土曜日, 11月 15, 2025
ホームつくば職員数55人増え2060人に つくば市人事異動'23

職員数55人増え2060人に つくば市人事異動’23

つくば市は17日、4月1日付人事異動と組織改編を発表した。異動総数は全体の17.5%の238人、3月末の定年退職者は54人、再任用を除く普通退職者は36人、新規採用は88人、再任用職員は148人で、職員総数は前年度より55人増えて2060人になる。市人事課によると人口増に伴う市役所業務の拡大により新規採用を増やしているためとしている。

女性管理職の割合は消防本部を除き、前年度より0.6%増えて25.9%。国や県との人事交流は、引き続き文科省出身者を政策イノベーション部長に配置し、国や県に6人の実務研修生を派遣する。

地区相談センター廃止し交流センターに拡充

組織改編は、市民部で、地域交流支援と地区相談業務を一体的に行うため地区相談課と文化芸術課地域交流支援係を統合し地域支援課を新設。旧町村ごとに地区相談業務を担当していた計6カ所の地区相談センターを3月末で廃止し、17カ所ある地域交流センター内に地区相談機能を置き拡充する、さらに市民活動課の名称を市民協働課とするほか、現在改修工事中のつくばセンタービル内に(仮称)市民センター開設に向けて市民協働課に市民センター準備室を新設する。ほかに、みどりの学校プールの建設と陸上競技場の設計が本格化することから、スポーツ施設整備室をスポーツ施設課に変更する。

市長公室は企画立案や総合調整のため事業推進相談監を置く。総務部は契約検査課に適正な工事の検査体制を確保するため工事検査室を新設する。政策イノベーション部はスーパーサイエンスシティの実現に向けた取り組みを一体的に進めるため科学技術振興課とスマートシティ戦略課を統合し科学技術戦略課とする。

保健部は、新型コロナの感染症法上の位置づけが5月8日から5類に移行する予定であることから、感染症対策室と新型コロナウイルスワクチン接種対策室を統合し新型コロナウイルス対策室とする。議会事務局は名称を議会局に改めるなど。

◆4月1日付人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。

【部長級】
▽市長公室長(財務部次長)斎藤健一
▽総務部長(こども部長)塚本浩行
▽財務部長(政策イノベーション部次長)大越勝之
▽福祉部長(福祉部次長)根本祥代
▽保健部長(総務部次長)杉山晃
▽こども部長(福祉部長)安曽貞夫
▽経済部長(市長公室長)片野博司
▽生活環境部長(生活環境部次長)伊藤智治
▽上下水道局長(上下水道局次長)中泉繁美
▽消防長(消防本部消防次長)青木 孝徳

【次長級】
▽市長公室事業推進相談監・広報戦略課参事(市長公室広報戦略課参事)酒井謙介
▽総務部次長(総務部契約検査課長)山田正美
▽政策イノベーション部次長(市民部次長)稲葉清隆
▽財務部次長(会計管理者)飯島正志
▽市民部次長・市民窓口課長(市民部市民窓口課長)中川 伸一
▽市民部次長・統括地域支援監(市民部地区担当監・地区相談課長)大木茂樹
▽福祉部次長(福祉部社会福祉課長・非課税世帯等給付金室長)相澤幸男
▽経済部観光推進監(都市計画部市街地振興監)貝塚厚
▽生活環境部次長(上下水道局水道工務課長)植木亨
▽上下水道局次長(上下水道局下水道工務課長)渡辺高則
▽会計管理者(会計事務局長)会田文則
▽教育局次長(建設部次長)坂田博之
▽選挙管理委員会事務局長・総務部主任参事(都市計画部総合交通政策課長)伊藤和浩
▽農業委員会事務局長(都市計画部公有地利活用推進課長)鳴海秀秋
▽消防本部消防次長(消防本部主任参事・中央消防署長)小島幸司
▽消防本部消防次長(南消防署長)松岡幹夫
▽消防本部主任参事・中央消防署長(消防本部消防総務課長)廣瀬好
▽消防本部主任参事・北消防署長(北消防署長)太田義春
▽消防本部主任参事・南消防署長(消防本部消防救助課長)鈴木浩

