水曜日, 7月 9, 2025
ホームつくば職員数55人増え2060人に つくば市人事異動'23

職員数55人増え2060人に つくば市人事異動’23

つくば市は17日、4月1日付人事異動と組織改編を発表した。異動総数は全体の17.5%の238人、3月末の定年退職者は54人、再任用を除く普通退職者は36人、新規採用は88人、再任用職員は148人で、職員総数は前年度より55人増えて2060人になる。市人事課によると人口増に伴う市役所業務の拡大により新規採用を増やしているためとしている。

女性管理職の割合は消防本部を除き、前年度より0.6%増えて25.9%。国や県との人事交流は、引き続き文科省出身者を政策イノベーション部長に配置し、国や県に6人の実務研修生を派遣する。

地区相談センター廃止し交流センターに拡充

組織改編は、市民部で、地域交流支援と地区相談業務を一体的に行うため地区相談課と文化芸術課地域交流支援係を統合し地域支援課を新設。旧町村ごとに地区相談業務を担当していた計6カ所の地区相談センターを3月末で廃止し、17カ所ある地域交流センター内に地区相談機能を置き拡充する、さらに市民活動課の名称を市民協働課とするほか、現在改修工事中のつくばセンタービル内に(仮称)市民センター開設に向けて市民協働課に市民センター準備室を新設する。ほかに、みどりの学校プールの建設と陸上競技場の設計が本格化することから、スポーツ施設整備室をスポーツ施設課に変更する。

市長公室は企画立案や総合調整のため事業推進相談監を置く。総務部は契約検査課に適正な工事の検査体制を確保するため工事検査室を新設する。政策イノベーション部はスーパーサイエンスシティの実現に向けた取り組みを一体的に進めるため科学技術振興課とスマートシティ戦略課を統合し科学技術戦略課とする。

保健部は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日から5類に移行する予定であることから、感染症対策室と新型コロナウイルスワクチン接種対策室を統合し新型コロナウイルス対策室とする。議会事務局は名称を議会局に改めるなど。

◆4月1日付人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。

【部長級】
▽市長公室長(財務部次長)斎藤健一
▽総務部長(こども部長)塚本浩行
▽財務部長(政策イノベーション部次長)大越勝之
▽福祉部長(福祉部次長)根本祥代
▽保健部長(総務部次長)杉山晃
▽こども部長(福祉部長)安曽貞夫
▽経済部長(市長公室長)片野博司
▽生活環境部長(生活環境部次長)伊藤智治
▽上下水道局長(上下水道局次長)中泉繁美
▽消防長(消防本部消防次長)青木 孝徳

【次長級】
▽市長公室事業推進相談監・広報戦略課参事(市長公室広報戦略課参事)酒井謙介
▽総務部次長(総務部契約検査課長)山田正美
▽政策イノベーション部次長(市民部次長)稲葉清隆
▽財務部次長(会計管理者)飯島正志
▽市民部次長・市民窓口課長(市民部市民窓口課長)中川 伸一
▽市民部次長・統括地域支援監(市民部地区担当監・地区相談課長)大木茂樹
▽福祉部次長(福祉部社会福祉課長・非課税世帯等給付金室長)相澤幸男
▽経済部観光推進監(都市計画部市街地振興監)貝塚厚
▽生活環境部次長(上下水道局水道工務課長)植木亨
▽上下水道局次長(上下水道局下水道工務課長)渡辺高則
▽会計管理者(会計事務局長)会田文則
▽教育局次長(建設部次長)坂田博之
▽選挙管理委員会事務局長・総務部主任参事(都市計画部総合交通政策課長)伊藤和浩
▽農業委員会事務局長(都市計画部公有地利活用推進課長)鳴海秀秋
▽消防本部消防次長(消防本部主任参事・中央消防署長)小島幸司
▽消防本部消防次長(南消防署長)松岡幹夫
▽消防本部主任参事・中央消防署長(消防本部消防総務課長)廣瀬好
▽消防本部主任参事・北消防署長(北消防署長)太田義春
▽消防本部主任参事・南消防署長(消防本部消防救助課長)鈴木浩

