筑波大学ラグビー部が、県南を中心に不動産業を展開する一誠商事(五十嵐徹社長、本社つくば市竹園)とスポンサー契約を締結した。今季から公式戦の試合用ジャージ胸部に同社ロゴが掲出される。5日、一誠商事本社で開かれた記者会見で発表した。今年から、大学ラグビーの公式戦で企業の広告を掲出することが解禁された。
会見には筑波大学ラグビー部から古川拓生部長、嶋﨑達也監督、高橋佑太朗主将と、一誠商事から五十嵐社長が出席。席上で高橋主将は「一誠商事さんには以前からサポートいただいていたが、今回ユニフォームスポンサーになっていただき、試合の場で共に戦えることに部員一同心強く感じている。このサポートに対し自分たちができるのは結果で示すことだけ。素晴らしいラグビーを展開し、勝利という形で恩返ししたい」と感謝の念を語った。
五十嵐社長は「今季から大学ラグビー界でも広告が解禁されたことで、学生の段階からしっかりと資金を集め、企業の力も活用して強化を進め、日本のラグビー全体がさらにレベルアップしていくためのスタートが切れたのではないか。筑波大がさらに発展していく一助となればうれしい」と応じた。

長年つくばを拠点に営業している同社では、サッカーやバスケットボールなど学生スポーツの支援も長年続け、ラグビー部に対しては2019年から練習着などを提供してきた。その関係で毎年、シーズン開始前と終了後には学生たちから活動報告を受けるが、そこで大きな変化も感じているという。
「学生の皆さんが自分たちでスポンサーを集め始めてまだ数年だが、競技面だけでなく地域貢献でもしっかりしたプレゼン資料を作り、一生懸命お願いしてくるようになった。学生なのにここまで作り込んでいるのはすごいな、社会に出た時にさぞかし良い経験になるだろうなという感動を覚えながらお会いしている」と五十嵐社長は目を輝かす。
ラグビー部の広告付きユニフォームは今季公式戦からお目見えする。関東大学対抗戦Aグループに所属する筑波大は、初戦を9月14日、水戸市小吹町のケーズデンキスタジアム水戸で迎える。相手は強豪の明治大学だ。
「明大とは夏にも対戦しているが、セットプレーで勢いに乗るところがあり、今度もプレッシャーが強い試合になると思う。チャンスがあれば一瞬でトライを決めてくるので、しっかりと80分間全員が集中することが大事。自分たちの課題として詰めの甘さがあり、点差が開いて少し気を緩めてしまい逆転を許す場面があった。1点を争う試合になると思うので、全員がしっかり集中し、全力でやり切ることを目標として初戦に臨みたい」と高橋主将は意気込む。
最終目標は大学日本一を決める全国大学選手権。来年1月2日に東京・国立競技場で開催される準決勝まで勝ち進めば、NHK地上波で試合が全国放送される。(池田充雄)