土曜日, 9月 26, 2026
ホームつくば市民の集いに市長、県議、市議ら集結 「つくばに県立高校を」テーマに意見交換

市民の集いに市長、県議、市議ら集結 「つくばに県立高校を」テーマに意見交換

つくば市に県立高校の新設や既存校の定員増などを求めている市民団体「つくば市の小中学生の高校進学を考える会」(片岡英明代表)の第3回市民のつどいが19日、つくば市内で開かれた。市民のほか、五十嵐立青市長、つくば市区選出の県議5人全員と、市議のほぼ半数が勢ぞろいし、これまでの取り組みを報告したり、意見交換などをした。

人口が急増するつくば市で、県立高校が少ないため、中学卒業者の6人に1人しか市内の県立高校に通えない実情となっていること、県が新たに中学卒業者数の推移を推計し直した結果、2030年のつくばエリア(つくば、つくばみらい、守谷、常総市)の中学校卒業者数が、2022年と比べ800人増加する見込みであることが今年3月の県議会で新たに明らかになったことなどを受けて開催された。

県が3月に示した新たな中学卒業者の推計と影響などについて話す片岡代表

800人増、不足さらに深刻

片岡代表は「県は2019年2月の県立高校改革プランで、つくばエリアの中学卒業者が440人増えると推計し、2026年までに2クラス(80人)増を計画し、つくば工科高校を来年4月から2クラス増とするが、(800人増加するにもかかわらず)2クラス増だけでは、エリア外に進学する中学卒業者がますます増え、県立高校の不足はさらに深刻になる」と指摘した。

さらに、つくば市内に県立高校が少ないないため、隣接市の県立高校に通うことになり、土浦市や牛久市などの中学卒業者にも大きな影響を与えていることを数字を示し明らかにした。

「県の英断を待つ」

県県南地区PTA連絡協議会の樋口弓子さんは「東京から移住してきた時はつくばに高校がないと考えたこともなかった。並木高校が中等教育学校になり、上郷高校が統合されて2校がなくなった。(転居してきた)新しい人たちは、つくば市に希望がないと思ったらすぐに離れる」などと話し、五十嵐市長に「市立高校をつくったらいかがか」と提案した。

五十嵐市長は「県には正しい数字をもとに推計してほしいとお願いしていた。県はつくば市が出した数字に基づいて(800人増えるという新しい推計を)出してくれた」とした上で、市立高校の新設要望について「市内で小中学校を5校建設中。中根金田台でも1校つくる。6校で300億円からの事業となる。市の予算は1000億円、県の予算は市と比較にならない。(県の)英断を待つしかないと思っている」などと話し、市立高校新設は困難だと退けた。一方、市役所に県立高校問題の担当者を置いたことを説明し「総務部のエースを担当にした。皆さんとコミュニケーションをとりながらできるだけ(県に)働き掛けをしていきたい」などとした。

つくば市区選出の星田弘司、田村けい子、鈴木将、山中たい子、塚本一也県議もそれぞれ、これまでの取り組みや意見を話した。「県からはTX沿線に県立高校を新たにつくるという答弁はなく、つくばエリアの中学卒業者は増えるが、周りのエリアは減る、という言い方をしている」(山中県議)など、県の現在の対応を問題視する報告もあった。

参加した市民からは「土浦一高の生徒の5割がつくば市からきており、地元の人が入れなくなっている。周辺部の県議と危機感を共有してほしい」などの意見が出た。

同会は昨年5月に第1回市民のつどいを開催し、昨年のつくば市議会9月議会に、市内に県立高校を早急に設置することなどを求める請願を出した。全会一致で採択され、10月に知事に意見書が出された。今年3月の県議会では2人の県議がつくば市の県立高校不足問題をただした。さらに市に対し、県立高校問題の担当係や部署を設置するよう要望し、実現させた。

片岡代表は「市民の集いで出た意見をもとに、県に新たに要望書を出していきたい」などと話している。(鈴木宏子)

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運動公園→データセンター つくば市長の宿痾《吾妻カガミ》223

