【コラム・浅井和幸】ウソをつくと得をするのか損をするのか? 当たり前の答えを先に言うと、ウソをついた人は得することもあり、損することもあります。確率としては、短期的に得することが多く、長期的に損することが多いものです。
Aさんは、来月の給料でお金を返すと約束をして、Bさんからお金を借りました。Aさんが最初から返す気がない場合は、ウソをついていたことになります。返せると思って借りたけれど返せなくなり、結果的に、約束がウソになることもあります。突然の出費があったとか、給料が入らなかったとか…。
先を読む力が低い人は、人をだますつもりがなくても結果的にウソとなり、信用が失われます。パチンコでの勝率は良くない実績があるのに、パチンコで倍にして返すと考えて借金をしたとか、日払いの仕事なのに雨で休みが多く収入が減るとか…。貸した方からすると返せなくなるのは最初から分かっていただろうと怒ることでも、将来を見通す力が弱い人は自分に都合良く予知をしてしまいがちです。
つまり、寝ないでやれば3日で夏休みの宿題が終わるから、休みが終わる4日前までは宿題をやらないという考え方です。大人になっても、締め切りが近くなって追い詰められたら自分は力を発揮すると考えている人が結構います。そういう私も、この原稿を締め切りの1時間前に書いているわけですが。
お金に関していえば、手元にお金が残るので、短期的には返済しない方が得です。しかし長期的には、返済した方が信頼関係を築けるという得があります。長期的な事業でいえば、返済計画通りに返済することで、次の大きな融資を受けられやすいというメリットになります。
暴こうとするとウソが巧妙になる
親御さんが自分の子どものウソを暴こうと頑張ることがあります。それは、親御さんとしても、ウソをつくことは悪いことだと教育したいからという目的があります(裏の目的としては嘘をつかれるのは子どもになめられているからで、なめられたくないという思いもあるでしょうが)。
しかし、ウソを暴こうとだけすると、よりウソが巧妙になるもので、もっとうまくウソをつけという教えになる可能性があります。ウソをついたときは、怒られずにその場を切り抜けられるというメリットがあるからです。デメリットは、ウソがばれたときであるからです。ウソをついたときに罰を与えるのと同じぐらい、いやそれ以上に、誠実に振る舞ったときに得になるような対応をすることが大切です。ご褒美をあげるとか、より笑顔で接するとか。(精神保健福祉士)