新規出店や新規事業の立ち上げを目指す個人や団体を対象につくば市は、周辺地区商店街の空き店舗などで一定期間、チャレンジショップを出店するためのビジネスプランコンテストを開催する。
選ばれた人は同市吉沼と北条地区で、準備から運営まで行政や伴走者のサポートを受けながら、実際に実店舗の開業と運営を体験できる。独自性や話題性のある出店者を選出するという。ビジネスプランの募集は8月29日まで。
チャレンジショップ事業は、急速に発展する同市の中心市街地などから離れた周辺地区の振興と、新規事業の立ち上げ支援などを目的に2022年から実施している。
出店場所は、同市吉沼の商店街にある「吉沼まちかどテラス」と、北条にあるレンタルスペースの一角を利用した「北条イリアイテラス」の2カ所。業種としては小売業とサービス業を募集し、吉沼は飲食業も可能。利用料は月額1万円。
運営費として15万円の補助を受けることができるほか、行政や伴走者がSNSや市の広報などでPRしてくれ知名度アップを図ることができる。昨年度は、店舗レイアウトのアドバイスや、市役所内での出張販売によるPR支援を受けたほか、チャレンジショップ終了後は5月開催のつくばフェスティバルに出店などした。
審査スケジュールは、書類審査とプレゼンテーションによる最終審査があり、実際に出店が始まるのは10月からとなる。審査に当たるのはアオニサイファーム代表で市議の青木しんやさん、いなりとお赤飯ろはん店主の川渕明日香さん、中小企業診断士でビズシアの高橋寛さん、中小企業診断士でいろどり経営デザイン代表の赤田彩乃さんの4人。
体験後は実店舗やキッチンカーで

昨年度は10人の応募があり4人が選ばれた。吉沼に出店したのは▽カフェ「WASHI no COFFEE」の鷲尾祥規さん▽ベーグル専門店「Dot.Begel」藤田真一さん▽絵本専門店「3Po Books」の原田まゆみさんの3人。北条に出店したのは▽ドライフラワーなどの雑貨店「curly flower shop」の和田紗智さんだ。鷲尾さんは現在同市みどりの東、藤田さんは牛久市で実店舗を経営している。原田さんは車で移動式図書館を運営している。和田さんはつくば市酒丸で実店舗を経営している。
鷲尾さんは「元々実店舗を持つのが夢で、実際に店舗を持つ前にチャレンジしたかった」と述べる。
市周辺市街地振興課の吉田未来さんは「ビジネスコンテストに参加された方には好評で、実店舗での営業体験が大変良かったという声も聞いている。これからは地域の協議会などともうまく橋渡しが出来たら良い」と話す。(榎田智司)
◆ビジネスプランコンテストの問い合わせは、運営事務局のセキショウキャリアプラス(電話029-860-5080、メールcs_tsukuba@sekisho-career.co.jp)へ。