【コラム・坂本栄】前市長が計画した総合運動公園を市民運動で白紙撤回に追い込んだ五十嵐つくば市長。その跡地に市が誘致したデータセンター(DC、つくば市大穂)に対し、市民から環境への悪影響を懸念する声が上がっている。以前、運動公園問題を「市長の宿痾」(22年7月18日付)と表現したが、五十嵐氏は運動公園(今はDC)問題という宿痾(いつまでも続く病気)に取り付かれているようだ。 広報紙でDC群を擁護 不動産業者が建設しているDCの何が問題なのか? 温暖化研究者は、①使用電力は現市内消費の3倍 ②排熱は同排熱量の2倍 ③二酸化炭素も同排出量の2倍―と試算している(5月19日付)。100万キロワットの電力(原発約1基分)を受電するDC群が、着工済みDC(5万キロワット)の20倍になることを想定したものだ。市民生活の環境悪化が懸念される。 問題は、周辺住民が事業者に公開説明会を開くよう要求しているのに、全体計画や環境負荷の説明を拒んでいることだ。事業内容を教えると、DC反対運動に火が付くと思っているのだろうか。記事「…レストランで初の説明会…」(8月21日付)によると、ご馳走(ちそう)付きの小規模説明会は開いたそうだが、これでは住民懐柔(かいじゅう)会と呼んだ方がよい。 逃げ回っているのは事業者だけではない。誘致した手前、五十嵐氏はこのDC事業に問題はないと判断している(6月10日付)。市の「広報 つくば」8月号のDC特集に至っては、DC群を擁護する広報紙になってしまった。 事業者が地域住民の懸念に答えず、市長も事業者の味方であることに怒り、住民たちは次の一手に動いた。市主催の公開説明会を開き、そこに事業者も呼べと、市議会に請願したのだ。その趣旨は記事「…市議会に請願…」(8月31日付)に詳しい。請願は9月市議会で審議されるが、これに反対する市議(市長&事業者寄り環境軽視派)は市民の信を失うだろう。 迷走の連鎖 「まだ続く運動公園問題」(25年10月20日付)で整理したように、五十嵐氏が起動した運動公園問題は迷走の連鎖だった。 第1章「白紙撤回のつけ」:五十嵐氏は市民運動で住民投票に持ち込み、運動公園計画全体を葬った。多くの市民が約300億の計画(陸上競技場、総合体育館、サッカー・ラクビー場など)にNOと言ったからだ。全否定ではなく陸上競技場だけに絞っていれば、経費は大幅削減され、いま建設準備中の陸上競技場(つくば市上郷)よりも高規格の施設が完成していただろう。 第2章「実現不可能な公約」:最初の市長選で、五十嵐氏は運動公園用地を元所有者(UR都市機構)に買い戻させると公約した。しかし、当選後の交渉でURは売買契約を盾にこれを拒否した。契約書にはURは返却に応じない旨記載されていたのに、五十嵐氏はこの条項を無視して、ほぼ実現不可能な公約を掲げていたわけだ。 第3章「議決を経ずに売却」:用地の扱いに困り、五十嵐氏は議会本会議に用地売却議案を提出せず、市の大事な財産を民間に売り払った。土地は市有地ではなく、市土地開発公社のものだから、議会の承認は必要ないとの理屈だった。 今後の展開 DC問題は今後どうなるのだろうか? 事業者が公開説明会を開き、その内容が理にかなったものであれば、周辺住民も納得するだろう。逆に、公開説明会を拒否し、市もこれに同調するようであれば、市民によるDC反対運動が起こるかもしれない。8月末に提出された請願書に議会がどう対応するか、請願にYESかNOか、その結論が今後の展開の分岐点の一つになるだろう。(経済ジャーナリスト)

金星と木星《短いおはなし》55

【ノベル・伊東葎花】 「明日から視察に行ってくる」 「まあ、今度はどちらの星?」 「金星と木星だ」 「あらまあ、遠くまで大変ね。確か太陽系の方じゃなかったかしら」 「そうだ。未知の星だが、きっと豊富な資源と生命体がいると信じでいる」 「ふうん。気を付けてね」太陽系は非常に遠い。何度かワープをしなければならない。機体にも身体にも大きなダメージを受けるから、誰も行きたがらない。しかし、このままでは我が星はやがて滅びる。生活燃料となる、新たな資源を手に入れなければならないのだ。私はひとり、宇宙船に乗り込んだ。数回のワープと軌道修正を行いながら未知の星へと進んでいった。AIが安全と判断した星で休憩を取りながら、数日かけて太陽系に入った。しかし困ったことが起きた。太陽系に入った途端、AIが全く機能しなくなった。これでは金星と木星がどの星なのか、さっぱりわからない。目の前に、青い美しい星が現れた。 「これか? いかにも生命体がいそうな星だ」 私は、とりあえず青い星に降りてみることにした。陸地に機体を止めて、恐る恐る降りると、なんとも美しい星だ。酸素も豊富だ。歩いてみると、生命体がいた。二足歩行だ。推定80歳、性別は女と見た。 私は瞬時にその女の頭脳を読み取り、この星の言語を理解した。 「すみません」 「あん? 何の用だ?」 「ここは、金星? 木星? どっち?」 「あんた。外国人か? インバウンドってやつだべか。こんな田舎になんの用だ」 「だから、ここは、金星? 木星?」 「あん? きんせい、もくせい? ああ、キンモクセイか。こっちさ来い」 女が歩き出した。推定80歳のわりに、足が速い。 「これだべ、キンモクセイ」 ずらりと、大きな植物が並んでいる。これが金星と木星?こんなに小さいのか? いや、もしかしたら、宇宙変動が起きてバラバラになり、この星に吸収されたのかもしれない。それとも、故意に爆発させたのか。オレンジ色の粒々が、爆発の威力を物語っている。きっと爆発により金星と木星が一体になってしまったのだ。この星は、思ったよりも恐ろしいかもしれない。「どうだ。いい匂いすっぺ? おらのキンモクセイ」 女が自慢げに言った。金星と木星は、この女の所有物なのか?それにしても、なんて甘美な香りだろう。 「分けてやっか?」 「えっ?」 「キンモクセイ、分けてやるから待ってろ」 女は庭から、鉢に入った小さな植物を持ってきた。 「これ庭に埋めてみな。毎年咲くから」 私は、震える手で金星と木星を受け取った。 「じゃあね。何もねえ村だけど、観光楽しんでくろ」私は、小さな金星と木星を持って、宇宙船に乗り込んだ。ワープと軌道修正を繰り返し、我が星へ向かった。優しい甘美な香りが機内に充満して、帰りの操縦は何とリラックスできたことか。ああ、とても気分がいい。これはもしかしたら、素晴らしい資源になるかもしれない。見知らぬ星の女、恐るべし。 (作家)                                 

