木曜日, 11月 5, 2026
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「障害ってなに?」を考える障害平等研修 土浦で開催 

障害者自身が進行役(ファシリテーター)となり参加者と対話を重ねながら、障害や差別について理解を深める「障害平等研修(DET)」が18日、土浦市で開催される。一般を対象とする研修は同市で初めて。主催団体は「茨城県に障害のある人の権利条例をつくる会」。同研修は、東京2020オリンピック・パラリンピック大会でも採用され、約8万人の大会ボランティアや組織委員を対象に実施されるなど、企業や自治体職員、教育現場などで広がりつつある。ファシリテーターとして自身も今回の研修に参加する土浦市在住の「DETいばらき」代表の高橋成典さん(58)は「自分の街を、誰もが暮らしやすい街にしていきたい」と、初めての地元開催への意気込みを語る。

少数者になって気づく差別

過去に数回、記者も研修に参加したことがある。そこで最も印象に残ったのが、障害者が多数で健常者が少数という仮想社会をドラマ化した動画だ。健常者がタクシーや公共バスに乗車拒否をされる、レストランでは車椅子でないことから他の客と別の場所に通されたり、「迷惑なんだよね」などと陰口を言われたりするー。「健常」であることを理由に次々と差別に遭う場面が映し出されるのだ。日々、多数派として何気なく過ごしている日常に、こんなにも差別的な場面が散りばめられているのかとショックを受けた。こうした動画やイラストなどを元に、参加者が「差別される側」の視点で社会を見つめ直し、進行役の障害者と共に障害とは何かを研修を通じて考えていく。

研修ではグループに分かれてディスカッションが行われる

障害平等研修は、1990年代後半にイギリスで障害者差別禁止法を推進するための研修として開始され、日本では、2005年に発足した「障害平等研修フォーラム」が国内唯一の専門組織としてファシリテーターの養成を行っている。高橋さんが代表を務める「DETいばらき」の発足は2018年。現在は障害平等研修フォーラムの研修を受けた7人の障害者がファシリテーターとして県内での研修にあたっている。

幼少期から障害者と接点を

「DETいばらき」はこれまで、県内の小・中・義務教育学校などで子どもを対象にした研修にもファシリテーターとして参加してきた。高橋さんがそこで感じたのが、幼い頃から障害者との接点を持つ大切さだ。障害平等研修では、障害者本人と直接対話を重ねることが大きな特徴になる。

高橋さんは「障害平等研修を受けた子どもたちから、障害者も同じ人間、普通の人と感じたと言うのを何度も聞きました。それまで接したことがなかったのだと思う」と話す。

47歳、下半身全体にまひ

高橋さんは以前、配送業に従事し、若手の先頭に立ちバリバリ働いた。下半身にしびれが出始めたのは2013年ごろ、47歳の時だった。脊髄ヘルニアと診断され2度の手術を経たものの、下半身全体にまひが広がり歩くことができなくなった。

「障害者」となった自分を受け入れられず「引きこもった」と言い、「車椅子になってから、外に出るとジロジロ見られている気がした。中には『近寄っちゃダメ』と子どもに話す親がいたり、『かわいそうだね』とささやく声も聞こえたりした。悲しくなった」。

3年がたち偶然出会ったのが、群馬で開催された障害平等研修だった。思い切って参加してみると世界が開ける思いがした。

「それまで障害のある方と接したことがなかった。障害平等研修では講師の方が電動車椅子に乗っていた。接してみると『普通』の人だった。私と何も違いがない。自分も障害者なのに、障害のある人を『かわいそう』だとか、偏見の目で見ていた。それは間違いだと気づいた」

それらの出会いがきっかけとなり、養成講座を受講しファシリテーターとしての活動を開始する。「自分の体がこうなっても活躍できる居場所を探していたんでしょうね」と当時を振り返る。

「子ども達の変化は大きい。その世代が大人になって社会を担う時に力を発揮してくれるはず。子どもの頃から障害者と触れ合っていくことで、偏見なく、障害者の立場に立ってものを考えられるようになってほしい」

一緒に住みよい街をつくる

高橋さんはこうも話す。「土浦の街なか、お祭り、花火大会など、まだ障害者にとって行きにくいと思う」。車椅子では、歩道の傾きや補修されないままのアスファルトの切れ目、店舗や施設の内外にある段差など、解消されていないバリアは各所にあるという。

また、障害者が外出の際に問題となるのがトイレだと指摘する。「トイレがないことで行きたいところに行けない障害者は多い。イベントで設置される仮設トイレに、車椅子で入れる広いものを作るというのは無理かもしれないが、普段から、障害者が入れるトイレがどこにあるかわかるよう、地図などで視覚化されているだけでも違うはず」だとし、「車椅子を使う高齢者もいる。バリアフリートイレは子連れの人にとってもいい。フラットな歩道は、足の悪い高齢者やベビーカーを押す人にとってもいいはず」だとし、「街の活性化という意味でも、障害者だけでなく、お年寄りや子育て世代など、誰もがより生きやすい街の形にすることができれば。これは、お願いというより、私たち当事者と一緒にやっていきましょうということだと思っている」。

今回の研修には、普段から障害者と関わる行政や企業、当事者の家族などをはじめ、高齢者介護に携わる人たちにも参加してもらいたいとし、「どんな街になる必要があるのか考え続けることが大切だと思う。この研修が、障害に関心を持つきっかけになれば」と高橋さんは呼び掛ける。(柴田大輔)

◆「障害ってなに?障害平等研修(DET)から学んでみよう!」は18日(木)午後1時から4時まで。県県南生涯学習センター6階中講座室2で開催。定員20人、参加費無料。事前予約制。申し込みは12日まで。問い合わせ、申し込みはイベントページへ。

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