木曜日, 7月 31, 2025
ホームつくばテラス空間や屋根付スペースなど検討 中央公園改修へ つくば市が基本計画案

テラス空間や屋根付スペースなど検討 中央公園改修へ つくば市が基本計画案

22日まで意見募集

つくば市が、つくば駅前の中央公園(つくば市吾妻、3.8ヘクタール)にテラス空間や屋根付きスペースを新設するなど同公園をリニューアルする基本計画案を策定し、市民から意見を募集している。リニューアル案は、池に面し噴水やつくばエキスポセンターのロケットを眺めることができる場所にテラス空間を整備する、芝生広場の一部に屋根付きスペースを整備する、つくば駅に隣接する南入口にロゴモニュメントを設置するーなど。

南入口に近い芝生広場の一部に設置が検討されている屋根付きスペースのイメージ図(同)

中央公園はTX開業後の2010年に、つくば駅に近接する南入口エリアが改修され、ノーベル賞受賞者の業績とメッセージに触れることができる科学モニュメント「未来への道」が整備された。今回のリニューアル案は2010年に次ぐ大規模改修になる。

ノーベル賞受賞者のモニュメントが配置されているつくば駅に隣接する南入口の現在の様子(左)と、ロゴモニュメントや園路が再整備されたイメージ図(同)

整備計画案は①つくば駅に近接する南入口エリアについて、フォトスポットともなるロゴモニュメントを設置する、つくば駅からの最短ルートとして本来の園路ではない場所に通り道ができ滑りやすくなっていることから園路を再整備する、ノーベル賞受賞者のモニュメントを再配置し、休憩や待ち合わせのための座れる場をつくる。

芝生部分と樹木部分の間に座れる場を設置するなど緩やかに区切られたイメージ図(同)

②芝生広場については、整備を検討している屋根付スペースは小規模な催しができるよう電源設備を検討する、芝生部分と樹木部分の間に座れる場を設置し緩やかに区切る③図書館や美術館向かいの遊歩道に面した木陰の空間については座れる場を整備する。

座る場所の設置などが検討されている、図書館や美術館向かいの遊歩道に面した現在の木陰空間

④池に面した南側のエリアについては、噴水とロケットを同時に眺めることができる公園で一番のビュースポットであることからテラス空間を整備する⑤市民ギャラリーがあるレストハウスは、本館は展覧会等が開催されない日は休憩場所として開放する、本館室内から池の景色を眺められるよう窓際のパネルを可動式に変更する、隣接の別館はチャレンジショップや懇談会開催などさまざまな市民グループが使用できるレンタルスペースとし、使用されない日は休憩スペースとして開放する。

現在のレストハウス本館(左)と別館

⑥つくばエキスポセンター向かいの池東側は、低木を伐採したり最小限にして座れる空間を広くする⑦江戸時代後期の古民家を移築したさくら民家園はさらなる利活用を促進する仕組みを検討するーなど。

ほかに、サインや標識、照明はこれまで随時、修繕したり追加設置してきたためデザインがばらばらであることから、統一したデザインにする、植栽は視認性や安全性向上のため中低木は伐採し高木は保全する、トイレはだれもが使いやすいよう改修する、などが計画されている。

市民の意見を聞きながら進める

リニューアルについて同市学園地区市街地振興課は、22日まで市民の意見を募集し、市民の意見を聞きながら進めていきたいとしている。

今後のスケジュールは、今年度中に基本計画を策定、2026年度に基本設計や実施設計をし、27年以降順次、工事を実施する予定だ。工事期間や事業費がいくらになるかについては、まだ計画内容が定まっていないため現時点で未定という。

科学万博の40年前に開園

中央公園は、広い水面や森をイメージする緑、明るい芝生など周辺の文化施設と調和した広がりを感じさせる空間として計画され、つくば科学万博が開催された1985年に開園した。開園から40年経ち、老朽化部分への対応のほか、時代と共に変化する市民ニーズに対応するため、24年度にリニューアルに向けた調査を実施。今年1月、リニューアルに向けた基本的な考え方を公表した上で、基本計画案をまとめたとしている。

