日曜日, 1月 11, 2026
ホーム土浦まちを巡って演劇鑑賞を 今年は神立駅周辺で 

まちを巡って演劇鑑賞を 今年は神立駅周辺で 

26、27日 飲食店5店で4劇団が回遊型イベント

まちの各所で上演される演劇を巡り、まちを歩きながら、演劇とまちの魅力を知ってもらおうと、土浦市神立地区で26日、27日、回遊型の演劇イベント「つち浦々まちなか演劇めぐり 神立編」(つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会主催、久保庭尚子委員長)が開かれる。昨年に続いて2度目の開催。昨年は土浦駅周辺の飲食店や寺社など10カ所を会場に、2日間で10団体が会場ごとの特色を生かした演劇を上演した(23年1月1日付同9月27日付)。今年は神立駅周辺の飲食店5店舗で、4団体が演劇や朗読劇などを上演する。

昨年はお寺や中華料理店で

「まちを巡りながら美術作品を楽しむというイベントが各所で行われている。演劇もそういった形で上演できたらと思った」と話すのは、主催団体の委員長で、朗読会や舞台の演出も手掛けるかすみがうら市在住の俳優、久保庭尚子さん。寺社や飲食店など普段は演劇会場としてはあまり使われない場所で開いた昨年の上演を振り返りながら、「お寺では背景に仏様があったり、中華料理店では1階と2階を利用したりするなど、会場に合わせた上演方法をアーティスト自身が考えた。照明も劇場のように暗くせずその場の照明を利用し、声の響きも劇場とは異なる中で、演じる方も、お客さんも、新鮮さを感じていたと思う」と話す。

車での移動が市民に根付く土浦で、実際にまちを歩きながら複数の上演会場を巡ってもらえるのか不安もあったというが、昨年は会場の地図が描かれたチラシを手にまちを歩く人たちが行き交い、「土浦を知るきっかけになった」「改めて演劇が好きになった」という声が、演劇を見にきた人からだけでなく、会場を提供した人たちからも聞こえてきた。

昨年、生家の古民家を上演会場として提供した、市内で設計事務所を営む高橋農さん(39)は「私は土浦に生まれて、東京で仕事をして、また土浦に帰ってきた。土浦を盛り上げたいという思いは強かった」と言い、「その一端が担えれば」と、今年は実行委員会のメンバーとしてイベント開催に臨んでいる。

いつものお店で気軽に楽しんで

今年は、神立地域の飲食店や製造業者などによる神立商工振興会が協力し、神立駅周辺にある「鳥吉 神立店」「喫茶・酒場 のすたるじあ」「居酒屋 寿々喜」「金澤屋」「中国料理 盛榮」の5店舗を会場に、「劇団ルート6」「三月劇場(斜三次)」「玉響~たまゆら~」「よませてヨマセテ」の4団体が朗読劇や演劇を上演する。

「鳥吉 神立店」「喫茶・酒場 のすたるじあ」「金澤屋」で上演されるのは、劇団ルート6の「Trash Fish A・B」。会場ごとに「A」と「B」の二つの演目を演じて、一つの物語を複数の視点で見つめるオリジナルストーリーで、同劇団の福田バツマルさん(48)が演出・脚本を手がける。

イベントの打ち合わせに参加する「劇団ルート6」の福田さん(左)

実行委員長の久保庭さんは「地元を盛り上げたいという思いがある。演劇を劇場で見ることに敷居の高さを感じる方もいるかもしれないが、いつも食事しているお店や、飲みに行っているお店で何かやっているぞ、という気軽な気持ちで、普段とは違ったお店の顔や雰囲気を味わいつつ演劇を楽しんでいただけたら。今後も続けていきたい」と語った。(柴田大輔)

