つくば市議会12月定例会最終日の22日、市が県から無償譲渡を受ける方針の洞峰公園(つくば市二の宮、約20ヘクタール)について条例改正案と補正予算案の採決が行われ、いずれも17対8の賛成多数で可決した。県議会でも同日、洞峰公園を県の公園から削除する条例改正案が可決され、来年2月1日を目標に同公園は県から市に移管される。
一方、園内にある体育館やプール、新都市記念館の大規模改修費や長寿命化費用など、移管により市が新たに負担することになる費用がいくらになるのかは示されず、くすぶったままとなった。
採決にあたっては、飯岡宏之市議(自民党政清クラブ)と山中真弓市議(共産)から反対討論があった。飯岡市議は、市の新たな費用負担について「(体育館・プール、新都市記念館などの)施設の更新費が資材費高騰により(県が2016年に健全度調査で算定した来年度以降の更新費である)34億円の1.5倍の50億円かかる」とし、「(築80年まで)80年間使用するため(維持管理費、補修費なども合わせて)あと37年間で、計約120億円の新たな費用負担が市にかかる」などと指摘した。山中市議は「時期尚早」だとし、五十嵐立青市長のこの間の対応について「知事と一度も正式な話し合いをせず、後手後手の対応となった」などと述べた。
一方、浜中勝美市議(公明)と皆川幸枝市議(市民ネット)から賛成討論があり、浜中市議は「(市が移管を受けることは)すばらしい公園環境を守る」とした。皆川市議は「(条例改正案と補正予算案に)反対の議員もグランピングに反対だということは分かったが、グランピングを止めるためには市が管理運営するしかなかった。(市と県は)市長だけでなく担当者間で協議している」などと反論し、採決の結果、賛成多数で可決となった。
五十嵐市長は議会閉会後、記者団の質問に答え「いろいろな場面で知事と話し、担当者同士でかなり時間をかけて県と協議してきた」とし、無償譲渡を受けた後の公園の維持管理方法については「協議会を設置して、いい形になるよう努力していきたい」と繰り返した。費用負担についても「利用料をどうするのか、収入を増やしていくのか、支出を減らしていくかも含めて協議会で議論したい」とした。(鈴木宏子)