火曜日, 10月 13, 2026
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使い切る「京のしまつ」(2)《デザインを考える》17

【コラム・三橋俊雄】江戸時代、大阪の儒学者 広瀬旭荘(ぎょくそう、1807~1863)は「九桂草堂(きゅうけいそうどう)随筆」で、「京の人は細成り(細かく倹約である)、大坂の人は貧なり、江戸の人は夸(か)なり(実を捨てて名を得る)」と、また、滝沢馬琴(1767~1848)も「大坂人の気質は、京四分に江戸六分、倹は京に学び、活は江戸に習う」と述べており、毎日の生活の中でモノを使い切る「しまつ」という気質は、京都人の特質であると言われてきました。 

今回は、記憶の中の「京の暮らし」調査(2001)において、府内の高齢者115人、上京・中京・下京区の中学生の親211人から「しまつ」の事例についてお伺いした、その一部をご紹介します。

(1)米のとぎ汁のしまつ(野菜などのあく抜き/茶わんを洗う/シーツなどののり付け/お花や野菜にやる)

(2)水のしまつ(流し水はしない/お米を洗ったり菜っぱを洗ったりした水は「上バケツ」にため、「下バケツ」に移して雑巾洗いや庭にまくなど、もう一度活用する/牛乳の瓶を洗った後の水は植木にまく/洗濯のすすぎ水や風呂の残り湯は水洗トイレに使う/夕立の時、とゆ(とよ)の水をバケツにためておき、最初の水は夕方の水まきに使い、水がきれいになってきたら雑巾がけ用に使う)

(3)食材のしまつ(残ったご飯をのりにする/使ったお茶の葉でつくだ煮をつくる/糠(ぬか)で体を洗う/米糠を袋に入れて拭き掃除に使う/お茶の葉を畳にまいて掃除をする/出しがらの昆布や花かつおとじゃこで佃煮をつくる/卵の殻で茶碗やポット、ビンを洗う/コーヒー豆を乾かし脱臭剤として下駄箱に入れる/ネギを使う時、根っこは植えて、芽が出たら食べる/米ぬかで柱や板の間を磨く/焼き魚の骨はお湯やお茶でスープにする)

(4)着物や布のしまつ(着物の残りで前掛けや座布団を作る/長じゅばんをさいてはたきを作る/着なくなったTシャツなどを小さく切って油汚れした鍋や換気扇、靴みがきなどに使う/セーターをほどいて洗い、蒸気でのばして編み替える/衣類は人目によほどでない限り繕って着る/亡くなった方の着物を傘の生地に使い、片見分けとしてお配りする/浴衣など木綿の古布で赤ちゃんのおしめを作る)

(5)紙のしまつ(使用後の障子紙を他の用途に使う/和菓子をのせた懐紙はもう一度、テーブルを拭くなどに使う/デパートの包み紙や裏の白いチラシ、パンフレットなどはとじて計算帳やメモ帳にする/カレンダーの裏は子どものお絵かき用に/新聞紙をぬらし細かくちぎって「通り庭(玄関から奥の庭まで続く土間)」の掃除に使う)

(6)その他(髪の毛を残しておいて針山の中身にする/割り箸やかまぼこの板は取っておく)、など。

上記の「上バケツ」は「あか(銅製)」のバケツで、内側に錫(すず)メッキがしてありました。また、京都では「掃除は白足袋を履いてする」「道路の掃除は一掃きだけ隣の家にくいこむように掃く」「お茶、お菓子、座布団などはお客様用を用意しておく」など、「しまつ」と同時に、言わず語らずの京都ならではの約束事も多くありました。(ソーシャルデザイナー)

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駅名板やヘッドマークなどお宝40点 土浦まちかど蔵で「筑波鉄道展」

1987年に廃線になった筑波鉄道の歴史と、現在の自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」のつながりを紹介する「筑波鉄道展」が9日から、土浦市中央の観光拠点、土浦まちかど蔵「大徳」で開かれている。駅名板、ヘッドマーク、切符などお宝約40点が展示されている。 鉄道愛好家でもある土浦市観光協会の浅川善信さんが、筑波鉄道を運行していた関東鉄道の倉庫に眠る鉄道資料の中から、選りすぐって展示した。関東鉄道、JR土浦駅などの協力を得て同市観光協会が主催する。 展示されている駅名板は、筑波山観光の玄関口として当時、観光客でにぎわった「筑波駅」(つくば市沼田)と、旧新治村の「常陸藤沢駅」の2点。 ヘッドマークは、臨時列車「つくば」、急行「つくばね」の車両の先頭に取り付けられていたものなど3点。臨時列車のヘッドマークは、かつて筑波山の観光シーズンなどに、国鉄上野駅から臨時列車を運行していた記録でもあるという。急行は、1960(昭和35)年ごろ、土浦ー筑波駅間をノンストップで運行していた急行に取り付けられていた。ほかに、廃線間際の車両に取り付けられた「さようなら 筑波鉄道 ありがとうございました」と書かれたヘッドマークも展示されている。 さらに、土浦駅の隣の新土浦駅で実際に使われていた、列車の運行を監視したり制御するためのスイッチが収められた制御盤や、1983(昭和58)年に田土部駅に掲示されていた旅客運賃表なども展示されている。制御板は、右上に国道踏切、右下に六号国道踏切とある。当時、筑波鉄道が土浦市内の国道6号を横切った際、住民は踏切で長く待たされた。浅川さんは「土浦市民にとっては懐かしい思い出として記憶に残る踏切なので、こういうふうに踏切を制御していたんだと分かる制御盤」だと話す。 旅客運賃表には、田土駅から土浦駅までの運賃が当時340円だったことのほか、上野駅や横浜駅、宇都宮駅までの運賃も書かれており、当時、国鉄への乗り換えが多かったことがわかる。 ほかに、1896(明治29)年に製造されイギリスから輸入されたレールを切断してつくった文鎮、客車をけん引していたディーゼル機関車のブレーキハンドル、レールを固定するために打ち込んだ犬の頭部の形に似た犬釘など珍しい資料も展示されている。 浅川さんは「サイクリストには、りんりんロードに鉄道の歴史があったことを知ってもらうと同時に、鉄道ファンには現在も現地に残る筑波鉄道の遺構を自転車で巡ってもらえれば」と話し、「折に触れて、その場所にあった筑波鉄道に思いを馳せていただければ」としている。 筑波鉄道は1918(大正7)年に開業した土浦駅と岩瀬駅を結ぶ40.1キロの鉄道で、開業当初は蒸気機関車が黒い煙を吐きながら、客車2両と手荷物車、郵便車の計4両を引っ張り1日6往復した。1925(大正14)年に筑波山ケーブルカーが開業してからは、筑波山観光に大きな役割を果たすようになった。一方1970年代以降の道路整備や車社会の普及により沿線住民や観光客の鉄道離れが進み、1987(昭和62)年に廃線となり70年の歴史を閉じた、廃線後、線路跡地を茨城県が買収し、2002年に自転車道「つくばりんりんロード」を整備、2016年には霞ケ浦自転車道と統合され、ナショナルサイクルルート「つくば霞ケ浦りんりんロード」になった。駅のホームには現在、サイクリストのための休憩所などが整備されている。(鈴木宏子) ◆「筑波鉄道展」は19日(日)まで。入場無料。開館時間は午前9時~5時。18日(日)午前11時からと午後1時からの2回、筑波鉄道に関する鉄道ビデオを会場で上映するほか、同日午後2時から、鉄道関連グッズが当たる抽選会を開催する。詳しくは土浦市観光協会のホームページへ。