月曜日, 6月 17, 2024
ホームつくば学校に必要な環境整備は【LGBT法、つくば市議アンケート】中

学校に必要な環境整備は【LGBT法、つくば市議アンケート】中

つくば市議26人へのLGBTに関するアンケート調査。後半は教育環境の整備について、各議員の考えを聞いた。

昨年6月に施行されたLGBT理解増進法では、学校は児童生徒に対し、性の多様性に関する理解を深めるため、啓発や相談体制の整備などに努めるものとされた。アンケート調査では「公立学校などで、性の多様性に関する啓発や相談、教育環境の整備をおこなうことは必要だと思いますか」と質問した。「必要、どちらかといえば必要、どちらかといえば必要でない、必要でない」のいずれかを選んでもらい、その理由と、必要だと思う場合は、その具体的な学校での取り組みの内容を、それぞれ50字程度で書いてもらった。

回答のあった16人のうち、15人が「必要」または「どちらかといえば必要」と回答した。具体的な取り組みについては多岐にわたったが、児童生徒・教員・保護者への「理解啓発」、当事者の児童生徒への「相談体制の整備」、性別に関係なく使えるトイレの設置などの「物理的環境の整備」、制服の選択制や、男女別名簿の廃止など「性別で分ける仕組みの変更」に大きく分けられる。

市学び推進課によると、現在、市内ほとんどの中学校・義務教育学校で、性自認に応じた制服を着用できるほか、必要な場合は多目的トイレや職員用トイレの使用を認めている。また、宿泊を伴う行事の際、部屋割りや入浴をどうするかは、児童生徒本人と話し合いながら決めているという。また、昨年度から4年間かけて、市内の学校の全教員に対しLGBTに関する研修を行うなど、悩みを抱える生徒が担任教員だけでなく、どんな教員にでも相談しやすい環境づくりを進めている。

各議員の回答は以下の通り(敬称略、議席番号順)。

小村政文 必要
(理由)家族になかなか打ち明けにくいことでもある。しかし、理解者や相談できる人がいないと、周囲を気にして本当の自分の素直な生き方を押し殺してしまう可能性があるため、教育現場で多少でも支えになる必要がある。
(具体策)性別に関係なく、様々な服装が選べるようにする。性別よりも、一人ひとりを個人として尊重した教育ができるように、教職員の負担を減らし、余裕をもって教育に励める環境整備。

川久保皆実 必要
(理由)性的少数者の児童生徒が安心して学校に通えるようにするため、及び性的少数者に対する差別の無い社会を実現するために学校教育は重要であるため。なお、LGBT 理解増進法においても努力義務として明記されている。
(具体策)性的少数者への理解増進に繋がる授業。教職員に対する研修。性的少数者に関する書籍、レインボーフラッグ、誰でもトイレの設置。制服の選択制または廃止。男女混合名簿。呼称を「さん」で統一。トイレや保健室などでの更衣、プールではラッシュガード(肌の保護)の着用、宿泊学習では個室の利用及び個室内シャワーの利用を認める。健康診断では他の児童生徒から見えないようパーテーションを設置する。学用品や掲示物の性別による色分けの廃止。各種書類の不要な性別欄の削除。

川村直子 必要
(理由)SOGI(性的指向や性自認)に起因するいじめ、その他の生きづらさが、不登校や、子どもの自殺にも繋がり、子どもの命に関わる大問題であるため。
(具体策)保護者にも打ち明けられない子が多いため、教職員のLGBTQへの理解は、子どもたちの命に直結する。そのため、教職員への研修が必要(現在進行中)。

中村重雄 どちらかといえば必要
(理由)LGBTは認知されつつあるが、まだ不十分な所もあると思うので、教育環境の整備も進めると良い。
(具体策)性別に関係なくスカートかスラックスを選べるようにする(つくばでも始まっている)。トイレ・更衣室の整備を進める。

あさのえくこ 必要
(理由)現在ほとんど保障された環境になく、苦しんでいる生徒が少なからずいると思われるから。
(具体策)いつでも相談できる体制の存在を児童生徒に周知する取り組み。当事者の希望を学校に表明できる機会の保障。保護者への啓発活動。

