土曜日, 3月 14, 2026
ホーム土浦まちを巡って演劇鑑賞を 今年は神立駅周辺で 

まちを巡って演劇鑑賞を 今年は神立駅周辺で 

26、27日 飲食店5店で4劇団が回遊型イベント

まちの各所で上演される演劇を巡り、まちを歩きながら、演劇とまちの魅力を知ってもらおうと、土浦市神立地区で26日、27日、回遊型の演劇イベント「つち浦々まちなか演劇めぐり 神立編」(つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会主催、久保庭尚子委員長)が開かれる。昨年に続いて2度目の開催。昨年は土浦駅周辺の飲食店や寺社など10カ所を会場に、2日間で10団体が会場ごとの特色を生かした演劇を上演した(23年1月1日付同9月27日付)。今年は神立駅周辺の飲食店5店舗で、4団体が演劇や朗読劇などを上演する。

昨年はお寺や中華料理店で

「まちを巡りながら美術作品を楽しむというイベントが各所で行われている。演劇もそういった形で上演できたらと思った」と話すのは、主催団体の委員長で、朗読会や舞台の演出も手掛けるかすみがうら市在住の俳優、久保庭尚子さん。寺社や飲食店など普段は演劇会場としてはあまり使われない場所で開いた昨年の上演を振り返りながら、「お寺では背景に仏様があったり、中華料理店では1階と2階を利用したりするなど、会場に合わせた上演方法をアーティスト自身が考えた。照明も劇場のように暗くせずその場の照明を利用し、声の響きも劇場とは異なる中で、演じる方も、お客さんも、新鮮さを感じていたと思う」と話す。

車での移動が市民に根付く土浦で、実際にまちを歩きながら複数の上演会場を巡ってもらえるのか不安もあったというが、昨年は会場の地図が描かれたチラシを手にまちを歩く人たちが行き交い、「土浦を知るきっかけになった」「改めて演劇が好きになった」という声が、演劇を見にきた人からだけでなく、会場を提供した人たちからも聞こえてきた。

昨年、生家の古民家を上演会場として提供した、市内で設計事務所を営む高橋農さん(39)は「私は土浦に生まれて、東京で仕事をして、また土浦に帰ってきた。土浦を盛り上げたいという思いは強かった」と言い、「その一端が担えれば」と、今年は実行委員会のメンバーとしてイベント開催に臨んでいる。

いつものお店で気軽に楽しんで

今年は、神立地域の飲食店や製造業者などによる神立商工振興会が協力し、神立駅周辺にある「鳥吉 神立店」「喫茶・酒場 のすたるじあ」「居酒屋 寿々喜」「金澤屋」「中国料理 盛榮」の5店舗を会場に、「劇団ルート6」「三月劇場(斜三次)」「玉響~たまゆら~」「よませてヨマセテ」の4団体が朗読劇や演劇を上演する。

「鳥吉 神立店」「喫茶・酒場 のすたるじあ」「金澤屋」で上演されるのは、劇団ルート6の「Trash Fish A・B」。会場ごとに「A」と「B」の二つの演目を演じて、一つの物語を複数の視点で見つめるオリジナルストーリーで、同劇団の福田バツマルさん(48)が演出・脚本を手がける。

イベントの打ち合わせに参加する「劇団ルート6」の福田さん(左)

実行委員長の久保庭さんは「地元を盛り上げたいという思いがある。演劇を劇場で見ることに敷居の高さを感じる方もいるかもしれないが、いつも食事しているお店や、飲みに行っているお店で何かやっているぞ、という気軽な気持ちで、普段とは違ったお店の顔や雰囲気を味わいつつ演劇を楽しんでいただけたら。今後も続けていきたい」と語った。(柴田大輔)

