日曜日, 8月 23, 2026
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新しいまちでテーマ型コミュニティーをつなぐ《けんがくひろば》1

島田由美子さん

【コラム・島田由美子】10月最終日曜日の夕暮れ時、子供たちが作ったパンプキンランタンがほのかに輝く下、仮装コンテストのグランプリが発表された。ピザに扮(ふん)した少女がディズニーペアチケットを満面の笑みで受け取り、TX研究学園駅周辺地区(私たちは「けんがく地区」と言っている)の活動団体が連携して実施した「けんがくハロウィン2023」が終了した。

地縁的コミュニティーの代わりの存在

けんがく地区はTX開通後18年で人口が2万人以上となった。その間、つくば市新庁舎の開庁、義務教育学校・小中学校の開校、多くの商業施設の開業などを経て、まちとして順調に成長している。しかし急激なまちの発展には課題も多い。

市内TX沿線では、居住年数5年未満の住民が全体の3分の1以上を占め、働き盛り世代が多いこともあって、地縁型コミュニティーである区会の加入率は38%と低く、人口20万~30万人都市の平均65%(2021年総務省調査)の半分程度である。

地縁的コミュニティーの代わりとなる存在として、テーマ型コミュニティーがあり、けんがく地区では駅前花壇づくり、シニアサロン、子供の遊び場づくり、ごみ拾い、ウォーキング、桜の植樹・維持を行う団体などが誕生し、活動を行っている。地縁的なつながりが希薄なけんがく地区で、地域の課題を解決していくには、これらテーマ型団体やそのメンバーが連携し、地域の当事者となって地域全体を考えた活動をすることが求められている。

2回目の「けんがくハロウィン」

けんがく地区で活動する団体の多くは歴史が浅い上、団体同士のつながりがほとんど見られず、多様で多世代に及ぶ交流が少なかったが、この数年、団体間の連携・交流を育む動きが活発になってきている。ワークショップや交流会などを経て、連携づくりのツールとしての「けんがくさくらまつり」「けんがくハロウィン」が開催され、その試みは第1回つくばSDGs大賞を受賞した。

第2回となった今年のハロウィンでは5つの企画が実施された。子供たちや親子連れに商店を訪れてもらい地域にどのような店があるかを知ってもらうトリックオアトリート、交通安全クイズラリーやパンプキン色のゴミ袋を使ったごみ拾いやクラフト、そして商店や企業から賞品を提供してもらった仮装コンテストである。

その運営の特徴は、活動団体や商店、企業、公的機関など多様な主体の連携と、活動団体の負担の極小化である。団体のリソース(人材、知識、情報、ノウハウ、人的つながり、物品など)を共有・活用して、負担を軽くした。例えば、ごみ拾い団体がごみ拾いやごみ袋クラフトを担当したり、交通安全母の会が警備を行ったりするなど、各団体が普段行っていること、得意としていることを生かすようにした。

多様な団体が強みを生かし連携

当日は天候にも恵まれ、1000人を超す来場者があり、参加者も実施者も協力店舗も楽しめるイベントとなった。「けんがくハロウィン」の実施を通じて、各団体の実態や得意不得意を互いに認識し、顔なじみの関係を構築して、緩い組織化を達成することができた。

新しくできたまちでは地縁型コミュニティーが醸成されるまで時間が必要とされるが、それまでのつなぎとしてテーマ型コミュニティーが連携することで代替できるのではないかと考えられる。多様な団体が連携し、それぞれの強み・得意を生かすことで各々が成長し、それがまちの成長につながっていくと確信している。

この欄「けんがくひろば」では、けんがく地区で活動する団体や連携して開催するイベントを紹介していく。(けんがくまちづくり実行委員会代表)

【しまだ・ゆみこ】けんがくまちづくり実行委員会代表、研究学園グリーンネックレス タウンの会代表。本業は海外映画・ドラマの字幕翻訳。TX研究学園駅地区に移り住んだことをきっかけに、まちづくりに興味を持つ。まちづくり活動を行いながら、現在、筑波大学大学院システム情報系非常勤研究員として、都市計画の研究に携わっている。

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ご当地電子マネー「土浦パトレイバーWAON」発行 イオン

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恐竜の島、どこよりも高い島… 夏休みの小学生 粘土で巨大な島づくりに挑戦