◆「つち浦々まちなか演劇めぐり 神立編」は10月26日(土)、27日(日)、土浦市神立地区で開催。
鳥吉 神立店(神立中央1-10-16)=26日午前11時~、午後3時30分~、27日午前11時~、午後2時~、劇団ルート6が「Trash Fish -sideA-」を上演。
喫茶・酒場 のすたるじあ(神立中央2-3-2)=26日午後1時~、午後4時30分~、27日午後4時~、劇団ルート6が「Trash Fish -sideB-」を上演。
居酒屋 寿々喜(神立中央1-12-6)=26日午後2時~、27日午後7時~、3会場で上演の3作品を「美味しいお芝居」としてまとめて上演。27日正午~、三月劇場(斜三次)が「極私的演劇温故知新」を上演。
金澤屋(神立中央1-11-18)=27日午前11時~、玉響~たまゆら~が「金子みすずの詩歌(うた)〜音楽とともに〜」を上演、27日午後5時~、同劇団が「朱川湊人『栞の恋』」を上演。
中国料理 盛榮(神立中央1-14-4)=27日午後3時~、よませてヨマセテが「グリム童話『ねずの木』他」を上演。
◆各会場でスタンプを集めるとオリジナルのステッカーやトートバッグがもらえるスタンプラリーや、演劇を巡りながら演劇や神立のまちで撮影した写真をハッシュタグ(#)「つち浦々フォトめぐり」とともにSNSに投稿すると抽選でギフト券が当たるなどの企画も同時開催される。
◆チケットは、各会場での1演目を1回鑑賞できる「1演目券」が1000円、26日午後2時からと、27日午後7時から「居酒屋 寿々喜」で上演される3作品を見ることができるチケットは2000円。購入は専用の販売サイトへ。詳細はイベントの公式サイトへ。問い合わせは、つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会のメール(tsuchiuraura@gmail.com)か、電話029-896-3099へ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「ロビンソン酒場漂流記」で考える学校の魅力《竹林亭日乗》36

【コラム・片岡英明】茨城県教育委員会は2025年7月、高校審議会に対し、中学卒業者数減が大きな課題として、27年以降の「人口減少をはじめとする様々な社会変化に対応した活力と魅力のある学校・学科の在り方について」を諮問した。この内容は18年の高校審と同じで、県が生徒減に伴う県立高の魅力を継続的なテーマにしていることが分かる。今回、私もこの課題を耕してみたい。 この諮問に対する答申案は25年12月の総会で了承されたが、残念ながら、構えは広いが議論が狭く、つくばエリアなど生徒が増えているエリアには目が向けられていない。答申では「活力と魅力ある学校・学科」という大項目に全16ページの3分の2が充てられ、それを3項目構成で記述している。 1項目「高等学校の適正配置・適正規模」、2項目「魅力ある学校・学科の在り方」は前回と同じ構成だったが、前回は「その他」だった3番目を「選ばれる県立高校であるための魅力訴求」とし、「県立高の広報充実と校名・学科名変更の検討」を提案した。 実際の高校受験はどうなのか? 県全体では定員と受験者数はほぼ見合う中、通学上の問題もあり、受験者の偏在と地元からの入学減によってかなりの高校で定員割れが起きている。これに対し、2つの対策で十分だろうか? 確かに、広報や校名の視点も必要だが、その前に大切な点があると思う。 「高校の魅力」を知らせる前に ルポ「ロビンソン酒場漂流記」(加藤ジャンプ著、新潮新書、2025年7月刊)で著者は、駅からも繁華街からも遠く、おおよそ商売向きとは思えない場所で、料理のうまさと大将のもてなしでしたたかに生き延びる酒場をロビンソン酒場と称し、訪ねている。この本を読みながら、県立高定員割れ解決のヒントになると感じた。 そこで、料理(教育)と大将(教師)のよさが光るロビンソン酒場を参考に、定員割れ高校が「ロビンソン高」になる魅力について考える。 では、魅力を広報する前に高校が行うべきことは何だろう。まず、自分たちの学校のよさを確認することだ。受験者減を地元の受験生の「もっと私たちが行きたい学校にして!」の声と捉え、そして各高校に「魅力ある〇〇高校委員会」を作り、皆が知恵を出し合い、学校のビジョンを明確にする。 そのビジョンを地域と共に生きる学校として発信する。具体的には、「学び・青春・進路」での充実した教育、教職員の個性豊かな指導をアピールする。ビジョンを定め、生徒と教師の手作りの学校説明会を行うと、ビジョンに共感する生徒が必ず入学する。そして、これらの生徒を大切にしてロビンソン高校をめざす。 地元生徒も入学するプラチナ高 入学した「こだわり派」の生徒・保護者は、必ず地域で自分の学校のよさを宣伝する。この最初のヒットが次の波を起こし、学校・教師の自信が深まる。魅力が地元に広がるにつれ、学校のイメージが改善、高校の魅力を求め入学する生徒が増える。すると、こだわり派を集めることから始めた遠くにあるロビンソン高校は、地元の生徒も多く入学する近くのプラチナ高校になる。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表) ➡県高校審議会の過去記事はこちら(2025年8月27日付、12月21日付、12月25日付)

