つくば市長定例会見が8日開かれ、同市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)にグランピング施設をつくるなどのパークPFI事業について、五十嵐立青市長は「グランピング施設とバーベキュー施設は望ましくないという考えに変わりはない」と述べ、県から無償で公園の譲渡を受け市が管理することも選択肢の一つだとする考えを述べた。
洞峰公園のパークPFI事業をめぐっては、大井川和彦知事が1日の定例会見で、年明けにもグランピング施設などの建設許可の事前協議を開始したいと発言し、さらに、つくば市が自ら管理するのであれば洞峰公園を無償で市に移管したいなどと述べている(12月2日付)。8日の市長会見では、知事発言について記者から質問が出て、五十嵐市長が答えた。
一方で五十嵐市長は、無償譲渡について「簡単に『はい』と言えるものではない」とも述べ「(市として維持管理費などを)精査しているわけではないので、そもそも維持管理費がいくらかかるか分からない。市の他の公園規模と比べてどうかなど、検討するにしても細かい情報は必要になる。無償移管を検討するのであれば(県から)細かいデータをいただかないと市民にも議会にも説明できないし、今の段階で何をどうするかはまだまだ分からない」とも話した。
県は8月の説明会などで、洞峰公園の維持管理費用として、指定管理料が年約1億5000万円、来年度から2027年度までの大規模修繕費用として3億5600万円かかるとしている。
五十嵐市長はさらに、プールやテニスコートなどの利用料金値上げ要望に対し、大井川知事が1日の会見で「利用者の中の一部にだけ負担を押し付けるやり方でバランスが非常に悪い」と否定し、さらに協議会設置要望についても「協議会の位置付けや性格が不透明」だと市の要望をいずれも否定したことについて、「値上げ案は県が当初より代替案として示していたもの。そういう代替案に対して『バランスが悪い案だ』というのは、いささかとまどっている」と不快感を示し、さらに「(県は)『協議会の必要性が分からない』という話だが、(協議会は)話し合っていく素地を作るためには必要なものと思っている」と反論した。
その上で五十嵐市長は「つくば市への回答をちゃんと文書で示していただいた方が、お互いのミスコミュニケーションはないと思っている。はっきりと県の方向性が決まったら文書でお示しいただいて、それをもとに県と協議していきたい。協議が整わない中で(グランピング施設建設の事前協議が)申請されることはないと思っている」と改めて述べた。
県都市整備課によると、市の要望に対して県は8日、文書で市に回答した。内容は1日の知事会見と同じという。同課はさらに、グランピング施設などの建設許可の事前協議を年明けに開始することに変わりはないとしている。