木曜日, 11月 5, 2026
ホームつくば著名人の生き様垣間見える180枚 つくばの古書店で「年賀状展」

著名人の生き様垣間見える180枚 つくばの古書店で「年賀状展」

新年を前に、つくば市吾妻の古書店ブックセンター・キャンパス(岡田富朗店主)店内のショーケースで「年賀状展」が開催され、主に明治、大正、昭和に活躍した著名な詩人、作家、画家、政治家などの年賀状180枚が展示されている。

「赤堂鈴之助」で知られる漫画家、武内つなよし(1922-1987)は、愛嬌(あいきょう)のあるイラストを添えてある。牛久沼のほとりに居住し「橋のない川」で知られる小説家、住井すゑ(1902-1997)は、年賀状の名前が住井すゑ子となっている。日本で初めて長編SF小説を書いた今日泊亜蘭(きょうどまり・あらん、1910-2008)は干支のネズミの絵と独特の文体で書いている。

年賀状が展示されている店内ショーケース

ほかに小説家の志賀直哉や田辺聖子、詩人の石垣りん、芸術家岡本太郎の父親で漫画家の岡本一平、落語家の3代目桂米朝、政治家の福田赳夫などの年賀状が展示されている。

店主の岡田さん(87)が古書の市場などで収集したもので、「筆体、文体などから、その人の生き様が垣間見える」という。

同店では店内での企画展を2019年に開始、今回で18回目の開催となる。前回17回目の「蔵書票展」には県内のほか神奈川県などからも愛好家が訪れている。

店主の岡田富朗さん

岡田さんは18歳の1954年に東京都北区赤羽で古書店を開業、つくば科学万博開催1年前の1984年につくば市天久保の天久保ショッピングセンターに移った。その後同ショッピングセンターには計5店が軒を並べ、古書店街としてにぎわった。しかし30年以上続いた岡田さんの店が閉店、2018年に最後の1店が閉店して古書店街はつくばから姿を消した。岡田さんをよく知る古書店ファンの要望もあり、2003年に同吾妻に移転し再開。現在は娘と2人で営業し、広さ約160平方メートルの店内に江戸時代や明治、大正、昭和の郷土史や軍事本など数万冊の古書を販売している。

岡田さんは70年近く古書店業界に関わってきたが「今は本が一番売れない時代。良い本を100円にしても売れ残る。つくばは学者肌の人が多いので専門書も扱うが、改訂版が出ると元の本の価値が激減し経営はなかなか難しい」とも言う。

次の企画展については「新聞の創刊号のコピーを多数持っているので(日本新聞協会が制定した)『新聞を読む日』にあたる4月6日に開催できれば良いかなと考えている」と話す。(榎田智司)

◆同店はつくば市吾妻3-10-2、「年賀状展」は2024年1月31日まで開催、入場無料。年内の30日(土)と31日(日)は午前9時~午後5時まで営業。同店は不定休だが急に変更になることもあるので、ご来店の際は電話029-851-8100に連絡を。同店のホームページはこちら。

➡ブックセンター・キャンパスの過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最新記事

土浦市消防職員 窃盗容疑で逮捕

土浦市は4日、同市消防職員が同日、窃盗の疑いで水戸警察署に逮捕されたと発表した。逮捕されたのは、市消防本部土浦消防署に勤務する同市木田余東台、芳賀丈絋容疑者(26)。今年8月3日午前9時ごろから翌4日午前8時ごろまでの間、茨城町長岡、県立消防学校の寮内で、同じ寮に入っていた水戸市に住む消防士(23)など4人の財布の中から、現金計9000円を盗んだ疑い。 同消防本部消防総務課によると芳賀容疑者は、2025年10月に採用され、土浦消防署に勤務。今年4月から9月まで半年間、新人消防士の研修のため、他市町村から参加した新人消防士と一緒に寮で生活しながら消防活動について訓練などを受けていた。県立消防学校での研修終了後は、土浦消防署に戻り、4日朝まで勤務していたという。動機などは分からないとしている。 比気武行消防長は「消防職員の窃盗容疑での逮捕は心痛の思い。今後の警察の捜査に全面的に協力して参ります」とするコメントを発表した。