【課長級】
▽総務部契約検査課長(総務部契約検査課長補佐)石田健一
▽総務部契約検査課工事検査室長(建設部公共施設整備課長)鈴木彰嘉
▽政策イノベーション部科学技術戦略課スマートシティ戦略監(政策イノベーション部スマートシティ戦略課長)中山秀之
▽政策イノベーション部科学技術戦略課長(政策イノベーション部科学技術振興課長)前島吉亮
▽財務部公共施設マネジメント推進室長(建設部営繕住宅課長)田中聖史
▽市民部市民協働課長(保健部健康増進課感染症対策室長)美濃本玲子
▽市民部市民センター準備室長・吾妻交流センター所長(市民部市民活動課長)荒澤浩俊
▽市民部谷田部窓口センター所長(教育局健康教育課長補佐)株木文男
▽市民部茎崎窓口センター所長(市民部谷田部交流センター所長・市民ホールやたべ館長)中山努
▽市民部スポーツ振興課長(都市計画部都市計画課長)大久保正巳
▽市民部スポーツ施設課長(市民部スポーツ振興課スポーツ施設整備室長)武笠健一
▽市民部地域支援課長(教育局教育施設課長補佐)大口勝也
▽市民部筑波交流センター地域支援監・所長・市民ホールつくばね館長(市民部副地区担当監・筑波地区担当・筑波相談センター駐在)御田寺義郎
▽市民部大穂交流センター地域支援監・所長(市民部副地区担当監・桜地区担当・桜相談センター駐在)佐藤宏明
▽市民部吉沼交流センター地域支援監・所長・吉沼出張所長(市民部副地区担当監・大穂地区担当・大穂相談センター駐在)木澤伸治
▽市民部豊里交流センター地域支援監・所長・市民ホールとよさと館長(市民部副地区担当監・筑波地区担当・筑波相談センター駐在)安田正幸
▽市民部豊里交流センター地域支援監・市民ホールとよさと事務取扱(都市計画部開発指導課長)川又通生
▽市民部谷田部交流センター地域支援監・所長・市民ホールやたべ館長(市民部副地区担当監・茎崎地区担当・茎崎相談センター駐在)間中和美
▽市民部桜交流センター地域支援監・所長・栄出張所長(市民部副地区担当監・豊里地区担当・豊里相談センター駐在)小神野真
▽市民部茎崎交流センター地域支援監・所長・市民ホールくきざき館長(市民部副地区担当監・茎崎地区担当・茎崎相談センター駐在)木村宏
▽福祉部社会福祉課長(福祉部社会福祉課長補佐・企画監)宇津野功
▽福祉部地域包括支援課長(福祉部高齢福祉課長補佐)相澤幸子
▽保健部健康増進課新型コロナウイルス対策室長(保健部健康増進課新型コロナウイルスワクチン接種対策室長)松浦智恵子
▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長(福祉部地域包括支援課長)会田延男
▽経済部土地改良課長(経済部土地改良課長補佐)森田幸一
▽都市計画部都市計画課長(都市計画部公有地利活用推進課長補佐)中山正人
▽都市計画部公有地利活用推進課長(市民部スポーツ推進課長)岡野渡
▽都市計画部建築指導課長(都市計画課長補佐・企画監)中島隆志
▽都市計画部開発指導課長(都市計画部開発指導課長補佐)川原智彦
▽都市計画部総合交通政策課長(都市計画部総合交通政策課長補佐)細谷智英
▽建設部道路計画課長(建設部道路計画課長補佐)大塚勝之
▽建設部道路管理課長(建設部道路計画課長)入江一成
▽建設部公共施設整備課長(建設部公共施設整備課長補佐)糸賀健二
▽建設部公共施設整備課施設建築指導監(都市計画部建築指導課長)中泉弘行
▽建設部住宅政策課長(財務部管財課公共施設マネジメント推進室長)吉田和行
▽生活環境部つくばメモリアルホール斎場長(生活環境部環境保全課長補佐)冨田徹
▽上下水道局上下水道業務課長(上下水道局上下水道業務課長補佐・係長)岡野正基
▽上下水道局水道工務課長(上下水道局水道工務課長補佐)酒井一成
▽上下水道局下水道工務課長(上下水道局下水道工務課長補佐)冨田英二
▽会計事務局長(経済部土地改良課長)小川英男
▽教育局教育総務課長(教育局教育総務課長補佐・企画監)山岡めぐみ
▽教育局筑波学校給食センター所長(選挙管理委員会事務局副局長)渡辺寛明
▽教育局茎崎学校給食センター所長(上下水道局水道工務課長補佐)直江正和
▽選挙管理委員会事務局副局長(教育局教育総務課長)笹本昌伸
▽オンブズマン事務局長(建設部道路管理課長)石塚一弘
▽消防本部消防総務課長(消防本部消防総務課長補佐・企画監)品川豊
▽消防本部消防救助課長(消防本部消防救助課長補佐)北沢直弘
▽消防本部消防指令課長(消防本部消防救助課長補佐・特殊災害対策係長)久保田正美
▽中央消防署参事・副署長(北消防署参事・筑波分署長)青木節