【課長級】
▽総務部契約検査課長(総務部契約検査課長補佐)石田健一
▽総務部契約検査課工事検査室長(建設部公共施設整備課長)鈴木彰嘉
▽政策イノベーション部科学技術戦略課スマートシティ戦略監(政策イノベーション部スマートシティ戦略課長)中山秀之
▽政策イノベーション部科学技術戦略課長(政策イノベーション部科学技術振興課長)前島吉亮
▽財務部公共施設マネジメント推進室長(建設部営繕住宅課長)田中聖史
▽市民部市民協働課長(保健部健康増進課感染症対策室長)美濃本玲子
▽市民部市民センター準備室長・吾妻交流センター所長(市民部市民活動課長)荒澤浩俊
▽市民部谷田部窓口センター所長(教育局健康教育課長補佐)株木文男
▽市民部茎崎窓口センター所長(市民部谷田部交流センター所長・市民ホールやたべ館長)中山努
▽市民部スポーツ振興課長(都市計画部都市計画課長)大久保正巳
▽市民部スポーツ施設課長(市民部スポーツ振興課スポーツ施設整備室長)武笠健一
▽市民部地域支援課長(教育局教育施設課長補佐)大口勝也
▽市民部筑波交流センター地域支援監・所長・市民ホールつくばね館長(市民部副地区担当監・筑波地区担当・筑波相談センター駐在)御田寺義郎
▽市民部大穂交流センター地域支援監・所長(市民部副地区担当監・桜地区担当・桜相談センター駐在)佐藤宏明
▽市民部吉沼交流センター地域支援監・所長・吉沼出張所長(市民部副地区担当監・大穂地区担当・大穂相談センター駐在)木澤伸治
▽市民部豊里交流センター地域支援監・所長・市民ホールとよさと館長(市民部副地区担当監・筑波地区担当・筑波相談センター駐在)安田正幸
▽市民部豊里交流センター地域支援監・市民ホールとよさと事務取扱(都市計画部開発指導課長)川又通生
▽市民部谷田部交流センター地域支援監・所長・市民ホールやたべ館長(市民部副地区担当監・茎崎地区担当・茎崎相談センター駐在)間中和美
▽市民部桜交流センター地域支援監・所長・栄出張所長(市民部副地区担当監・豊里地区担当・豊里相談センター駐在)小神野真
▽市民部茎崎交流センター地域支援監・所長・市民ホールくきざき館長(市民部副地区担当監・茎崎地区担当・茎崎相談センター駐在)木村宏
▽福祉部社会福祉課長(福祉部社会福祉課長補佐・企画監)宇津野功
▽福祉部地域包括支援課長(福祉部高齢福祉課長補佐)相澤幸子
▽保健部健康増進課新型コロナウイルス対策室長(保健部健康増進課新型コロナウイルスワクチン接種対策室長)松浦智恵子
▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長(福祉部地域包括支援課長)会田延男
▽経済部土地改良課長(経済部土地改良課長補佐)森田幸一
▽都市計画部都市計画課長(都市計画部公有地利活用推進課長補佐)中山正人
▽都市計画部公有地利活用推進課長(市民部スポーツ推進課長)岡野渡
▽都市計画部建築指導課長(都市計画課長補佐・企画監)中島隆志
▽都市計画部開発指導課長(都市計画部開発指導課長補佐)川原智彦
▽都市計画部総合交通政策課長(都市計画部総合交通政策課長補佐)細谷智英
▽建設部道路計画課長(建設部道路計画課長補佐)大塚勝之
▽建設部道路管理課長(建設部道路計画課長)入江一成
▽建設部公共施設整備課長(建設部公共施設整備課長補佐)糸賀健二
▽建設部公共施設整備課施設建築指導監(都市計画部建築指導課長)中泉弘行
▽建設部住宅政策課長(財務部管財課公共施設マネジメント推進室長)吉田和行
▽生活環境部つくばメモリアルホール斎場長(生活環境部環境保全課長補佐)冨田徹
▽上下水道局上下水道業務課長(上下水道局上下水道業務課長補佐・係長)岡野正基
▽上下水道局水道工務課長(上下水道局水道工務課長補佐)酒井一成
▽上下水道局下水道工務課長(上下水道局下水道工務課長補佐)冨田英二
▽会計事務局長(経済部土地改良課長)小川英男
▽教育局教育総務課長(教育局教育総務課長補佐・企画監)山岡めぐみ
▽教育局筑波学校給食センター所長(選挙管理委員会事務局副局長)渡辺寛明
▽教育局茎崎学校給食センター所長(上下水道局水道工務課長補佐)直江正和
▽選挙管理委員会事務局副局長(教育局教育総務課長)笹本昌伸
▽オンブズマン事務局長(建設部道路管理課長)石塚一弘
▽消防本部消防総務課長(消防本部消防総務課長補佐・企画監)品川豊
▽消防本部消防救助課長(消防本部消防救助課長補佐)北沢直弘
▽消防本部消防指令課長(消防本部消防救助課長補佐・特殊災害対策係長)久保田正美
▽中央消防署参事・副署長(北消防署参事・筑波分署長)青木節