同公園では現在3期目の五十嵐立青市長が就任してからこれまで、2018年と19年に社会実験としてバーベキュー(BBQ)とカヌー体験を実施(18年8月3日付)。18年度は事業費約900万円で8月に14日間開催し、BBQは175組925人(1日平均12.5組66人)、カヌーは355人(同平均25.3人)の利用があった。19年は事業費約660万円で8月に17日間開催し、BBQは120組635人(同平均7組37.3人)、カヌーは190 人(同平均11.1人)の利用があった。20年8月には活性化と水質浄化を目的に約3760万円で池に噴水を設置した(20年8月25日付)。(鈴木宏子)

◆中央公園リニューアル基本計画案は市ホームページで公表し、22日(日)まで市ホームページで意見を募集している。13日(金)から19日(木)午前10時から午後4時まで中央公園内レストハウス本館でオープンハウスを開催、市職員に質問したりアンケートを出すことができる。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

18 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

18 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

子連れ筑波山《ことばのおはなし》84

【コラム・山口絹記】金曜夜の仕事の帰り道。娘からメールが届いた。今週は忙しかったし、「お疲れ様」的な内容を予想しながら開いてみると、目に入ったのは「明日山登りに行ける?」という文面。ここしばらくの週末は、とんでもなく暑いか天気が悪いかのどちらかだったので、比較的涼しく天気もよさそうな明日はチャンスかもしれない。う~ん、重い体にムチを打ちつつ、「いいよー」と返信する。 翌朝、当然のようにたたき起こされ、寝ぼけまなこで登山用の服に着替えてパッキングを済ませる。今回は上の娘と下の息子を連れて、3人での初登山となった。息子は登山自体が初めてだったが、絶対行くと言って譲らなかった。最悪、途中から背負うことも考えなければならないが、できれば避けたい。ということで、登りはケーブルカー、下山のみのコースにした。 下山が目的であれば、途中で何かあったとき、こどもたちに登頂を諦めさせる必要がなくなるからだ。ある程度経験を積んでも、途中下山の判断をするのは難しいものだ。 先頭をずんずん進んでいく娘と、それに負けじと追いすがる息子。私は最後尾でふたりの様子を見る。すぐに音を上げると思っていた息子は姉への対抗心か、転んでも泣かずに立ち上がっては黙々と歩を進める。 明日は寝坊させてもらう 30分にも満たない外出でも疲れるとすぐに抱っこをせがむ息子が、自分で足場を探りながら山道を歩いている姿は親としてはなかなか感慨深いものがある。上の娘が初めて山登りをしたときは、自分の体に合ったルート取りをするということをしっかり教えなければならなかったのだが、息子は自然とそれができるようだ。 やはりきょうだいと言えど、違う人間なのだと実感する。普段と違う環境で子どもと過ごす価値というのは、こういうところにあるのだろうと思う。 3時間以上かかったが、無事に下山することができた。車のエンジンをかけてバックミラーで後部座席を見やると、お土産を胸に抱いて子どもたちはすでに爆睡している。いつでもどこでも体力がゼロになるまで動き続けられるのはこどもの特権だ。父の体力も限りなくゼロに近いのだが。明日こそ寝坊させてもらおう。それくらいの権利を主張したって許されるとうれしいんだけどな…と父は思うのだ(言語研究者)