◆「つち浦々まちなか演劇めぐり 神立編」は10月26日(土)、27日(日)、土浦市神立地区で開催。
鳥吉 神立店(神立中央1-10-16)=26日午前11時~、午後3時30分~、27日午前11時~、午後2時~、劇団ルート6が「Trash Fish -sideA-」を上演。
喫茶・酒場 のすたるじあ(神立中央2-3-2)=26日午後1時~、午後4時30分~、27日午後4時~、劇団ルート6が「Trash Fish -sideB-」を上演。
居酒屋 寿々喜(神立中央1-12-6)=26日午後2時~、27日午後7時~、3会場で上演の3作品を「美味しいお芝居」としてまとめて上演。27日正午~、三月劇場(斜三次)が「極私的演劇温故知新」を上演。
金澤屋(神立中央1-11-18)=27日午前11時~、玉響~たまゆら~が「金子みすずの詩歌(うた)〜音楽とともに〜」を上演、27日午後5時~、同劇団が「朱川湊人『栞の恋』」を上演。
中国料理 盛榮(神立中央1-14-4)=27日午後3時~、よませてヨマセテが「グリム童話『ねずの木』他」を上演。
◆各会場でスタンプを集めるとオリジナルのステッカーやトートバッグがもらえるスタンプラリーや、演劇を巡りながら演劇や神立のまちで撮影した写真をハッシュタグ(#)「つち浦々フォトめぐり」とともにSNSに投稿すると抽選でギフト券が当たるなどの企画も同時開催される。
◆チケットは、各会場での1演目を1回鑑賞できる「1演目券」が1000円、26日午後2時からと、27日午後7時から「居酒屋 寿々喜」で上演される3作品を見ることができるチケットは2000円。購入は専用の販売サイトへ。詳細はイベントの公式サイトへ。問い合わせは、つち浦々まちなか演劇めぐり実行委員会のメール(tsuchiuraura@gmail.com)か、電話029-896-3099へ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

49年 市民が清掃活動 水戸街道の松並木守る 土浦

文化財愛護の会 土浦市東若松町にある市指定史跡「水戸街道松並木」で14日、市民団体「土浦市文化財愛護の会」による清掃活動が実施された。清掃活動は1977年の同会発足以来、49年間にわたって続いている。現在、旧水戸街道で松並木が残っているのは、この東若松町~板谷七丁目周辺だけ。 江戸時代から続く貴重な景観 水戸街道は、江戸時代初期の1604(慶長9)年、幕府により千住(東京都足立区)―水戸間の29里19町(約116km)が整備された。脇街道という位置付けで、東海道などのいわゆる5街道に次ぐ主要な街道だった。江戸時代の街道には、通行人を暑さ寒さから守るために松並木が整備されていた。 「ただし木自体はマツクイムシなどの被害により植え替えが進み、江戸時代のものはおそらく残っていない。それよりも、松並木の景観を守り伝えることこそが重要」と、愛護の会副会長の小林静さん(80)。 この日は会員約30人が参加し、プロテリアル金属(旧日立電線)入口から「板谷の一里塚」までの1キロメートルほどの範囲を手分けして清掃。午前9時から11時までで、90リットル入りのビニール袋70個分ほどの枯れ松葉を集めた。例年は100袋ほど集まるのでやや少な目だそうだ。袋は軽トラック3台に山積みにされて清掃センターへ運ばれた。 会員の一人、塙秀弥さん(23)は筑波大学の4年生で4月からは大学院に進む予定。学芸員の資格取得のため文化財について学んでおり、地域の文化財がどのように守られているか興味があって入会したという。「この並木道に来たのは初めてで、太い幹が残っているのを見て驚いた。普段は素通りしてしまうものに目を向けるきっかけにもなった。清掃活動は誰かがやらないと景観を損ねてしまう。やってよかったし、これからも参加していきたい」と感想を話した。 史跡の手入れやパトロールも 会員の一部は松並木の作業を終えた後、同市小高の高崎山古墳でも清掃作業をした。今年は一色家住宅(西真鍋町、国登録有形文化財)、鉄砲塚(都和一丁目、市史跡)、大岩田の一本松(通称・予科練の松)なども予定するほか、文化財パトロールも随時行っていく。以前は地主や地域の手で管理されていたものが、人手不足により行き届かなくなるケースが増えてきているという。 愛護の会の会員数は、各研究部会を合わせて250人ほどになるが、高齢化も進んでいることが悩み。もっと認知度を高め、会員を増やして活動を継続させていきたいと、市の産業祭や各中学校区の公民館祭りに参加し、地域の文化財を紹介するといったPR活動にも力を入れ始めている。(池田充雄) ◆活動は会員外の見学・参加も歓迎。問い合わせは土浦市文化財愛護の会事務局(上高津考古資料館・古橋さん、電話029-826-7111)へ。