【退職】3月31日付
▽総務部長 篠塚英司
▽財務部長 中島弘志
▽保健部長 小室伸一
▽経済部長 野澤政章
▽生活環境部長 谷内俊昭
▽上下水道局長 坂入善晴
▽消防長 木村勝平
▽市民部地区担当監・茎崎相談センター所長 西村誠
▽市民部地区担当監・豊里相談センター所長 野原浩司
▽市民部地区担当監・桜相談センター所長 嶋崎道徳
▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長 吉原衛
▽教育局次長 飯泉法男
▽教育局学校教育審議監 根本智
▽選挙管理委員会事務局長 窪庭隆
▽農業委員会事務局長 吉原利夫
▽防本部消防次長 五月女謙次
▽消防本部主任参事・消防指令課長 山田和美
▽市民部副地区担当監・谷田部地区担当 色川英雄
▽市民部副地区担当監・大穂地区担当 栗山正行
▽市民部谷田部窓口センター所長 垣内伸之
▽市民部茎崎窓口センター所長 宮本孝雄
▽上下水道局上下水道業務課長 本山雅之
▽教育局筑波学校給食センター所長 杉山一彦
▽教育局茎崎学校給食センター所長 石塚英樹
▽中央消防署参事・副署長 細田義美

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土浦工業、コールド勝ち【高校野球茨城’25】

第107回全国高校野球選手権茨城大会は3日目の7日、ひたちなか市民球場で1回戦が行われ、土浦工業は那珂湊と対戦、10ー0で5回コールド勝ちし2回戦進出を決めた。土浦工業先発の前島悠輝は那珂湊打線をノーヒットに抑えた。 7日 1回戦 第1試合 ひたちなか市民球場那珂湊 00000 0土浦工 26011× 10 「昨年、一昨年と初戦敗退し悔しい思いをした先輩たちの無念を晴らしたいと試合に挑んだ」と成島瑠依主将。捕手でもある成島は「初戦で緊張した」と話す一方、先発の前島をうまくリードし、初回の那珂湊打線を三者凡退に抑えた。 その裏、相手のエラーで、ノーヒットのまま2点を先制。2回には無死満塁のチャンスに長南流愛が高めのストレートを思い切り振り抜いた。打球はレフトへのタイムリーヒットとなり1点を追加すると、助川誓哉と谷田部秀夫もタイムリーヒットを放ちさらに4点を追加しリードを広げた。 前島は1回、2回と制球が定まらず荒れていたが、主将で捕手の成島やベンチの声に支えられて調子が上がり始めた。次第に低めのストレートが決まりだし三振を奪うと、野手も堅い守備でチームに勢いをつけた。 5回には那珂湊の守備のミスも重なり、長南流愛がワイルドピッチでホームイン。10点差をつけコールド勝ちを決めた。 先発した前島は、参考記録ながら5回ノーヒットノーラン8奪三振を達成した。ノーヒットノーランは「野球をやってきて初めて」と言い、「2回戦でも負けない気持ちを出してやっていく」と力強く語った。試合を終えた成島主将は安堵の表情を浮かべながらも「次の試合もこの勢いで勝って土浦工業の野球を強くしていきたい」述べた。 久保田昌倫監督は「昨年の夏から出ている選手が多数いたので落ち着いて出来た。若いチームなので2回戦はベンチワークも含めていろんな選手を出せる試合にしたい」と話した。2回戦は13日、八千代と対戦する。 那珂湊の地元であるひたちなか市民球場での開催とあって、スタンドでは那珂湊が全校を挙げて応援した。土浦工業は完全アウェイだったが、価値ある勝利をつかんだ。(高橋浩一)

