土曜日, 1月 17, 2026
ホームつくば外資系物流会社に110億円で一括売却へ つくば市 旧総合運動公園用地

外資系物流会社に110億円で一括売却へ つくば市 旧総合運動公園用地

つくば市が民間に一括売却する手続きを進めている旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)について、市は21日、候補者選定委員会を18日に開催した結果、売却候補者を外資系物流不動産会社「グッドマンジャパン」(東京都千代田区、グレゴリー・グッドマン社長)に決定したと発表した。

市の発表によると、データセンター、物流施設、防災拠点施設、アメニティ施設などを建設する計画という。

売却金額は約110億3000万円。市が最低売却価格としていた約68億5000万円(利子を含む購入金額)と比べ約42億円高い金額となる。

市が売却先事業者から賃りる予定の防災備蓄倉庫(2400~2600平方メートル)は、無料で20年間借りる契約を結ぶ。市が示していた条件は年間賃料4000万円以内だった。

グッドマンジャパンはオーストラリアの総合不動産会社グッドマングループの物流施設開発・管理会社で、近隣では常総市の圏央道インターチェンジ周辺、千葉県印西市などで大型物流拠点を開発している。

市公有地利活用推進課によると、一括売却の公募には、同社のほか、NTTグローバルデータセンター、つくばDC合同会社、フジタの計4社が参加した。

18日、選定委員会で順位を付け、7人の委員の評価点合計が最も高い601点(700点満点)を付けたグッドマンジャパンが選定された。次点は562点だった。

グッドマンとは8月22日までに諸条件を整理した上で、土地売買契約を締結する予定。

今後について同課は、非公開としている候補者選定委員会の会議概要や選定委員の氏名を今後1カ月以内に公表するほか、グッドマンの詳細な事業計画については8月下旬ごろまでに公表するとしている。

購入代金は契約締結日から30日以内にすべて支払うことが必要で、代金支払い終了と同時に所有権が売却先に移転する。平行して市は都市計画の変更手続きを行う。

「何を考えているのかと感じる」

同用地は2014年、市開発公社がUR都市機構から約66億円で購入した。15年、住民投票の結果を受けて市原健一前市長が総合運動公園計画を白紙撤回した。

今回、売却候補が決まったことについて、15年に住民投票を実現させた市民団体「総合運動公園建設の是非を住民投票で問うつくば市民の会」共同代表の一人で、元研究者の山本千秋さん(81)は「物流基地にすると聞きびっくりしている。あの土地は元々、農家の人たちが研究機関の用地として提供した。つくば市が研究学園都市と名がついている以上は、今(土地を使いたいという)研究機関の需要がないとしても、将来にわたりどうしたらいいのかという視点をもってほしかった。つくば市は何を考えているのか、と感じる」と話している。

市民グループは市長リコールを準備

一方、民間事業者への転売に反対する市民グループ「つくばのまちづくりを考える会」(酒井泉代表)は、市長リコール(解職請求)運動を実施するとするチラシを20日、新聞に折り込み、準備を進めている。

同会は旧総合運動公園用地を、研究施設用地や、自然の森、陸上競技場など市民のための公共用地として利用すべきだなどと主張し、7月11日から8月10日まで市長リコールを請求する署名を集めるとしている。リコール請求は有権者の3分の1以上の署名が必要になる。(鈴木宏子)

【追加 21日午後3時50分】市民の反応(小見出し「何を考えているのかと感じる」の部分)を追加しました。

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