つくばで夏休み造形教室 夏休み中の小学生が、計600キロの粘土を使って、長さ5メートルの巨大な海に浮かぶ島づくりに挑戦する「夏休み造形教室」が21日、つくば市二の宮のギャラリー、スタジオ’Sで開かれた。子供たちは、彫刻家の川島史也 筑波大助教(36)と、同大で芸術を学ぶ大学生らにアドバイスを受けながら、恐竜の島、どこよりも高い島など、オリジナルの島を作り上げた。 同ギャラリーを運営する関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)と筑波大学との連携による芸術活動「スタジオ’S with T」による取り組みで、昨年は、粘土で巨大な塔をつくった。今年は午前と午後の2部制で、午前は18人、午後は16人、計34人の小学生が市内外から参加した。 川島助教が「昨年は塔、今年は島、どちらもトウと読めますね」と前置きし、「海に浮かぶ島を自由な発想で作ってもらいたい。土台が大事で確認しながら進めてください」と呼び掛けると、参加者は2班に分かれ作り始めた。 粘土はひと固まりが4キロ近くあり、小さな子供たちは重そうに運んでいた。子供たちはリゾート地、神社、恐竜の島、高い塔、高い山などを、パートごとに加工し、大学生のサポートを受け熱心に作業を進め、長さ5メートルの島が二つ、徐々に出来上がった。 市内から参加した小学4年の大曽根彩乃さん(10)は、高い山を作った。高くなるにつれ粘土が崩れてしまうことがあったが、大学生が土台を補強して完成した。大曽根さんは「誰よりも高くしたいのでどんどん積み上げていった。図工の授業は好きなので、将来はお姉さんたちのいる大学に行けたらいい」と話した。 小学6年の子供と来場したつくば市在住の高柳憲二さんは「みんなが楽しそうにやっているのがとても良い。子供の想像力は素晴らしいものがあって、それがよく表現されている」と語った。 子供たちの作業を手伝った同大大学院1年の田村将吾さん(23)は「普段は彫刻を作っている。子供と一緒に作業をするとこちらも楽しくなる。子供たちの自由な発想に驚かされる。今日の活動は自分の制作の参考になるのではないか」と話した。 川島助教は「創作の場面で細かいところに目がいってしまうことがある。土台や基礎が大事だということをわかってもらえると良い。途中で作業を止めて、確認する作業も必要だ。作品自体のリズムをとらえてほしい」などと語った。 完成後、全員で作品と共に記念写真を撮影。出来上がった巨大な島は最終的に壊し、元の粘土箱に収納した。(榎田智司)

筑波山から霞ケ浦へつながる「水と緑の骨格」《宍塚の里山》139

【コラム・森本信生】宍塚の里山(土浦市)を守る意義は、宍塚を一つの孤立した自然地域として捉えるだけでは、不十分だ。筑波山―宍塚、そして霞ケ浦へとつながる「水と緑のネットワーク」に位置づけてこそ、その価値が明確になる。 宍塚の里山は、森林、谷津田、畑、草原、ため池、水路など、さまざまな環境が組み合わされた多様な生物が生息する生態系である。例えばサシバのような猛禽(もうきん)は、営巣する森林だけではなく、餌となるカエルや昆虫が生息する水田や草地が必要だ。宍塚の生物多様性は、こうした異なる環境のつながりによって支えられている。 さらに宍塚は、筑波山系の森林、土浦・つくば地域の農地、霞ケ浦をつなぐ「水と緑の骨格」の重要な一部である。道路や宅地などによって分断され、孤立すれば、生き物の移動や遺伝的交流が妨げられる。宍塚を守ることは、地域全体の生態系ネットワークを維持することになる。 水のつながりも重要だ。宍塚に降った雨は、森林や土壌に浸透し、谷津、ため池、水田、水路などを経て霞ケ浦につながっていく。宍塚だけで霞ケ浦の水環境が決まるわけではないが、流域の森林、湿地、水田、ため池などを健全に保つ必要がある。里山は雨水を一時的に蓄え、ゆっくりと流す「グリーンインフラ」として、水循環や洪水緩和にも貢献している。 また、里山では自然と農業が一体となっている。森林から供給される水、ため池や水路が農業を支える一方、農業によって維持される水田や草地が、多くの生物の生息場所となっている。自然が農業を支え、農業が里山の自然を支えるという相互関係が存在する。 「自然遺産」「文化的景観」 宍塚の価値は自然だけにとどまらない。上高津貝塚や宍塚古墳群などが示すように、人々が自然と関わりながら暮らしてきた長い歴史がある。自然、農業、歴史、文化を一体として捉えれば、宍塚は「自然遺産」であると同時に、人と自然との関わりが刻まれた「文化的景観」でもある。 さらに、宍塚は生物、水、農業、歴史、人々の暮らしを総合的に学べる教育・研究の場であり、自然観察や農業体験、保全活動を通して、農家、住民、NPO、学校、研究者、行政などを結びつける地域コミュニティの場でもある。 したがって、宍塚を「土浦市に残された一つの里山」とだけ捉えるのは、その価値を小さく捉えすぎている。宍塚は、筑波山からつくば・土浦を経て霞ケ浦へとつながる水と緑のネットワークの中で、生物多様性、水循環、農業、歴史文化、教育、地域社会を結びつける重要な結節点となっている。 宍塚を守ることは、宍塚という一地点を守ることではない。筑波山から霞ケ浦へとつながる地域の「水と緑の骨格」を堅持し、人と自然が共生する流域の基盤を次世代に引き継ぐことである。その意味で、宍塚の里山の保全は、土浦・つくばの自然を守るだけでなく、霞ヶ浦流域全体の持続可能性を支える取り組みといえよう。(宍塚の自然と歴史の会 理事長)