山中真弓 必要
(理由)子どもの時からの性の認識、性自認の教育は必要不可欠。相談窓口も各学校につくるべき。
(具体策)制服の選択制は、すでに市内で実施している中学校がある。ただし、セーラー服にはスラックスは合わず、履きにくいという意見がある。制服のデザインの見直しも必要。

小森谷さやか 必要
(理由)早い子では就学前から自らの性に強く違和感を持つことがあることから、なるべく早いうちに性の多様性について学ぶことが必要。
(具体策)授業で扱い、アウティングなど禁止事項も伝える。書類等の性別記入欄、男女別名簿をなくす。だれでもトイレ、更衣室を用意する。中学校で女子はスラックスを選べるが、男子がスカートを選べるようにはなっていないので、選べるようにする。

高野文男   どちらかといえば必要
(理由)多感な時期の小中高校生については、いつ頃から多様性に関しての啓発や相談を始めるべきなのかは個人差もあり繊細に対応すべきことだと考える。専門家からの意見等を参考にしていく。
(具体策)専門家からの意見等を参考にしていきます。

黒田健祐 どちらかといえば必要でない
(理由)つくば市では、教職員への啓発、また県からの通知を受け、各中学校において対応チームを作り個別対応している。まずは教職員が理解を深め、様々個別具体に慎重な対応が求められる。

皆川幸枝 必要
(理由)性自認が確立される小中高校生の段階で、当事者は自分のアイデンティティに深く悩む。その段階で、当事者も周りもLGBTQについて学び、理解を進めるべき。
(具体策)LGBTQについての授業。カウンセラーの配置。教員へ研修し、子ども達が相談しやすい体制作り。性別に関係なく使えるトイレを設置。制服の選択制。私服で通学可能にする。

五頭泰誠 どちらかといえば必要
(理由)上記質問と同じです(私のSNSにて、表記しています。ご一読ください)。         
(具体策)トイレなどは今まででよいかと。

木村清隆 必要
(理由)LGBTを理解しえある児童生徒の成長過程を創る事が大切。LGBTを思い込みや一部の報道・噂などで得た情報・知識で、児童生徒が成長し良し悪しを判断するのは問題が起きる。
(具体策)児童生徒に対して取り組む前に、教職員の研修と保護者への啓発が大切。LGBTに対して、教職員と保護者がバランスの良い判断基準を持たなければ、児童生徒に対する言動(良し悪しの判断)で問題が起きる。児童生徒に対しては、様々な先進事例等を参考に取り組めば良いかと考える。

浜中勝美 どちらかといえば必要
(理由)H27年の「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細やかな対応の実施等について」を確実に実施。
(具体策)PTA等での研修会や話し合いの機会を設ける。

橋本佳子 必要
(理由)固定観念を持たず、すべての人を認め受け止めるという視点を育てる事は子どもたちのその後の生き方につながっていくから。
(具体策)性別に関係なく使えるトイレ。男女分けする教育内容の見直し。

小野泰宏 必要
(理由)性の多様性に悩む児童生徒への不安や差別をなくし、有意義な学校生活を送れるようにするため。
(具体策)自認する性別の制服・衣服や、体操着の着用を認める等、従来のルールや扱いについて、「性の多様性」に基づく扱いに改める。

金子和雄 必要
(理由)一人ひとりの人権の尊重を守る取り組みの推進。つくば市の男女協働参画推進基本計画でも多く触れられているが、協働の対応で進めたい。
(具体策)学校教育を通じて今と将来を一人の人として生きていく教育として必要だから。

(川端舞)