お上の悪には善では勝てぬ《映画探偵団》98

【コラム・冠木新市】1969年、篠田正浩監督が近松門左衛門作の人形浄瑠璃「心中天網島」をモノクロで映像化し、キネマ旬報ベストワンを授賞、映画界の話題を独占した。そして1970年には、河竹黙阿弥作の歌舞伎「天衣粉上野初花」をべースにした寺山修司脚本の「無頼漢」(カラー)が公開された。 「無頼漢」は、闇に浮かぶ浮世絵師・絵金の絵を効果的なセットに使い、原色の衣装などで天保時代の江戸文化を再現し、華麗な世界を作りあげた。しかし、「心中天網島」に比べると観客の盛り上がリは今ひとつ起きなかった。 「無頼漢」公開1年後の4月23日、私は篠田監督にTVスタジオで偶然に出会い、話をすることができた。「心中天網島」よりも「無頼漢」が気に入っていると伝えると、「うれしいですね。無頼漢のよさ分かってくれるとは」と言って、胸ポケットから封筒を取り出し、英語の新聞記事を見せてくれた。 「これ、ニューヨ一クで当たっているんですよ。すごい褒め方だ」。そこで「篠田さん自身、心中と無頼漢、どちらが好きですか」と尋ねると、「無頼漢に決まってますよ」と言い切った。 虚構の世界で悪役が活躍する時代 「無頼漢」は、役者志望の遊び人・直次郎(仲代達矢)、妻と息子を亡くした暗闇の丑松、水野忠邦の体制を批判して追われる三文小僧、数寄屋坊主の河内山宗俊(丹波哲郎)、こわもて商人・森田屋清蔵、御家人くずれの金子市之丞、この6人の悪党がお上に対抗する物語である。 直次郎が主役で「芝居小屋の外で芝居をする役者になりたい」と言わせている。河内山宗俊は、上州屋の一人娘が奉公先の武家屋敷で殿様から妾になれと言われて困っていることを聞きつけ、二百両で助け舟を出す仕事を引き受ける。直次郎は侍にふんし、河内山と一緒に屋敷に向かう。つまり、芝居小屋の外で人助けの芝居をうつことになる。 だが後半は、河内山が目立ってくる。御知僧に化けた河内山の正体がばれ、武家屋敷の玄関先で侍に取り囲まれ、啖呵(たんか)を切る丹波哲郎が圧倒的によい。「ええ仰々しい、静かにしろ。悪につよきは善にもと、世のたとえにもいうとおり、親のなげきがふびんさに…」 当時、丹波哲郎の名調子を褒める評論は多かった。「お上の悪には善では勝てぬ」と、悪党・河内山の痛快さは魅力的だ。江戸でも現代でも、虚構の世界で悪役が活躍する時代とは、管理体制と秩序でがんじがらめとなり、自由を失った証しではなかろうか。 もし、つくば市でリバイバル上映するとしたら、人形浄瑠璃の「心中天網島」と歌舞伎の「無頼漢」どちらが受け入れられるだろうか? サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) <物語観光講座「つくつくつくばの七不思議」のお知らせ>▽講演「つくば市章に隠された記号の謎」▽映画『サイコドン』上映とおしゃべり▽3月28日(土)13時半~15時半、カピオ小会議室2、参加費無料

「桜のまち」研究学園の未来へ《けんがくひろば》18

【コラム・二木重光】つくば市研究学園駅前公園は、かつて日本自動車研究所の高速テストコースの一部に位置していた場所です。その歴史を今に伝えているのが、当時の所長さんらによって植えられた桜の木々です。春になると、やわらかな花びらが公園を包み込み、このまちの原風景ともいえる美しい景観を生み出します。新しい街でありながら、ここには確かに受け継がれてきた時間が息づいています。 しかし、その桜も長い年月を経て老木化が進んでいます。ここ数年だけでも病気や虫害の影響により、少なくとも6~7本が伐採されました。満開の華やぎの裏側で、静かに進む衰え…。 大切な風景が少しずつ失われつつある現実は、私たちに「守り、育て、つないでいく責任」を問いかけています。未来へ桜を手渡すためには、これまで以上に計画的な保全と、次の世代へと命をつなぐ取り組みが欠かせません。 そうした思いから、2026年2月17日、研究学園駅前公園の桜について、市公園施設課と意見交換の機会を持ちました。自動車研から引き継いだ桜の保存に努め、駅前公園を「桜の名所」として守り続けていくこと、さらに日本花の会・結城農場桜見本園の協力を得ながら、専門的な知見を取り入れて育成を進めていくことなど、方向性を共有することができました。 4月4日に「けんがくさくらまつり」 公園に残る「関山」「普賢象」「松月」「御衣黄」といった貴重な品種の系統を受け継ぐことは、単に樹木を残すことではなく、この地の歴史と記憶を未来へつなぐ営みでもあります。 研究学園エリアには、駅前公園だけでなく、学園の杜公園や調節池周辺に広がる千本桜など、春を楽しめる場所が広がっています。それらを点ではなく線として結び、面として広げていくことで、「桜のまち」という新たな魅力がより確かなものになるでしょう。 今年も、桜の季節を彩る「けんがくさくらまつり」が4月4日に開催されます(雨天時は4月5日)。会場は研究学園駅前公園古民家周辺。主役は地域の皆さんです。ステージでは音楽が響き、会場には絵画や書道の展示が並びます。子どもたちに人気の消防車の展示や、けん玉や竹馬などの昔あそびも予定されています。世代を超えて笑顔が交わり、桜の下で思い出が重なっていく1日になることでしょう。 桜は、まちの記憶であり、人々の心に季節を届ける存在です。守る人がいて、楽しむ人がいて、未来へと願う人がいる。その積み重ねが、風景を育てます。今年の春もまた、研究学園の桜が、多くの人の心にやさしい彩りを添えてくれることを願っています。(けんがく活動団体連絡会 委員)

