
【コラム・海老原信一】初めまして。皆さんお元気ですか? お元気な方は今をキープ、そうでない方は少しだけでも元気に。そうなってもらえたらうれしいなと思いながら、このコラムで皆さんとお話をしていけたらよいなと思い、書かせていただくことにしました。
コラムのタイトルと文末の略歴から、私が一体何をしているのか分かると思いますが、なぜこのコラムを担当するようになったのかの経緯も含め、身の上話的なことを話させてください。
50代に入ったころ、ひょんなことからヨシ原にいた小鳥を、そのころ出始めたばかりの、今と比べたら悲しいぐらい性能の低かったデジカメを使い、撮影したことから始まります。画像をパソコンで開いたら、ヨシの中にポツンと黒い点が! 「あれ、鳥はもしかしてこれ?」。これがいけませんでした。
あれこれ調べて、デジカメにも一眼レフがあると知り、200ミリのレンズと共に購入。同じような状況で撮影してパソコンへ。確かに鳥と確認はできましたが、鳥の種類は? う~ん、分からんな~。財布をのぞきながらも、気持ちは早や400ミリレンズへと走っていました。今度はちゃんと種もわかる。うれしくなりました。
野鳥に専念、写真展18年
それからというもの、時間をつくっては野鳥の撮影。それ以外考えなくなりました。経験を重ねるうちに、鳥との距離がどうも近すぎる…。鳥に緊張感が感じられる…。鳥との距離に余裕を持ちたい…。またもや欲望が吹き上がることに。
野鳥撮影の定番として600ミリレンズの存在を知ることになり、無理して購入。その後は、野鳥との出会いに日々を費やすことになりました。そして、野鳥を撮ることに専念したいと、職場を早期退職。それからは鳥を撮影する毎日で、今日に至っているわけです。鳥たちと出会える喜びを共有できたらうれしいと、写真展を18年続けています。
その来場者の中に、この欄に寄稿しているKさんがおられ、野鳥の観察、撮影を通じて思ったことなどをコラムに書いてみてはとの誘いがありました。上の写真は展示会を決意するきっかけになると同時に、鳥に向き合う心持ちに変化が生まれた1枚です。この写真については、後日、お話しするつもりです。
野鳥と向き合う日々の以前と今を行ったり来たりしながら、レンズを通して見たこと、感じたことなどを、拙い文章になりますが、お話させていただくのを、緊張しながらも続けていけたなら幸いです。よろしくお願いします。(写真家)
【えびはら・しんいち】高卒後、食肉加工会社(土浦市)で設備営繕に従事。野鳥写真に専念するため56歳で退職。日本野鳥の会、野鳥の会茨城県、竜ケ崎バードウオッチングクラブの会員。阿見町などの探鳥会講師。2007年3月から洞峰公園ギャラリーで写真展を49回開催。76歳。阿見町在住。