TX茨城空港延伸へ活動を継続 7市議会期成同盟

TX(つくばエクスプレス)の茨城空港延伸を目指す「TX茨城空港延伸議会期成同盟会」の2025年度総会が29日、土浦市内のホテルで開かれ、メンバー7市の議会議長が活動の継続を確認した。現在つくば市止まりのTXをJR土浦駅まで延伸することについては茨城県の方針が決定しているが、さらに茨城空港(小美玉市)まで延伸するかどうかについては将来の検討課題になっている。 期成同盟会は2018年5月に土浦市で発足、それから7年間活動を続けてきた。メンバーに名前を連ねている議会議長は、土浦、石岡、つくば、かすみがうら、行方、鉾田、小美玉(会長市)の7市。この日の総会には、つくば市を除く6市の市長あるいは副市長・市長公室長も参加した。 小美玉市の長島幸男市議会議長はあいさつの中で「土浦方面延伸は県からその構想が発表されているが、空港を取り巻く環境が変化した場合は、次の段階として空港への延伸を議論することになっている」と述べ「沿線開発に伴う交流人口の増加などを促すためにも、空港延伸に向けた運動を引き続き展開する」と、活動の継続を訴えた。 期成同盟会発足の地である土浦市の安藤真理子市長は「今年2月に県から土浦延伸に向けた事業構想が発表され、TX延伸実現に向け一歩踏み出した。延伸で人の流れを常磐線に引き込むことで周辺市の活力を引き出し、県全域に波及させることができる」と、鉄道延伸の経済効果を強調した。 改めて空港延伸を議論 来賓として参加した茨城県の小松英雄政策企画部次長は「開通から20年がたち、TXは首都圏鉄道ネットワークの中で重要な役割を担っている。沿線開発により人口が9万人も増え、企業や商業施設の進出も活発になり、沿線地域の発展に大きく寄与している」とTX効果を総括、「空港延伸については、第3者委員会から『空港を取り巻く状況が変化した時には改めて空港延伸を議論する』との提言をもらっている」と述べた。 県は今月「茨城空港将来ビジョンー首都圏第3の空港を目指して」と題する報告書を発表。この中では「県が推進するTX県内延伸構想に関しては、土浦延伸実現後、空港を取り巻く総合的な状況の変化などを見極めた上で、改めて茨城空港延伸について議論することにしている」「同構想の進捗を注視しながら、将来における空港アクセスの充実について検討していく」と記載されている。 茨城空港の役割として「羽田・成田空港とともに、首都圏第3の空港として、日本の国際・国内空港需要に対応する空港」と、茨城空港の将来を位置付けている。TXを首都圏第3空港への重要なアクセス手段と考えているようだ。(坂本栄)

夏を彩る大型タペストリー 今年もつくば駅前商業施設に展示

つくば駅前の夏を彩る、恒例の大型タペストリー作品展が商業施設トナリエつくばスクエア トナリエMOG1階のプラザ・パフォーマンス・ギャラリーで始まった。展示されるのは、日本国際学園大学の学生がデザインした作品。同大学とつくば都市交通センターが連携して実施している「TUTCタペストリーアートコンペティション」で優秀作品に選ばれたに2作品が、それぞれ約3週間ずつ展示される。 同展は2015年から始まり今年で11年目を迎える。今年は8月につくばエクスプレス(TX)が開業20周年を迎えることから、例年のテーマである「夏を彩る大型タペストリー」に「つくばらしさ」をテーマに加えて作品を募集した。応募のあった7作品から、生井妃萌乃さん(20)の「水鏡」と、鈴木翔斗さん(21)の「ガマと筑波山」が選ばれた。 同大情報デザイン学科3年の生井さんは、湖に映る夏の青空と、筑波山を描いた。筑波山の二つの峰を右上に天地逆さまに描き、大空を舞う鳥と漂う白い雲の姿を、水面の揺らぎとともに鮮やかに表現した。生井さんは「夏の涼しさを幻想的にイメージした作品。選ばれてうれしいし、これほど大きな作品を作ったことはなかったので自信になった」と受賞の喜びを語ると、「大学では、カフェなどお店のチラシやポスターを制作している。将来はデザインを通して自分が作りたいものを届けていきたい」と今後の目標を話した。 同じく情報デザイン学科3年の鈴木翔斗さんが描いたのは、筑波山ロープウェイつつじケ丘駅前にあるガマ大明神だ。2021年に閉館した、三井谷観光が運営していた食堂や物産展、子ども向け遊具を併設した観光施設「ガマランド」の敷地内に今もある高さ約5メートルの大型のガマを描き、下から見上げる大胆な構図が評価された。 鈴木さんは「ガマの迫力が伝わるデザインにしたかった。今回の作品のために改めて筑波山に行ってみると、目の前に広がる自然など筑波山の新たな魅力に気づく機会になった。筑波山にはガマの油売りなど他にはない魅力的なスポットがある。受賞には驚いたが、とてもうれしい。将来はデザインを生かした仕事に就きたい」と語った。 選考委員長を務めたつくば都市交通センター理事長の関俊介さんは「今年はTX開業20周年にちなんでつくばをテーマに設定した。センター地区の交通インフラを支える立場で、つくばを盛り上げ、にぎわいの演出に貢献できればと考えている。応募作品には、夏のイメージにつくばをどう表現するか工夫した作品が多かった。受賞した2作品を通じて、道行く人にもつくばの夏を感じていただきたい」と語った。 日本国際学園大学教授で審査員の高嶋啓さんは「応募作品には、つくばに広がる田んぼや、TXの車両、祭りつくばのねぷたなどがあった。大きくメッセージが入るなど、遊び心を取り入れたユーモアあふれる作品もあった。受賞した作品を通じて、つくばの新たな一面を知ってもらう機会になるとともに、清涼感を感じてもらえたら」と語った。(柴田大輔) ◆「TUTCタペストリーアートコンペティション」優秀賞受賞作品による大型タペストリー展は、つくば市吾妻1-6-1 トナリエつくばスクエア トナリエMOG1階プラザ・パフォーマンス・ギャラリーで9月8日(月)まで開催。生井妃萌乃さんによる「水鏡」は7月28日(月)から8月19日(火)まで、鈴木翔斗さんによる「ガマと筑波山」は8月19日(火)から9月8日(月)まで。入場無料。