【退職】3月31日付
▽総務部長 篠塚英司
▽財務部長 中島弘志
▽保健部長 小室伸一
▽経済部長 野澤政章
▽生活環境部長 谷内俊昭
▽上下水道局長 坂入善晴
▽消防長 木村勝平
▽市民部地区担当監・茎崎相談センター所長 西村誠
▽市民部地区担当監・豊里相談センター所長 野原浩司
▽市民部地区担当監・桜相談センター所長 嶋崎道徳
▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長 吉原衛
▽教育局次長 飯泉法男
▽教育局学校教育審議監 根本智
▽選挙管理委員会事務局長 窪庭隆
▽農業委員会事務局長 吉原利夫
▽防本部消防次長 五月女謙次
▽消防本部主任参事・消防指令課長 山田和美
▽市民部副地区担当監・谷田部地区担当 色川英雄
▽市民部副地区担当監・大穂地区担当 栗山正行
▽市民部谷田部窓口センター所長 垣内伸之
▽市民部茎崎窓口センター所長 宮本孝雄
▽上下水道局上下水道業務課長 本山雅之
▽教育局筑波学校給食センター所長 杉山一彦
▽教育局茎崎学校給食センター所長 石塚英樹
▽中央消防署参事・副署長 細田義美

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緊急消防援助隊が合同訓練 1都9県の隊員ら1400人が集結 

県内で20年ぶり 大規模災害発生時に全国各地に駆け付ける緊急消防援助隊 関東ブロックの合同訓練が12日、土浦市小高にある採石場、塚田陶管柳沢工場の敷地内で実施された。1都9県(東京、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、静岡、福島)の緊急消防援助隊による合同訓練の一環で、県内での開催は20年ぶりとなる。 12日と13日の2日間、土浦市のほか、ひたちなか、神栖、鉾田、鹿嶋、水戸市の13会場で、1都9県の緊急消防援助隊員や関連機関など約1400人が参加し、倒壊建物救助訓練、多数負傷者救助訓練、石油コンビナート火災対応訓練などのほか、宿営地設置・運営など後方支援訓練や、指揮本部運営訓練なども実施されている。 土浦の集落が孤立したと想定 訓練は、連日の大雨により河川氾濫や土砂災害が発生している中で、茨城県沖を震源とする震度6強の地震が発生したという想定で行われた。津波や大規模火災などが県内各地で発生し、多数の負傷者や孤立者が出た複合災害の状況を想定した。 土浦市の会場では、東京、埼玉、栃木の3都県の緊急消防援助隊210人と、茨城県内の消防広域応援隊14部隊60人が参加。同市東城寺地区の集落が土砂崩れにより孤立したと想定し、消防隊員らが専用重機で道路の障害物を除去したり、崩れた土砂に埋もれた車両や倒壊した家屋の中からの救助、ヘリコプターによる上空からの救助などの訓練が実施され、部隊同士や関係機関との連携、指揮系統の確認などが行われた。 ほかに自衛隊、国土交通省、茨城DMAT(災害派遣医療チーム)なども加わり、がれきが散乱して通行が困難な場所でも走行できる救助車両や消防ヘリコプター、照明車など約80台が救助訓練に当たった。 鬼怒川水害では支援受け入れ 緊急消防援助隊は、1995年1月に発生した阪神・淡路大震災をきっかけに創設され、大規模災害時に消防庁長官の要請などにより、他の都道府県から派遣される。2011年の東日本大震災や24年の能登半島地震でも活躍した。県内では、15年の関東・東北豪雨による鬼怒川水害の際に支援を受けている。 緊急消防援助隊ブロック合同訓練は、1996年から全国を6ブロック(北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州)に分け、各ブロック内の都道府県が持ち回りで実施してきた。茨城での開催は2005年以来となる。 茨城県消防安全課は今回の訓練について「県内での大規模災害の発生を想定し、近隣都県の緊急消防援助隊の応援を受け入れ、多くの関係機関とともに実施する今回の訓練は、受援体制の強化に大きく寄与する大変意義深いもの。本訓練を通じて、本県の受援体制の見直しを図り、茨城県緊急消防援助隊受援計画へ反映させていきたい」と話している。(柴田大輔) https://youtu.be/OkVy1R0cUdQ