心に刻み付けたい言葉 2冊の本《ハチドリ暮らし》57

【コラム・山口京子】2026年の新年にあたって、心に刻み付けたい言葉に出会いました。「原発事故と農の復興」(小出裕章著、コモンズ、2013年)に出てくる言葉です。いま私たちに求められているのは、「エネルギーが足りないからエネルギーを供給する」ことではなく、「エネルギーを大量に必要としない社会を創る」ことだと。 エネルギー浪費型の工業社会から脱却し環境に見合った新しい形態の社会を創り出すこと、必要なのは農業の構造改革ではなく農業を疲弊させてきた工業優先の浪費社会を転換すること、自らの地で農産物を供給するような社会構造を生み出すこと―だと。 今日の世界には気の遠くなるような課題が山積みされており、私たち一人ひとりは、どんなに頑張ったところで、課題のごく一部分に自らを関わらせることができるに過ぎない。私たちに求められているのは、自らが真に求めている目標が何であり、自らが関わりきれない無数の運動とどのように連帯できるかを、常に問い直しながら運動を進めることである、と。 今後、放射能汚染から身を守るためには、汚染源そのものを廃絶させる以外に道はない。真に、放射能汚染から身を守る運動ができるならば、それは、農薬漬けの農業から脱却する道、食料を輸入に頼る社会から脱却する道だ、と。 食卓から地球を変える 小出さんがやりたいことは二つ。まず、原子力を選んだことに責任がなく、放射線感受性の高い子どもたちの被曝を減らすこと。そして、これまで破壊し続けてきた一次産業の崩壊を食い止めること。 この本には、有機農業を実践されている方々の声が多く掲載されています。食べることは生きることの基本、有限な地球で無限の欲望が成就されることはない、どのような未来を築きたいのかを構想することが必要―といった声です。 別の本「食卓から地球を変える あなたと未来をつなぐフードシステム」(ジェシカ・ファンゾ著、日本評論社、2022年)では、食卓がどう世界とつながっているか、世界のフードシステムがどうなっているのか―を「見える化」しています。暮らしの中に潜む深く重たい課題に気づかされます。(消費生活アドバイザー)