子どもを育む居場所、遊び場に期待《令和楽学ラボ》36

【コラム・川上美智子】イオンモールつくば(つくば市稲岡)に全天候型遊び場、「ミライパーク」が整備されたという。気候変動による猛暑が続く夏場は、熱中症アラートが連日のように発せられ、子どもたちが外で遊ぶことはほぼ不可能になった。ちょうど、夏休みに入ったところであるが、子どもたちの声は聞こえず、公園にも道路にも人の姿は見えない。このような全天候型の遊び場が身近にあることは、幼小の子どもの育ちに不可欠なのかもしれない。 日立市では6年前、雨天でも親子で遊べる屋内型子どもの遊び場「Hiタッチらんど・ハレニコ」を駅前(現ヒタチエ・4階)にオープンした。北関東最大と言われる㈱ボーネルンド監修による人気の遊具が整備されており、県内のみならず東京方面からの来場者もあり、本年2月には入場者50万人セレモニーが開催された。筆者が学長を務める特定非営利活動法人(NPO)「子ども大学常陸」が、設立時よりこれに関わり、日立市の指定管理者として運営を行っている。 あそび・まなび場は、安全を確保するため、12歳までの子どもと保護者が一緒に入場するスタイルになっており(13歳以上の未成年も家族と一緒であれば入場可能)、定員250人、90分入れ替え制となっている。ベビーゾーン、ロールプレイゾーン、アクティブゾーン、芝ゾーンには、たくさんのボーネルンドの遊具が整備されている。 また、通路を挟んで無料の子育てサポートエリアと管理エリアがあり、親子遊び、各種講座、一時預かりサービス、相談事業など、保護者が利用できるスペースが設けられていて、子どもたちのうれしそうな声が絶えない。 知的好奇心を刺激し学ぶ楽しさを知る そもそも子ども大学は、子どもたちに大学レベルの教育を施すために2002年、ドイツの大学で発足し、日本でも2008年にスタートした。子ども大学常陸も、学校とは異なる第2の学び場、体験の場、冒険の場としての役割を果たしたいと、2014年に日立に誕生した。子どもの知的好奇心を刺激し学ぶ楽しさを知ってもらうために、茨城キリスト教大学や茨城大学の教授陣を中心に、ゼミと称して、それぞれの専門性を活かした授業を分かりやすく、実技などの活動を交え、アクティブラーニング形式で進めている。 このほか、設立以来、誰よりも力を注いできた山名芙美理事長の手腕により、日立市や地域の団体、企業と連携して数えきれないほどの事業を実施し、日立市の子育ち・子育て拠点の役割を果たすまでに成長した。 昨年度の事業を見て行くと、ふるさとの歴史を知る「ひたち自然史パンテオン」、「あそびコンシェルジュの設置」、「サッカー大会」、「親子で楽しいリズム」、「パンポン教室」、「日立科学遊び隊の体験イベント」、「おはなし会」、「ライフケア日立連携事業」、「茨城キリスト教大学ゼミ生による無料託児」、「ママの自分時間プロジェクト」、「キラキラワークショップ」、「お誕生日会」、「ハレニコマルシェ」、「ママサロン」、「ハイハイレース」などの自主事業、職場体験、シビックセンター・サクリエ、森の学校、丸善イベント、日立産業祭、パンダフェス、保育園情報交換会、県北ママコミュ等の協力事業などがある。 子どもの安全管理、28人の従業員の労務管理、研修など保育園運営に負けず大変な面があるが、子どものゼロ歳からの学び支援と子育て中の保護者支援として重要な施設であることだけは確かである。つくば市に発足した新施設が、子どもたちの多様な活動の拠点になるよう期待している。(茨城キリスト教大学名誉教授、関彰商事アドバイザー)