データセンターを議論しよう 14日 歌川学さん講演

NEWSつくば主催 「データセンターを議論しよう」をテーマに、NEWSつくばは計3回の連続講演会を開催します。第1回は14日(土)午後6時から、つくば市役所コミュニティ棟で、温暖化対策を研究する歌川学さんが「データセンターの地域影響」と題して講演し、その後、意見交換会を開きます。 つくば市大穂の元公有地にグッドマンジャパンが計画している国内最大級のデータセンターに対し、歌川さんは今年4月、排熱や水利用、騒音・振動などの環境影響可能性を指摘しました。(5月19日付、5月20日付) 歌川さんの講演会はこれまで、データセンター建設予定地近隣の大穂交流センターで計3回開かれてきましたが、歌川さんの話を直接聞きたいという声がNEWSつくばに寄せられていることから、連続講演会第1回の講師に歌川さんを迎えます。 歌川さんの指摘以降、つくば市や事業者はそれぞれ、データセンターのメリットや環境影響などについて情報発信を始めました。ただし排熱、水利用、騒音・振動など環境影響について具体的な数値予測はまだ示されておらず、市民からは依然として不安の声が出ています。14日の講演会では、これまでの市議会一般質問の答弁を中心に、現在までに明らかになった課題も踏まえてデータセンターの問題を考えます。 市民が議論する場をつくります 周辺住民団体「データセンターから市民を守る会」はこれまで、事業者のほか、市に対し住民説明会の開催を求めてきました。しかし市が10月に策定したデータセンター建設ガイドラインは、敷地境界から100メートルより外側の市民に対しては、集会型の住民説明会ではなく、展示パネルや資料を見て回るオープンハウス型説明会を開催するとし、グッドマンジャパンは、市のガイドラインに沿って、オープンハウス型の情報・相談ブースを11月から12月に開設すると市に回答しました。(8月31日付、9月29日付、10月6日付、10月23日付、10月29日付) 集会型の住民説明会は、参加した市民がそれぞれの意見を表明したり、ほかの人の意見を聞くなど、議論して合意形成を図る、民主主義を維持・発展するための重要な場でもあります。市や事業者が一般市民向けの住民説明会を開催しないと表明しているなら、地域メディアであるNEWSつくばが、その場をつくり、報道します。 地域メディアの新たな方向性を模索する動きの一つに「エンゲージド・ジャーナリズム」という取り組みがあり、米国などですでに実践されています。市民とメディアが地域の現実やニーズ、課題について対話しながら、新たな信頼とつながりを育んでいこうという試みです。NEWSつくばは、連続講演会「データセンターを議論しよう」をエンゲージド・ジャーナリズムの実践の場と位置づけ、市民の声を聞き、市民と共に、地域の具体的な課題を可視化し、報道していきます。 連続講演会は11月から月1回程度、計3回を予定しています。 連続講演会「データセンターを議論しよう」第1回歌川学さん講演会日 時 11月14日(土)午後6時~9時 講演(70分)&意見交換会(90分)会 場 つくば市役所コミュニティ棟1階参加費 300円(資料代)定 員 120人(事前予約必要)主 催 NEWSつくば参加申し込みは、グーグルフォームへ。先着順問い合わせ NEWSつくばのメール(info@newstsukuba.jp)へ。

土浦の花火2026 今年の見どころ《見上げてごらん》特別編

第95回土浦全国花火競技大会が7日午後5時30分から、土浦市の桜川畔(学園大橋付近)で催され、スターマイン、10号玉、創造花火の3部門で競技が行われる。今年の大会の見どころを、コラムニストで花火鑑賞士の小泉裕司さんが特別寄稿してくれた。 参加業者数 過去最多 【コラムニスト・小泉裕司】毎回、花火大会のプログラムを開いて、最初にチェックするのは「業者名/県名」の欄だ。今回は20都県から59業者が参加し、業者数は過去最多になる。国内の花火競技大会では一番多く、森上煙火工業所(岡山県)が新規参加。同社は一昨年から参加意向を示していたが、今回、実現した。 10号玉:45発 「10号玉の部」は直径30センチ、いわゆる尺玉1発で競う部門だ。この部門のトピックは、6重の同心円を描く「五重芯」の作品が、昨年の8業者から10業者に増えたこと。過去7大会の優勝作品は、すべて五重芯だった。 鑑賞者には、究極の造形美ともいわれる五重芯花火の色の組み合わせに着目してほしい。また、彩り豊かな点滅系や、不思議な動きの変化を見せる「自由玉」作品にも注目してほしい。 創造花火:22組 「創造花火の部」は、直径15センチの5号玉を7発打ち上げ、独創的なアイデアや新しい技術を競う部門だ。この部門はここ数年、創造性豊かな作品が増えている。 前回優勝した北日本花火興業(秋田県)は、茨城県の名産品「しらす」をテーマに、創造花火と10号玉の両部門にダブルエントリーしている。異なる種目に同じテーマでエントリーするケースは、大曲では増えているが、土浦では珍しい。県民の食生活をリサーチした作品は、観客の心をつかみそうだ。 今年の大曲大会で10号自由玉作品「8月の月暦」を披露し、ほかの花火師や観客を驚かせた芳賀火工(宮城県)の「彩食回転寿司」も楽しみだ。 スターマイン:22台 「スターマインの部」では、2.5号玉から4号玉まで400発以内で競い、すべての作品に音楽が付く。ただし、4号玉は200発以内に限られる。100分の1秒単位で、花火と音楽がシンクロする様子が見どころだ。 250発以内の大曲大会の創造花火はしっとりとした作品が主流だが、土浦大会も同様の傾向にある。そうした中、「ultra soul~魂の叫びから」(和火屋)は、かつての豪華絢爛(けんらん)な土浦花火の復活を目指す作品だ。「一緒に歌おう♪ドレミのうた」(芳賀火工)は、400発にアレンジし、2年前の大曲で高い評価を得られなかった雪辱を期す。 7分間の土浦花火づくし 前半の最後を彩るのが、大会主催者提供のワイドスターマイン。打ち上げ幅約400メートル、打ち上げ箇所9カ所、打ち上げ玉数2400発。約7分間のプログラムを前半と後半に分け、県内の煙火業者6社がそれぞれの特色を生かした4号、5号、8号玉で夜空に大パノラマを描く。構成を担当するのは、下妻市に工場を構える丸玉屋小勝煙火店だ。 大曲観光物産会も開催 花火競技とは別に、新たな企画も登場する。土浦と大曲が内閣総理大臣賞を通じて育んできた友情物語については「コラム55」で触れたが、今回は、この交流を経済や文化の分野にも広げる。全国花火競技大会を主催する大曲商工会議所が主体となり、大会オフィシャルショップ(土浦市生田町8-13、若山金物店駐車場)のそばで「大曲・観光物産販売会」を開催する。(元土浦市副市長) <ネットでも花火生中継>大会公式YouTubeライブ配信