続く

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

全国からトップ選手が参加 日本発祥 視覚障害者テニス大会

22、23日 つくば 洞峰公園体育館 日本発祥の視覚障害者テニス「ブラインドテニス」の国内大会「第22回関東ブライドテニス茨城オープン大会」(主催 日本ブラインドテニス連盟関東地域協会)が22、23日の2日間、つくば市の洞峰公園体育館で開催される。ブラインドテニスは1980年代に視覚障害者の競技として日本で誕生し、世界30カ国以上で楽しまれている。今大会には全国から日本のトップ選手らが集まる。 3次元のスポーツ 宙を飛ぶボールの音を頼りにラリーを打ち合い、ボールの落ち際へラケットを持つ手をいっぱいに伸ばして打ち返す。まるでボールを目で追っているかのような激しいプレーに観客はぐいぐい引き込まれる。主催団体で事務局長を務める佐々木孝浩さん(43)はブラインドテニスの魅力を「見えていない中で、空中に浮いたボールを打ち合う『3次元』のスポーツ」だと話す。佐々木さん自身、視覚障害の当事者として競技に打ち込んできた。 視覚障害者の球技はフロアバレーボールやサウンドテーブルテニスなど、床やテーブルといった平面を転がるボールを打ち合う2次元競技が多い。3次元競技のブラインドテニスは、バウンドしたり、回転したりする際にボールから聞こえる音を頼りに空中を行き交うボールを打ち合う。音が出る特殊なボールを使う。スポンジボールの中に入る金属球同士が、ボールの動きによって中でぶつかり音が出る仕組みだ。変化する音を頼りに選手はボールの位置を把握する。 「空中の音、バウンドした時の音で距離、位置、高さを推測する。回転も音で分かる。スライスをかけられると空中で音が消えることもある。打った時の音でいかにそこ(打点)に入れるか。平面に比べて難易度が高い一方で、他の競技では体験できない感覚を味わえる」と、佐々木さんは競技の醍醐味を話す。 試合は、視力や視野に応じて全盲の「B1」から弱視の「B3」まで3クラスに分かれて行われる。バドミントンと同サイズのコートには、テープで引かれたラインの下にタコ糸をはわせ、盛り上がる糸の感触を頼りに、選手は自分の位置を確認する。 80年代に誕生、世界へ 主催団体によると、ブラインドテニスの始まりは1980年代。埼玉、東京、神奈川の障害者スポーツ関係者と視覚障害の当事者が中心になり、視覚障害者もプレーできるテニスの開発が進められた。1990年、国立身体障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)で最初の全国大会が開催されたのが、競技としての始まりだ。2007年からは海外にも紹介され、現在までに5大陸30カ国以上に普及した。近年は国際協会が発足し、ヨーロッパを中心に毎年国際大会が開かれている。参加する日本選手は上位に食い込み、発祥国として世界をリードしている。 茨城大会の始まりは01年。当事者のメンバー有志と日本女子テニス連盟茨城支部の協力で始まった。当初はひたちなか市内の体育館を使用していたものの、11年の東日本大震災で会場が被災したのをきっかけに、同年からつくば市の洞峰公園体育館に移り、18年に牛久市で開催した以外は、洞峰公園での開催を続けている。20年、21年はコロナ禍で中止となった。 普及のきっかけに 現在、国内の競技人口は約300人。国内の代表組織である日本ブラインドテニス連盟では、全国各地で体験会を開いたり、国外へ赴いたりするなど競技の普及に努めている。同競技の地域組織で、今大会を主催する同連盟関東地域協会の杉本唯史副会長(46)は「大会を開く意義は、プレーヤーが競い合い、活躍の場を提供すること。同時に、プレーを色々な方に見ていただき、視覚障害の当事者に興味を持ってもらうこともある。『空中のボールを打つ』という迫力あるプレーを、当事者以外にも見てもらい、競技の魅力を伝えたい」と大会開催に込める思いを語る。同協会の新井彰会長(41)は「今大会には北海道から鹿児島まで、全国からトッププレーヤーが参加する。1試合目から高いレベルの選手同士のラリーが見られるはず。一人一人の独自のプレースタイルを築く選手たちの姿を見てもらいたい」と来場を呼び掛ける。(柴田大輔) ◆第22回関東ブラインドテニス茨城オープン大会は、6月22日(土)が午前11時から午後6時、23日(日)が午前8時半から午後4時まで、つくば市二の宮2-20 洞峰公園体育館で開催。入場無料。来場は事前申し込み必要。問い合わせは関東地域協会事務局(メール jimukyoku@kanto-bta.jpn.org)へ。