北条芸者ロマンの唄が聞こえる《映画探偵団》96

【コラム・冠木新市】今、1月25日に開催する詩劇コンサート「新春つくこい祭/北条芸者ロマンの唄が聞こえる」を準備中だ。これは2012年秋に上演した詩劇「北条芸者ロマン/筑波節を歌う女」を14年ぶりに再演するものである。 前回の講演と詩劇では、1930(昭和5)年に童謡詩人 野口雨情が筑波町から依頼されて作詞した「筑波小唄」が、完成40日後に二分されて「筑波節」が生まれた謎の解明を試みた(映画探偵団22)。今回、「筑波節」誕生95周年記念詩劇に取り組むうち、新たな謎に気付かされた。 「筑波小唄」を初披露したのは筑波芸者だったのに、SPレコードに吹き込んだのは東京のうぐいす芸者・藤本二三吉、「筑波節」を吹き込んだのは北条芸妓連だったことだ。 なぜ筑波芸者は吹き込みから外されたのか? なぜ北条芸妓連が選ばれたのか? 改めて気になった。資料は何も残されていない。このことには14年前に気付いてはいたが、それよりも当時は雨情が一つの詞を二つに分けたことの方に関心が向いてしまい、筑波芸者の存在をそれほど気にかけなかった。 淡島千景vs.山本富士子 泉鏡花 原作「日本橋」が1956年、大映で市川崑監督により映画化された。日本橋芸者・稲葉家のお孝(淡島千景)が医学士 葛木晋三(品川隆二)をめぐって、滝の家の清葉(山本富士子)と張り合う話だ。昔、名画座の赤茶けた画面で見たのだが、淡島千景の粋な芸者ぶりと山本富士子のさっぱりした姿にほれぼれし、以後、私の芸者映画の基準になった。 美人芸者同士の恋のさや当ては、見ていてスリリングであり、この作品を超える芸者映画にはなかなかぶつからない。後にきれいな画面のDVDを見て、2女優の美しさに酔いしれた。 「日本橋」を思い出したとき、レコード録音をめぐり、雨情を挟んで筑波芸者と北条芸者が争ったのではないかと想像した。すると、一つの詞を二つに分けたことよりも、芸者さんにとって、吹き込みの件は重大な出来事だったと思える。雨情は、そのことをどう考えていたのだろうか? 北条芸者に録音を取られた筑波芸者は何を感じたのか? 今回はそのあたりに少し踏み込んでみた。 土浦音頭と筑波節、どっちが先? これに関連して、もう一つの謎が浮かび上がってきた。それは1930(昭和5)年か33(昭和8)年に土浦で作られた横瀬夜雨 作詞、弘田竜太郎 作曲の「土浦音頭」である。こちらは、水郷芸者の君香がSPレコードに吹き込んだ(映画探偵団25)。 こちらも資料がないため想像するしかないのだが、もし昭和5年に制作されたならば、「筑波節」と同時期ということになる。では、どちらが先だったのか? 「筑波節」の動きに刺激され、「土浦音頭」が作られたのか? 先に「土浦音頭」が作られ、その後「筑波節」が企画されたのか? はっきりしているのは、筑波も土浦もこの唄を大切にしてこなかった事実だ。その証明として両方とも歌碑がない。雨情の場合、いくつも歌碑が残されている。雨情のふるさと磯原には、「磯原小唄」は三つ、「磯原節」は一つある。また、夜雨の歌碑も筑波山にはある。たかが歌碑と言ってしまえばそれまでだが、文化に対する民度を物語っているのではなかろうか。 今回のイベントでは、第1部は大川晴加さんらの「筑波節」録音をめぐる詩劇、第2部は筑波の唄を集めた小野田浩二さんのコンサート(中でも「筑波馬子唄」は幻の唄に近い)となっている。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家)

産後ケア利用の男児が一時意識不明に つくば市 重大事故検証委設置へ

つくば市から委託を受けて、出産後の母子のケアなどを実施している「産後ケア施設」で昨年11月、施設を利用していた生後4カ月の男児が一時意識不明となり、救急車で病院に運ばれていたことが分かった。男児は現在、退院しているが、左手足にまひが残り、今後継続的に通院やリハビリが必要な状態という。 市は重大事故として、第三者による検証委員会を設置する方針を決め、7日開かれた市議会全員協議会に説明した。同市は2018年度から産後ケア事業を実施しているが、意識不明など重大事故が発生したのは初めて。 同市こども未来センターによると、男児は市内に住む。当時、母親と2人で施設を利用中、容体が急変し意識不明になった。施設が119番通報し、救急車で病院に運ばれ入院した。施設からは翌日、市に連絡があり、市は同日、県などに報告した。 男児が意識不明になった原因については不明という。当時、男児がどのような健康状態だったかや、意識不明になった経緯、施設で何をしていたかなど当時の状況について市は、公表できないとしている。 検証委の設置は、意識不明になった原因が不明であることから、昨年3月にこども家庭庁などから出された通知に基づいて設置する。検証委では、関係者へのヒヤリング、現地調査などを実施して事実関係を明らかにした上で、発生原因を分析し、必要な再発防止策を検討する。さらに事故発生の背景、対応方法、問題点、改善策などについて提言をまとめる。 市によると、検証委の委員として医師、弁護士、学識経験者、産後ケア事業者など5人以内を検討している。16日に開く市議会本会議で検証委の設置が可決されれば、すみやかに委員を選定し、年度内に第1回会合を開催したい意向だ。提言報告書をまとめるまでには1年ほどかかる見通しだという。 産後ケア事業は、出産後、育児に強い不安があったり、周囲に手伝ってくれる人がいないなど育児の支援が必要な、ゼロ歳児の母親などを対象に、相談に乗ったり、母子の健康状態をチェックしたり、食事や宿泊などを提供する事業。つくば市は現在、市内外の医療機関や助産院など19施設に委託して実施し、2024年度は261人の母親が子供と一緒に利用した。昨年11月に意識不明事故があったのは19施設のうちの一つという。(鈴木宏子)