筑波大学附属図書館 特別展を訪ねて《ふるほんや見聞記》22

【コラム・岡田富朗】筑波大学附属図書館の貴重書展示室では、11月20日まで、特別展「戦いのものがたり―語りと記録がつくるイメージ」が開催されています。 絵巻、軍記物語、合戦図 本展では、同館所蔵の絵巻や軍記物語、合戦図など計36点の古典籍を通して、人々が戦いをどのように語り、描き、後世へと伝えてきたのかをたどります。世界各地で戦争や紛争が続く今だからこそ、過去の戦いの歴史に触れ、その記憶や伝承のあり方について改めて考えることができる貴重な機会となっています。 筑波大の歴史は、1872(明治5)年、東京・湯島聖堂内に日本初の教員養成機関として発足した師範学校にさかのぼります。大学の歴史とともに附属図書館に受け継がれてきた資料は、2026年3月時点で、貴重書は1万2407冊、和装古書は約17万8000冊にのぼります。 特別展は1995(平成7)年に始まり、今年で35回目を迎えます。約1年に一度、秋の学園祭の時期に合わせて開催されてきました。普段はなかなか目にすることのできない古典籍資料を、学生や研究者だけでなく、一般の方も無料で鑑賞することができます。 本展では、「蒙古襲来絵巻」をはじめ、古代・中世の戦いや事件を描いた絵巻の模本や軍記物語などが一堂に公開されています。なかでも、国宝「伴大納言絵巻」(出光美術館所蔵)の写本と考えられる筑波大学本「伴善男物語」は、虫喰いや破損が激しく、長らく公開が難しかった資料です。2024年から約2年をかけて修復され、今回、初めて公開されました。 貴重書などをデジタル化 同館では、貴重書や和装古書のデジタル公開も進められており、インターネットを通じて資料を閲覧することができます。 デジタル公開は資料の保存と活用を両立するうえでも大きな意義があり、世界的にも図書館が所蔵資料をデジタル化し、より多くの人が利用できるようにする動きが広がっています。一方で、貴重な資料を実際に間近で鑑賞することの意義も、高まっているように感じます。本展の展示資料はすべて実物で、紙の質感や色彩、筆跡など、デジタル画像だけでは伝わりにくい魅力に触れることができます。 10月28日には、芸術系准教授 水野裕史さんによる「古典を描き、写し、学ぶ―江戸時代後期の絵巻受容」、人文社会系助教 菊池そのみさんによる「『伴善男物語』修復後初公開によせて―物語と記録」、図書館情報メディア系教授 白井哲哉さんによる「戦を物語る絵図―布陣図・合戦図」の特別講演会も開催されました。 貴重書展示室では、特別展の開催期間以外は常設展示が行われています。「古典籍のインターフェース」をテーマに、本のかたちや構成、写本・製版本・活字本についてなど、同館所蔵の資料を通して紹介しています。また、常設展・特別展ともに展示図録が制作されており、研究者からも高い評価を得ています。(ブックセンター・キャンパス店主)