

一方、請願を出した「守る会」の柳町会長は「結局は『説明会をやることはいいでしょうけど、市が主導することはできない、市は業者に投げる』ということで決まってしまい、納得いかない。『市には関係ありませんから、グッドマンに要望します』で、終わってほしくない」と話し、「市には、住民がどれほど心配しているか、不安を抱いているかということを理解された上で、市が主導して公開説明会を開催してほしい。市が言ってグッドマンが動けばいいが、私たちが何度もグッドマンに(説明会開催を求める)要望書を出しても(回答すらないなど)同じことの繰り返しだった。市は公有地を売って、開発許可を出した以上、監督責任がある」と話している。

守る会が出した請願を採択すべきだとした市議13人は▽田代優、市原琢己、樋口裕大、中村重雄、木村修寿、塚本洋二、飯岡宏之(Nextつくば)▽川田青星、川村直子(市民ネット)▽山中真弓(共産)▽川久保皆実(つくばチェンジチャレンジ)▽酒井泉(新・つくば民主主義の会)▽榊原アリーゼ(緑粋会)。

趣旨採択すべきだとした14人は▽伊藤文弥、小村政文、神谷大蔵、小久保貴史、五頭泰誠、木村清隆、塩田尚(つくばクラブ)▽梅沢尊信、篠内幸代、渡辺峰子(公明)▽あさのえくこ、小森谷さやか(市民ネット)▽高野文男(創生クラブ)▽青木真矢(ワニナルつくば)。いずれも敬称略。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

17 コメント

guest

コメント投稿の前に

最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

17 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最近のコメント

最新記事

5カ国の19人を歓迎 日本つくば国際語学院で秋の入学式

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東東郷治久理事長兼校長)の2026年度10月生歓迎会(秋の入学式)が8日、同市小野崎の同校に隣接する料亭、つくば山水亭で開かれた。5カ国から来日した19人が、鮮やかな民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。 新入生はミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、中国出身で、ミャンマー出身者が9人と最多。これから1年半、日本語を学ぶ。 歓迎会では、19人のうち、出席した18人全員がそれぞれ、習いたての日本語で、出身国、年齢、日本でやりたいこと、趣味などを自己紹介し「日本語学校で学びながら専門学校に進みたい」「卒業後は日本で仕事先を見つけたい」「音楽とサッカーが趣味」「読書や旅行が好き」「好きな日本の食べ物はすしとラーメン」などと話した。 在校生を代表してバングラデシュ出身のイスラム・サイフルさんが歓迎のあいさつをし、「最初、日本語があまりわからず、電車に乗った時はどこに行くのかもわからなかった。先生たちは優しく教えてくれたので安心して勉強することができた。皆さんも故郷を思い寂しくなることもあると思うが、学びながら日本の生活を楽しんでください」と新入生にエールを送った。 東郷理事長は「遠い国から、このつくばの地に来てくれてありがとう。日本語を学びながら、日本の文化や社会も学んでほしい。つまずくことがあるかもしれないが、つまずきは大きな経験。明るく前向きにチャレンジして成長してほしい」と語った。 歓迎会には在校生も参加し、この日は新入生を含め200人を超える生徒が会場にあふれた。在校生を対象に日本語能力試験の表彰も行われ、5段階評価のうち最も難しいN1に合格した1人、日常的な日本語を理解できるN2合格の2人、N3合格の21人、N4合格の26人が表彰された。N1は日本人でも合格するのが難しいという。 その後、新入生、在校生、教職員全員で記念撮影が行われた。最後は歓迎パーティーとなり、在校生がキーボードやギターを弾きながら歌ったり、ミャンマー出身の生徒が伝統舞踊を披露するなどした。 東郷理事長は「入学した学生を見ていると、向上心があり明るい、日本人の失ったものをもっているような気がする」などと話した。(榎田智司)

国スポ出場の5選手が決意 関彰商事で壮行会

10日から青森県で開催される第80回国民スポーツ大会(国スポ、旧国体)に出場する関彰商事所属の5選手の壮行会が8日、つくば市二の宮の関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)つくばオフィスで開かれた。 5選手は、男子砲丸投げに兵庫県代表として出場する森下大地選手(32)、女子やり投げに宮城県代表として出場する兵藤秋穂選手(27)、男子柔道に茨城県代表として出場する戸高淳之介選手(24)のいずれも筑波大出身の3人と、6月に行われた第80回国民スポーツ大会軟式野球競技茨城県大会で優勝した常陽銀行の補強選手として、関彰商事から選出された松本航輝選手(27)、矢萩陽一郎選手(26)の2人。 壮行会には関社長のほか、役員や社員など約100人が参加した。関社長は「それぞれのふるさとを代表して、思う存分、力を出し切って活躍していただきたい」とエールを送った。 男子砲丸投げの森下選手は「中学生の時に友達に誘われて始めた。今シーズン最後の試合なので最後は優勝で締めくくれるように頑張りたい」と決意を述べた。 女子やり投げの兵藤選手は「高校1年の時に、やり投げを専門にしていた顧問の先生から誘っていただいたのがきっかけで始めた。自己ベスト(57メートル56センチ)を更新することを最低目標とし、強い気持ちを持って、勝負よりも記録を重視してやっていき、攻めの姿勢で投げ抜き、今シーズン最後を納得のいく形で締めくくりたい」と話した。 男子柔道の戸高選手は「両親と兄が柔道をやっていて、それに自分も付いていった形で5歳の時から始めた。4年に1回の全都道府県が出られる年なので、1日目に二つ勝って、前年度優勝の東京と対等に戦い、それを乗り越え、関彰商事、茨城の名に恥じないような結果を出したい」とそれぞれ意気込みを語った。 軟式野球の松本選出は「関彰商事として3年連続の出場がかなわなかったのを大変悔しく思っているが、今回常陽銀行からリベンジの機会を与えられたので精一杯頑張る」と雪辱を誓った。矢萩選出も「茨城県代表として精一杯頑張る」と抱負を語った。 国スポ「青の煌(きら)めきあおもり」は、10日から20日まで開催され、砲丸投げ、やり投げなどの陸上競技は青森市のカクヒログループアスレチックスタジアム、軟式野球は青森市の青森県営野球場、柔道はつがる市の伊藤鉱業アリーナつがるで開催される。(高橋浩一)

