つくば市は4日、同市玉取の市営火葬場「つくばメモリアルホール」で1日午後、火葬場の職員が、火葬した遺骨を取り違え、別の遺族に収骨させたと発表した。収骨がほぼ終わった段階で、遺族が台車に付いている名札が違うのに気づき収骨を中断。職員が骨壺から元に戻して、本来の遺族が収骨をやり直した。同メモリアルホールで遺骨を取り違える事故が起きたのは初めて。
メモリアルホールによると、1日は午後2時ごろから2人の火葬が執り行われた。1人の火葬が終わり、午後3時20分ごろ、火葬委託業者の職員が火葬を終えた遺骨を、遺族が骨壺に収める収骨室に移動した際に、本来の部屋とは別の収骨室に運び、待合室で待っていた別の遺族を呼んで収骨させた。
遺骨を運ぶ台車と収骨室にはいずれも名札が付いており、メモリアルホールのマニュアルでは、両方の名札を確認をすることが定められていたが、遺骨を運んだ職員が確認を怠った。火葬した遺骨は家族が収骨する前に、職員2~3人が収骨室に入って整えるが、整えた職員も名札の確認を怠ったため取り違えに気付かず、ミスが重なったことが原因だとしている。
メモリアルホールと委託業者の責任者は両家に対し謝罪。市は委託業者に対し、マニュアルに定められた確認作業を徹底するよう強く要請したとしている。
五十嵐立青市長は「ご遺族様にとって最期のお別れである収骨において重大な事故を起こしてしまい深くお詫びします。今後このようなことが決してないよう、委託業者に対し適正な運営を指導し、市としてもさらに緊張感をもって施設運営に取り組みます」とするコメントを発表した。