土浦の花火100年の紡ぎ ⑼《見上げてごらん》56

【コラム・小泉裕司】土浦全国花火競技大会は「スターマイン日本一を決める大会」といわれる。スターマインとは、いわゆる速射連発のこと。筒を数多く並べ、数百発もの花火を短時間に次々と打ち上げる。1本の筒から多数の玉を連続して打ち上げる「早打ち」とは異なる。 この名称は和製英語とされる。「Star」は花火の光の粒、「mine」は地雷を意味し、星が地雷のように次々と爆発するイメージから名付けられたといわれるが、明確な考案者の記録はない。 速射連発の起源は古く、1877年、明治天皇の長野行幸の際、伊那の花火愛好家たちが「菊畑(きくはた)」と呼ばれる連続打ち上げを披露したのが始まりともいわれる。翌1878年から、笠間稲荷でも、こうした連発仕掛けが打ち上げられていたとの説がある。 「速射連発(スターマイン)」という名称が記録に登場するのは昭和初期。1927年の長岡大花火大会の記録にもその表記が見られ、このころには花火業界で使われていたことがうかがえる。 スターマインの聖地、土浦 スターマインの歴史を語る上で忘れてならないのが土浦である。かつて速射連発は、仕掛花火の「裏打ち(引き立て役)」として扱われることが多かった。それを土浦では、1959年の第28回大会から「速射連発の部」として独立した競技部門にした。1982年に「スターマインの部」と改称され、全国の匠(たくみ)が技と誇りを懸けて競い合う舞台へと発展していくことになる。 幅40メートルの区画に組み立てた数百本の筒から、コンピューター制御によって音楽とシンクロし、圧倒的な物量と絶妙な間合いで夜空に描かれる芸術。全国から選ばれた22人の花火師が、スターマインの聖地 土浦に集い、優勝者に授与される経済産業大臣賞を目指し、その技を競い合う。 「土浦花火づくし」の誕生 さらに2000年、「土浦の花火」に新たな歴史が刻まれた。内閣総理大臣賞の授与開始とともに、大会提供のワイドスターマイン「土浦花火づくし」が始まったのである。 この企画に携わったのが、土浦の花火大会運営に長年関わってきた湯原洋一氏(8月16日掲載)だ。当時の上司から「今度70回大会なんだよな。なんか花火でできることねえか」と声を掛けられた。 そこで湯原氏の頭に浮かんだのが、当時、大曲で行われていた大会提供花火だった。これを参考に、日本煙火協会茨城地区会と協議を重ね、「土浦らしい花火を見せるには、ワイドスターマインにしよう」と企画を結実させた。 幅500メートル、9カ所から打ち上げられる約2000発、約6分間に及ぶ壮大なドラマ。視界全体を覆い尽くす圧巻のパノラマ感は、今や大会を象徴する名物となった。 速射連発から芸術的なスターマインへ。そして、その技術を競う舞台として発展してきた土浦花火の歩みは、日本のスターマインの発展を映す歴史そのものなのである。本日はこれにて打ち留めー!(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考文献>「ドン!と花火だ」(武藤輝彦、三空出版、1994年)「日本の花火のあゆみ」(武藤輝彦、あずさ書店、2000年刊)「花火と土浦」(土浦市、2018年)「土浦と大曲の友情物語」(コージーセレクション、2023年製作)「越後煙火史」(長谷川健一、文芸社、2025年)※青字部はクリックするとYouTube動画が見られます。