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【コラム・坂本栄】昨年の土浦の花火(正式名は土浦全国花火競技大会)は、予定日(11月2日)が降雨予報で中止になり、代替日(同3日と9日)に延期しようとしたところ、周辺道路や会場周辺の警備体制が両日とも確保できず、全日程で中止に追い込まれた。実行委員会(委員長・安藤真理子土浦市長)の運営体制に花火ファンや関係業者から批判が出たことから、土浦市は今年の大会(11月1日、代替日8日)は背水の陣で臨む。 昨年大会では3つのミス 私はコラム198「…欠けていたリスク管理」(2024年12月16日掲載)で昨年の大会運営上の問題点を三つ指摘した。「曖昧だった延期日の警備手配」「無駄だった花火興業中止保険」「実行委に呼ばれなかった議長」の3点だ。詳しくは上の青字部をクリックしてもらうとして、以下のように要約できる。 ▼警備体制の不備:予定日2日の警備体制は警備会社と契約して500人近く確保してあったものの、代替日の警備については契約しておらず、延期になった場合は「相互に協議する」と曖昧になっていた。警備会社は人手不足で市の確保要請に応えることができず、市としてもプロの警備抜きでの大会は危険過ぎると判断、代替日への延期を見送った。 ▼中止保険が不発:この種のイベントには興業中止保険をかけ、悪天候などで中止に追い込まれた場合、その準備などに使った経費を損害保険会社に払ってもらうのが常識。土浦市もこの保険に入っていたが、契約には「延期日有り」条項が入っていた。ところが、市は代替日に延期せず全日程を中止にしてしまったため、イベント保険を受け取れず、市は多額の追加出費を迫られた。 ▼議長抜きの決定:大会中止(11月1日午前発表)を決めた実行委(10月31日夕方開催)に、実行委メンバーの市議会議長が呼ばれなかった。混乱の中、事務局が議長に連絡することを忘れたからだ。決定プロセスから外された議会はこれに怒り、定例議会で市側のミスを追求した。 今年は失敗が許されない 今年の土浦の花火は第94回になる。同時に市は「土浦の花火100周年記念」とも謳(うた)っており、今年の大会にはかなり力が入っている。昭和14年(1925)の第1回から数えると確かに1世紀。先の大戦や市街地洪水などで6回中止されており、通算ではその分マイナスになる。100周年と大見えを切った手前、土浦市としては昨年のような失敗は許されない。そこで、土浦市・花火のまち推進室長の菊田さんに準備状況を聞いた。 警備体制は、予定日(1日)だけでなく代替日(8日)についても警備会社と契約を結び、代替日の要員も確保する。このため、昨年は1日分だった警備会社に払う経費(約1800万円)が今年は2倍になる。代替日を従来の2日でなく1日に減らしたのは、警備費用を抑えるためだ。一方、記事「順延は1日のみ…」(5月26日掲載)にあるように、有料観覧席の値上げで収入増も図る。 また、予定日に大会を実施でき、代替日の警備が不要になった場合、契約額の一定割合を減額するよう警備会社と交渉している。警備会社は代替日用に確保した要員を別の仕事に回せることを理由に挙げ、市としては割引率の最大化を図る。経費節約のために代替日の割引率をいかに大きくするか。予定日の契約額も含め、警備会社との交渉は面白くなりそうだ。 花火興業中止保険については、「延期日有り」を踏まえ、予定日中止の場合は代替日にトライする。今回大会の予算書を見ると、役務費(保険料、ゴミ処理費など)が昨年大会の2倍以上計上されており、抜かりはないようだ。また、大会中止などの重要事項は、市長+副市長+市議会議長+商工会議所会頭(観光協会会長)の4人に必ず諮ると運営マニュアルに明記した。議会対策は万全らしい。(経済ジャーナリスト)