震災15年、原発事故を忘れない つくばで集会

東日本大震災と福島第1原発事故から15年を迎えた3月11日、つくば駅前のつくばセンター広場(同市吾妻)で市民集会「さよなら原発 守ろう憲法 昼休み集会&パレード」(安倍9条改悪NO!市民アクションつくば連絡会、東海第二原発いらない首都圏ネットワークつくばなど主催)が開かれた。被災地からの避難者や市民団体の関係者らが登壇し、事故の記憶を語り継ぐことや原発政策、平和について考える必要性を訴えた。 集会の後、「原発再稼働反対」「東海第2原発の廃炉」「再生可能エネルギーへの転換」「いのちと暮らしを守る政治」などを求めるアピール文が参加団体により採択され、参加者ら70人余りがつくば駅周辺をパレードした。 「今も帰れない人たちがいる」 震災後、福島県双葉町から埼玉県加須市へ避難した鵜沼久江さんは、震災直後の混乱を語った。地震発生から2時間後に自主的に避難を始めると、その日のうちに福島第1原発事故による緊急事態宣言が発令され、原発から約3キロ圏内に避難指示が出た。12日早朝には半径10キロに拡大された。その日から15日にかけて、車中泊や避難所を転々とする生活が続き、その間に原発では3度の爆発が起きた。「何が起きているのか分からないまま避難していた」と振り返った。 避難後は埼玉県の高校などに身を寄せ、生活環境の違いから戸惑いも多かったという。双葉町に戻ったときにできることを考え、野菜づくりを学んだが、「15年経っても町に戻って昔のように生活することはできない」と語った。避難生活の中で夫を食道がんで亡くし、自身も昨年心筋梗塞を経験。「原発事故を二度と起こさないために何をすべきかを考えながら生きている」と話した。 また、東海第2原発が立地する東海村から参加した大名章文さんは、村での複雑な状況を語った。東海村は1997年の動燃火災爆発事故や1999年のJCO臨界事故を経験しており、「福島の事故を見て多くの住民が不安を抱えていた」と説明した。 一方で、昨年2月閣議決定された第7次エネルギー基本計画で政府が原発の最大限活用を掲げたことで村の雰囲気が変わったとし、「村民の多くが関連企業で働く中、反対の声を上げることが生活を脅かすかもしれないという恐れがある」と指摘。「言いたいことがあるのに言えない、不安はあるのに表に出せない沈黙の重さがある。だが沈黙は決して同意ではない」と述べ、避難計画など住民の安全確保への問題が解消されない再稼働を認めるわけにはいかないと、反対の立場を示した。 つくば市の市民団体「憲法9条の会つくば」共同代表の石上俊雄さんは、現在も4万2000人以上が自宅に戻れない状況にあることに触れ、「命を守る社会を考える上で、憲法の問題とも向き合う必要がある」とし、防衛費の増加や、ベネズエラやイランでの軍事衝突に言及し、「武力による平和はありえない。対立をもたらし、突発的な戦争の危険を高めるもの。外交や国際協力こそが本当の抑止力だ」と述べ、憲法9条の意義を強調した。 同じく憲法9条の会つくばの阿部眞庭さんは、「福島第1原発事故により今も帰還できない人が多くいる」とし、「被災地で困難な状況にある人がまだたくさんいるのに、政府は原発の再稼働や新増設を進めようとしている。原発は弱い人たちを犠牲にした国策。震災と原発事故を忘れないこと、そして一人一人が考え、行動することが大切だ」などと呼び掛けた。(柴田大輔)