市議会委員会
つくば市大穂に国内最大級となる1000メガワット(100万キロワット)のデータセンターが計画されている問題で、住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)が市議会に提出していた請願(8月31日付)を審議する市議会総務文教委員会(木村清隆委員長、7人で構成)が28日開かれた。市による市民向け公開説明会の開催などの請願内容について、採決の結果、3対3の可否同数となり、委員長裁決で趣旨採択となった。趣旨採択は、請願の趣旨は理解できるが採択できないという意味。請願は10月6日の9月議会最終日の本会議で改めて審議される。
委員会では、飯岡宏之市議(Nextつくば)、山中真弓市議(共産)、樋口裕大市議(Nextつくば)の3人が請願を採択すべきだとした。
飯岡市議は「(2021年の)特別委員会で市議会は自ら『周辺環境へ影響を及ぼさない』『市民に十分に説明し理解を図りながら進める』と提言している。今回の請願は、市議会が提言したことを市民の立場から求めている。市による説明会開催は、説明責任を果たすものとなる」、山中市議は「議員は市民の代表なので、市に忖度する必要はなく、市民の立場に立って判断することが求められる。(2021年以降)市としての説明会が無いのであれば、市は市民の不安に寄り添って説明会を開催すべき」、樋口市議は「市長は議会で『不確かな情報や憶測が広がっている』と答弁しているのだから、市が主体となって正確な情報を市民に説明すべき。市が説明会を開いて情報を積極的に示すことが(日本データセンター協会が地域共生ガイドラインで示す)共生につながる」などの意見を述べた。
これに対し、塩田尚市議(つくばクラブ)、小森谷さやか市議(市民ネット)、渡辺峰子市議(公明)の3人が趣旨採択とすべきだとした。
塩田市議は「(市が説明会を開催すれば、用地の)売却や開発許可そのものが間違っていたのではないかという意見が出るかもしれず、開発許可そのものが法律や条例に違反しているのではないかという誤解を与える可能性がある。一方、地元の人が不安をもつのは当然なので、事業者側が真摯(しんし)に説明していくべき」、小森谷市議は「つくば市による公開説明会だとかなりハードルが上がる。市が利益誘導しているのではないかと、とらえられかねない。つくば市はガイドラインをつくるということなのでぜひやってほしい」、渡辺市議は「民有地で事業主体は事業者なので(請願に)賛成致しかねる。排熱や水利用、騒音などの懸念には、事業者主催で市民に説明し、市は公害防止協定などの協定を進めてほしい」とした。
一方、委員会の質疑の中で市公共資産利活用推進課は「事業者の説明が尽くされたとは思っていない。市民が一番求めているのは環境への懸念に対する十分な説明だと思う。さらなる説明の機会をつくるよう(事業者に)働き掛けていきたい。事業者の出席がかなわない場合は、確認できたもの、把握できたものは公表したい」と答えた。
趣旨採択に対し、請願を出した「守る会」の柳町代表は「思った以上に残念。何百人という市民が不安をもって署名している以上、行政が事業者に出席を求めて説明会を開くのは当然ではないか。行政には少しでも市民に寄り添っていただきたい」と話している。
データセンターは、同市土地開発公社が売却した46ヘクタールに、外資系物流不動産会社グッドマンジャパンが計画し、今年2月、1棟目の50メガワット(5万キロワット)の建設に着工した。「守る会」はこれまで6月と8月にグッドマンジャパンなどに対し、署名を添えて住民説明会開催などを要望してきた。事業者から回答がないことから、市議会に対し請願を出していた。(鈴木宏子)