過去のいじめ問題 再調査を渋る土浦市《吾妻カガミ》185

【コラム・坂本栄】土浦の市立中学校で起きた「いじめ問題」を本コラムで最後に取り上げてから8カ月がたちました。169「懸案に苦慮する市議会…」(2023年10月17日掲載)では、議会の文教厚生委員会が調査に乗り出すことを伝え、車いす中学生へのいじめの実態が解明されると期待していましたが、不発に終わったようです。 市民に冷たい市長回答 この問題が本サイトにアップされたのは9カ月前のことです。記事「いじめをなぜ止められなかったのか 保護者が再調査求める…」(23年9月3日掲載)では、息子さんが市立中在学中(2019年4月~2022年3月)に受けたいじめの実態が詳しく報じられています。 息子さんは市外の私立高に進み、今は中学時代のいじめからは開放されています。それにもかかわらず、保護者は、当時の実態を解明して再発防止の教訓にすべきだと考え、市教育委員会に再調査を求めました。しかし、市長の回答(22年6月15日付)は「… 既に、教育委員会からメール、電話、対面などで、ご回答およびご説明をさせていただいておりますので、改めて回答する事項はありません」と、門前払いでした。 そこで保護者は、教育行政をチェックする市議会の文教厚生委に、「うちの息子が(3年間も)経験したようなことが2度と起こらないよう、議会が市教育委をきちんと指導するよう要望する」文書(2023年10月2日付)を送り、議会の調査を求めました。 中途半端な議会の調査 保護者によると、この要望への回答(2024年3月28日付)が議会から届きました。その結論は、「…教育委員会の担当者の〇〇様に対する対応については十分なものと認められました。最終的に市が顧問弁護士の意見を仰いだ上で〇〇様への対応を終了した判断についても支持するものであります」と、再調査は不要とする市長の判断を是認しています。 私は、168「…いじめ回答拒否、個人情報保護が盾」(23年10月2日掲載)で、いじめに関わった生徒、対応した先生たちのプライバシー保護を理由に、再調査を渋る教育委や議会の姿勢に疑問を持ち、「…プライバシー保護を心配するのであれば、文教厚生委を非公開の秘密会にし、固有名詞をA、B、C、D…にすればよい」と提案しました。 ところが、文教厚生委は、保護者と息子さん、いじめに関わった生徒、問題に対処した先生たちを調査の場に呼ばず、「教育委員会およびこども未来部の担当者から当時の手続きの妥当性を中心に聞き取り調査を行った」だけだったそうです。話を聞いたのは、対応に問題はなかったと言い張る市の職員のみということですから、これでは調査の体を成しません。 議会は行政をチェックする議会としての仕事を怠り、教育行政を担当する職員に言いくるめられたようです。 市民<役所ファースト? 以上の流れから明らかになったのは、市はいじめ問題から逃げ回り、教育委の対応にミスはなかったと言い続けていることです。市民ファースト(第一)であるべき市政が役所ファースト(大事)になっているようです。市民からの疑問や苦情をかわすために弁護士を雇い、そのアドバイス=市の対応に問題なし=に頼るという守勢にも笑えます。 市の再調査見送り、議会の執行部追認もあり、息子さんのいじめ問題から教訓を引き出そうとする保護者の試みは頓挫しています。でも、調査を求めるプロセスで、市長、教育委、議会はあまり当てにならないという別の教訓を得ることはできました。(経済ジャーナリスト)

