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2058年に1億人割れ、日本の人口減少対策は?《ひょうたんの眼》65

【コラム・高橋恵一】国立社会保障・人口問題研究所は、日本の人口が2050年には、現在より17%減の1億600万人になると予測した。2058年には1億人を割り込み、2100年には7500万人としている。

少子化が進めば、人口減少で働き手や消費者が減り生産力が低下して、経済全体を弱めると考え、人口減少を抑えることを最重要課題として、与党も野党も、メディアも子育て対策に夢中のようだ。岸田政権は、異次元の子育て対策を喧伝(けんでん)している。

子どもづくりを国策として奨励したのは太平洋戦争時代で、「産めよ、増やせよ」「軍国の母」などの掛け声とともに、「兵隊さん」を確保するためだったが、赤ん坊が兵士になるまで15年から20年を要するので、泥縄政策であり、効果は無かった。まして戦死を美化し、食糧確保もままならない戦時中に子育てをするなど、母親にとって納得できる国策では無かったであろう。

ある調査で、大学生の19%(女子は23.5%)が子どもを欲しくないと答え、経済面の不安や女性に育児負担が偏ると考えているとの結果が報告されている。非正規低賃金の若者には、子育てどころか、結婚もままならない。また、異常な受験競争でトリプル学習塾や勝利至上主義の部活に身を置く子どもたちの現状で、生まれる子供たちは自由と笑顔で成長できるのだろうか?

欧州の福祉国家を構築する経済政策

折しも、GDPがドイツに抜かれて世界第4位になり、日本の経済成長力が低下しつつあることが明らかになった。独の人口は8400万人、2070年に予想される日本の人口だ。日本が、失われた30年と言われ、個人消費が低迷している間に、独、英、仏、北欧諸国は、福祉国家を構築する経済政策で進み、30年の間に日本に差をつけた。

例えば、医療福祉サービスは、経済需要の大きな分野であり、賃金は、個人消費支出として循環するのだ。財源が公的部門から出れば、建設部門の公共事業と同じ機能を持つことになる。日本の低賃金政策が結局、GDPで独に抜かれた所以(ゆえん)なのだ。医療・介護従事者の賃金は政府が決められる。岸田総理は明日にも、望む賃上げを実現でき、人手不足を解消できるのだ。

人口減少は、少子化要因だけでなく、後期高齢に達した団塊の世代の今後20年ほどの急速減少も加わっていく。人口1億人なら、1億人分の需要に応じた供給力で対応すればよいだけだ。(地図好きの土浦人)

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