筑波山山頂から夜景や冬の星空を眺める筑波山ロープウエーの夜間運行に合わせて、同山頂で2日から「筑波山冬のロープウエー&星空ストーリーナイト」と題したイベントが始まった。JRと県、市町村、観光事業者らが一体になって10月1日から12月末まで取り組んでいる茨城デスティネーションキャンペーン(DC)の特別企画の一つ。
標高877メートルの山頂からは、東京まで関東平野の夜景を一望でき、2018年には日本夜景遺産(日本夜景遺産事務局認定)にも認定された。中腹のつつじケ丘から女体山山頂まで標高差302メートルを結ぶロープウエー(全長1296メートル)を運行する筑波観光鉄道(つくば市筑波・枝村 誠社長)は、空気が澄んだ冬場を中心に10月1日から翌年2月25日までの土日祝日、「サンセット&スターダストクルージング」と題し、午後4時40分から8時までロープウエーを夜間運行している。
運行中、ゴンドラ内の照明は消され、東に鹿島臨海工業地帯、西に栃木県、南に東京、埼玉、千葉の夜景の大パノラマを見ることができる。夜間運行開始直後の午後4時40分、つつじケ丘駅発のロープウエーに乗れば、見事な夕焼けが見られ、東京スカイツリー、東京タワーなど都内のビル群や、ライトアップした牛久大仏などが肉眼で確認でき、冬の星空も堪能できる。
2日から始まったイベントは、山頂近くの標高約840メートルの女体山駅にあるカフェ「café ciero blu(カフェ シエロ ブルー)」で今月24日まで開催する。若手声優が冬の星座にまつわる物語を朗読する「星座ストリーナイト」、夜景を見ながら語らう「天空のバーカウンター」、こたつに入りながら食事もできる「冬のこたつリザーブ」などが用意される。
イベント開催に先立って30日、筑波観光鉄道の枝村社長、県、つくば市関係者、つくば観光大使の仲条佑佳さん、友部穂乃歌さんらが参加してメディア向け内覧会が同カフェで催され、声優5人が「星座ストーリーナイト」で会話劇を披露。ギリシャ神話を元にした星座の物語をリレー形式で15分間朗読した。イベントにちなみ、カフェでは「星空とゆきだるまのビーフシチュー」という特別メニューが用意された。
県営業戦略部観光物産課DC推進室の菊池克実室長は「筑波山は茨城県の観光の中でもトップコンテンツの一つ。もっとこの素晴らしさを伝えていきたい。まだまだアイディアはたくさんあると思うので、県としても応援していきたい」と話す。(榎田智司)
◆筑波山冬のロープウエーは来年2月25日(日)までの土日祝日の午後4時40分~8時まで20分間隔で運行する。運賃は中学生以上往復1300円(消費税込み)、6歳以上小学生まで同650円(同)。「星空ストーリナイト」は12月24日(日)までの土日祝日の午後5時~7時30分開催。