小貝川に架橋しアグリロード延伸を つくば・常総まちづくりの会が総決起大会

つくば市と常総市の境を流れる小貝川に架橋して、つくば下総広域農道(通称アグリロード)を直線的に延伸することを求める総決起大会が16日、常総市新石下の地域交流センターで開かれた。10万人を目標に署名を集め、道路を管理する両市長に延伸を求める陳情書を提出する方針を決めた。 アグリロード近くのつくば市上郷や常総市新石下地区など両市住民13人が発起人となって昨年11月「小貝川流域つくば市・常総市まちづくりの会」(皆葉治郎、篠崎孝之共同代表)を設立し、総決起大会開催を呼び掛けた。 陳情書は、圏央道が2017年に開通し常総インターチェンジ(IC)周辺の交通量が増える中、小貝川の長峰橋からつくば市の豊里中学校方面に向かう、アグリロード北側の県道土浦境線などが激しい渋滞となり、地域住民の通勤・通学に大変な障害となっているほか、災害時の避難経路確保など防災対策としても直線的な延伸が求められるなどとしている。 アグリロードは坂東市借宿とつくば市の市街地などを結ぶ。県が整備し2020年に全線開通した。事業終了後の道路管理は地元市に移され、現在、つくば市や常総市などがそれぞれ管理している。一方、つくば市上郷と常総IC近くの常総市収納谷(すのうや)間は直線的につながらず南に迂回し、小貝川の新福雷橋を通るルートになっている。 同まちづくりの会は、両地区で南に迂回するのではなく、小貝川と、常総市の八間堀川に二つの橋を架けて、上郷と収納谷間約2.6キロを直線的に延伸し両市を結ぶよう要望している。 一方、同会関係者によると、2.6キロを延伸するための事業費は二つの橋を架けるため総額200億円以上かかるとみられ、両市だけでなく国や県の補助金なども要請していくことが必要になるという。 16日の総決起大会には、現在アグリロードを管理する五十嵐立青つくば市長、神達岳志常総市長のほか、永岡桂子、青山大人衆院議員、堂込麻紀子参院議員と、つくば市区と常総市・八千代町区選出の県議全員、両市の市議らが来賓として顔をそろえた。 まちづくりの会発起人で常総市の篠崎共同代表は「つくば市の上郷市街地活性化協議会と出会い、アグリロードがつくば市でも常総市でも(迂回ルートの)T字路になって止まっているという話になった。この区間がT字路なのは不自然。自然災害が頻繁に起こる中(水害時などは)避難先のつくば市に橋を渡らないと行くことができない。生活道路としても橋はなくてはならないもの。皆と一緒に架橋の実現に頑張っていきたい」と話し、つくば市の皆葉共同代表は「土浦境線の渋滞がどうにもならない。豊里中の先生方は毎日、自転車通学の生徒を誘導している。つくば市には間もなく(2027年完成予定の)陸上競技場ができ、両市発展する。陳情書10万人署名という目標を達成して、住民の力を国、県、行政にアピールしたい」などと話した。 永岡衆院議員は「(アグリロードは)農水省が事業費を出し、県が整備し、現在は両市に移管されている。国に『補助してね』というところまでもっていきたい」などと述べた。 今後のスケジュールについては、年内に署名を集め、年末か年明けに両市長に陳情書を提出する計画だという。

花と自転車とカフェ りんりんロード沿いに15日オープン 土浦

「駅」の役割を復活させたい 筑波山や霞ケ浦を結ぶ自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」沿いの土浦市坂田に15日、カフェ「ビュルブ(blube)」がオープンした。園芸店を営む坂田園芸(同市上坂田、完賀裕子社長)が地域の拠点として、サイクルショップと併設して開店した。 1987年に廃線になった筑波鉄道筑波線の旧坂田駅近くに立地する。同園芸会長の完賀ししが浩光さん(64)は、土浦市と合併前の旧新治村長を2003年から07年まで務めた最後の村長だ。同店について「地域の拠点としての役割を果たしながら、人、物、情報が行き交った『駅』の役割を復活させたいという思いがある」と話す。 昨年11月、同所にある本業のガーデニングショップ「グリーンゲート」をリニューアルした。約3000平方メートルの広さがある。今年4月には自転車道を利用するサイクリストらが自転車の点検や修理をする「サイクルステーションサカタ」を同所に増築し、オープンした。今回、かつての店舗部分をカフェに改装し、園芸店と自転車店、カフェの3つの事業を実施する。50台分の駐車場も造った。 カフェは地元の野菜や果物などを使った地産地消の食材で。ドリンク、デザート、スコーンなどを提供する。コーヒーはつくば市古来にあった珈琲倶楽部なかやま(2023年3月閉店)の元店員らがいれる本格派だ。ジャガイモの冷製スープが絶品だという。坂田園芸はグラジオラスの球根を全国販売しており、店名の「ビュルブ」は球根という意味。 ガーデニングショップは、自社で育てた花や観葉植物を展示販売するほか、花の種子や球根、緑化樹木の生産・販売を行っている。店内は花や植物群で覆われ、文字通りグリーンゲートとなっている。 サイクルステーションは、自転車のレンタル、メンテナンス、ビンテージバイクの販売もあり、シャワー室などが完備されている。車で訪れて、同店からりんりんロードにサイクリングに出掛けることもできる。 完賀会長は「人の役に立てればという思いでサイクル店とカフェをつくった。カフェはどなたにも利用いただける楽しめる場所にした。『森をつくりたい』という会社の思いを体現したので、雰囲気を味わってほしい」と語る。(榎田智司) ◆カフェ「blube」は土浦市上坂田610 坂田園芸グリーンゲート内。営業時間は午前10時~午後5時。定休日は火曜と水曜。電話029-893-3177。