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TX沿線県立高問題 知事の答弁に希望《竹林亭日乗》15

【コラム・片岡英明】茨城県の3月議会で星田県議(つくば市区)が「TX沿線開発と今後のまちづくり」について質問。大井川知事から、TX開通後東京圏から多くの子育て世代が移住し、沿線の人口が8万4000人も増え、今後も増加が見込まれる沿線3市(守谷市、つくばみらい市、つくば市)を一体として魅力あるまちづくりを進めたい―といった趣旨の答弁があった。

TX沿線3市の現状、特に教育環境はどうなっているのだろうか? 先につくば市と守谷市の県立高への進学や通学状況を取り上げたが(23年10月10日付24年1月12日付)、今回はつくばみらい市も含めた3市の県立高について考えたい。

県立高環境、常磐線>TX

2023年度入試時のつくばみらい市の市立中卒業者は442人。県立高への進学者は、伊奈高79、水海道一高48、守谷高36、藤代紫水高23、藤代高22、取手一高21、竹園高15、水海道二高14、牛久栄進高10、つくばサイエンス高9、竜ケ崎一高8、取手二高8―と、分散している。

人口が増えている同市にとって、通学手段や定員を含む県立高問題は市の将来に関わる重要テーマと言える。そこで、TX沿線3市の市内県立高への入学状況を見ると、以下のようになっている。

     市立中卒業数 市内県立高入学  割合
▽つくば    2183   318    14.6%
▽守谷      642    69     10.7%
▽つくばみらい  442    79     17.9%
▽合計     3267   466    14.3%

3市とも市内入学は1割台にとどまっている。この数字は常磐線沿線の土浦38.4%、牛久24.0%、取手39.4%に比べると大幅に低い。そこで、TX3市を一体とした県立高入学割合を見ると、以下のようになっている。

        生徒 3市県立高入学 割合
▽つくば    2183   413   18.9%
▽守谷      642    164   25.5%
▽つくばみらい  442    139   31.4%
▽合計     3267   716   21.9%

常磐線沿線3市を一体として計算した割合は、土浦45.2%、牛久54.4%、取手44.6%、3市合計で47.8%。TX沿線3市合計で21.1%だから、常磐線沿線3市の半分以下という圏内入学率である。

沿線の県立高充実=沿線発展

TX沿線、常磐線沿線のいずれに住むかで県立高校進学条件に大きな違いがある。そのため、TX沿線の中学生には高校選択・通学に大きな負荷がかかっている。今後もTX沿線の人口・子ども増が見込まれることから、このまま放っておくと一層悪化する。

県は、県立高校の定員不足がTX沿線発展のボトルネックになっている事実を見てほしい。その上で、TX沿線・つくばエリアの中学生に県平均水準の県立高枠を確保してほしい。県立高の入学枠を広げることが、TX沿線の発展、ひいては県の発展につながると考える。

3月議会での知事の答弁を聞き、知事も多くの地域住民の願いと同じ方向性を持っていることが分かった。ここにTX沿線3市の中学生の希望を認めた。そして、つくばの高校新設問題の外堀は埋まったと感じた。知事答弁の延長線には、TX沿線への県立高新設があると思うからだ。(元高校教師、つくば市の小中学生の高校進学を考える会代表)

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