つくば市議の報酬を今年4月から約30%引き上げる条例改正案(2月13日付)について、同市議会3月議会最終日の22日、採決が行われ、22対2の賛成多数で引き上げが決まった。
賛成した会派はつくば自民党・創生クラブ(黒田健祐代表)、自民党政清クラブ(飯岡宏之代表)、つくば・市民ネットワーク(皆川幸枝代表)、公明党つくば(小野泰宏代表)、新社会党つくば(金子和雄代表)、清郷会(木村清隆代表)、新緑会(中村重雄代表)、つくばチェンジチャレンジ(川久保皆実代表)の22人。
反対した会派は共産党市議団(橋本佳子代表)の2人だけだった。山中八策の会の塩田尚市議は退席した。
採決に当たって市民ネットの4人が、引き上げ率を約18%に圧縮し、引き上げ時期を改選後とする修正案を提案し、皆川市議が「ある程度の引き上げは必要だが、一方で市民からの批判の声もある」などと提案理由を述べた。
これに対し「(引き上げの答申を出した)市特別職報酬審議会で慎重な審議を重ねた」(神谷大蔵市議=創生クラブ=)などの反対意見が出て、修正案は賛成少数で否決となった。
続いて4月から約30%引き上げる市長提案の条例改正案について採決が行われた。「十分な(報酬の)見直しが長期間行われなかったため仕事の重さに対し報酬が低かった」(小野泰宏市議)などの賛成意見が出された一方、反対意見として「今般の物価高で市民生活はひっ迫している。年200万円以上の報酬引き上げは市民感覚からかけ離れており、市民の理解が得られるとは思えない」(橋本佳子市議)などが出されたが、採決の結果、22対2で市長提案通り引き上げが決まった。
可決により、議長の報酬は現在の月額54万7000円から27.6%増の69万8000円、副議長は48万円から30.4%増の62万6000円、議員は44万7000円から30.6%増の58万4000円になる。
期末手当などを含む年間支給額は、議長が1102万4910円、副議長が988万7670円、議員が922万4280円になり、県内の市で水戸市に次いで2番目に高い額となる。つくば市議の報酬の引き上げは1994年以来30年ぶり。(鈴木宏子)