第72回秋季関東地区高校野球茨城大会は30日、ひたちなか市民球場(同市新光町)で準決勝2試合が行われた。第1試合は常総学院と霞ケ浦が対戦、8-5で霞ケ浦が逆転勝利を収め、決勝へ駒を進めた。
第72回秋季関東地区高等学校野球茨城大会(9月30日、ひたちなか市民球場)
常総学院 201000110 5
霞 ケ 浦 00010106X 8
常総学院が8回に一挙6点を失って敗れた。「7回まではチーム一丸となってよく守り、いい流れだった。だが8回は3点のリードがあったのに、1つのミスをきっかけにエースの小澤頼人が突然乱れだし、普通の投手になってしまった。それまで良かっただけに替えるタイミングが難しかった」と島田直也監督。勝ちを拾った格好になった霞ケ浦の高橋祐二監督は「うちは逆転負けはよくあるが、このように逆転で勝った経験はない。一つの自信にしたい」と神妙なコメント。
詳細はこうだ。8回裏霞ケ浦の攻撃、先頭の代打・羽生伯が左前打で出塁。次打者の四番・大石健斗は二ゴロでゲッツーコースだったが、悪送球でアウトをまぬがれ、暴投と2連続四球で押し出しの1点を手にする。ここで小澤はマウンドを降りるが、負の連鎖が起こった。2番手の大木投哉も1四球と代打・羽賀龍生の左前打で2失点。3番手の広瀬龍太郎も四球で1失点の後、2番・鹿又嵩翔の右越え適時打でさらに2点を失う。「まっすぐを狙って打ちに行ったらチェンジアップだったが、右手一本でなんとか抜けてくれた。チームのためにつなぐ思いで打った」と鹿又のコメント。
序盤は常総が試合進める
序盤は常総学院が優位に試合を進めていた。初回、霞ケ浦の先発・市村才樹の変化球の制球が定まらないところへ直球に狙いを絞り、4番・柳本璃青の左前打で2得点。3回にも5番・佐藤剛希の中前打で1点を追加した。
その後は市村が「仲間の『絶対勝つぞ』という気持ちに応えなければエースじゃない」と奮起。直球とスライダーを効果的に使って4~6回を無失点に抑えた。「スライダーは秋からキレが増してきた。相手は甲子園で使ったカーブのイメージが残っているので、裏をかくことができた」と話す。
霞ケ浦は4回と6回、いずれも5番・西野結太のバットで1点ずつ返している。「第1打席は凡退したが、ベンチから観察して第2打席はタイミングが合うよう修正できた。第3打席は『変化球を右中間へ』という監督の指示で、打ったのはまっすぐだったが狙い通り右中間へ完璧にとらえることができた」と西野の振り返り。この2点を奪ったことが、終盤の逆襲につながったといえそうだ。(池田充雄)