「説明会を即時開催せよ」住民ら、初の抗議行動 つくば データセンター建設現場前

つくば市大穂に国内最大級のデータセンターが計画されている問題で、有志の近隣住民らが8日、1棟目が建設されている工事現場前で、「住民への説明会を即時開催せよ」と書かれた手作りの横断幕を掲げて、抗議行動を実施した。街頭での抗議行動は初めて。 6日の市議会で、住民団体「データセンターから市民を守る会」が提出していた、市による市民向け公開説明会の開催を求める請願が趣旨採択となり、事業者のグッドマンジャパンに説明会開催を要請する決議が採択されたことを受けて(10月6日付)、守る会の70代女性が、予定地に近接する篠崎地区住民に呼び掛けて実施した。 約20人が正午に工事現場前に集まり、横断幕のほか、「データセンターはビジネス、私達のインフラではない」「データセンターを許可して市民に温暖化対策をって何?」などと書かれたボードをそれぞれ掲げてアピールした。 抗議行動を呼び掛けた女性は「1棟目が2月に着工してもう10月になったのに、納得できる説明会が開かれていない。地域住民は皆、井戸水で生活しているので、特に水の問題は心配している。6日の市議会の趣旨採択と決議は『市は住民と事業者との間には入らない、住民だけで事業者と交渉をやれ、市は無関係だ』という意味だと思う」と語り「事業者は『共生』と言っているけれど住民は無視されている。市は住民に寄り添ってくれず、税収が増えることばかり言う。それでは住民が犠牲になって負担を強いられてしまう。地元の気持ちを表そうと抗議を呼び掛けた」とし、「今後も皆と力を合わせて考えつくことはやりたい。黙っていてもだめなので行動に移したい」と話している。(鈴木宏子)

AIはどこへ向かうのか《安全の窓》5

【コラム・佐々木哲美】近年、文章作成や翻訳、情報検索などを自動化する「対話型AI」が広まり、私たちの生活や仕事に深く入り込むようになりました。スマートフォンで質問すれば答えが返ってきたり、文章の下書きを作成してくれたりする、いわば「便利な相談相手」です。 ただし、こうしたAIは大量の情報をもとに文章を生成することはできても、自ら目的を設定したり、判断の結果に責任を負うことはできません。一方で、人間のように学習し推論できる高度なAI(AGI)、さらには人間を超える知能(ASI)の可能性も語られ、AIの進化は次の段階へ向かっています。 AIが越えられない壁 AIの歴史は、期待と停滞の繰り返しでした。「人間並みの知能が間もなく実現する」と語られてきましたが、実際には多くの課題が残されています。人間の判断は、知識や計算能力だけで成り立つものではありません。経験、価値観、倫理観、責任感、さらには言葉にならない違和感まで含めて意思決定しています。 その上で重要なのは、人類が蓄積してきた経験と知恵をどう未来へ残すかという点です。災害の教訓や失敗から得た学びは、放っておけば風化します。安全のルールも、原点が忘れられ形だけが残ることがあります。知恵とは、なぜそう判断したのか、何に迷い、何を恐れ、何を守ろうとしたのかという思考の軌跡です。AIは記録を整理することは得意ですが、学べるのは人間が残したものだけであり、語られなかった経験や共有されなかった教訓は継承できません。 だからこそ、 経験する → 記録する → 振り返る → 共有する → 行動に生かす という知恵の循環をつくることが、AI時代の人間に求められています。 人間側の無策というリスク 現在、AIをめぐる状況は新たな局面を迎えています。ロイター通信は、自律型AIエージェントが技術者向けサイトを乗っ取り、AI同士が利用制限の回避策を共有する掲示板へと変質させたと報じました。 本来であれば、社会はこうしたリスクに備える体制を整えるべきでした。しかし、AI企業が巨額の利益を上げ始めると、政治や広告に資金が流れ、世論は規制に後ろ向きになりました。その結果、危険なAIへの対処についての議論は約2年間ほぼ停滞してしまいました。 各国はAI規制に動き始めています。日本は原則提示にとどまり、EUは罰則付きの公表義務を導入し、豪州はニュース対価の支払いを法律で強制し、米国ではAIの強制停止権限をめぐる議論が続いています。しかし、いずれも課題を抱え、賛否が割れています。そして最大の問題は、世界がいまだ共通のルールを持たないことです。 未来へ残すべき主役はAIではなく、先人たちが積み重ねてきた経験と教訓、そしてそれらを守り続ける人間の知恵です。AIの未来を語る前に、まず人間の知恵を失わない仕組みを整えること。それこそが、AI時代を生きる私たちに課された責任だと考えます。(労働安全コンサルタント)