プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは12日、土浦市川口のJ:COMスタジアム土浦で埼玉ヒートベアーズと対戦。市内在住・在勤・在学者は入場無料の「土浦市デー」を逆転で勝利した。
土浦デーの日曜日、安藤真理子市長も会場を訪れ「市民にプロのプレーを見る機会を与えていただきありがたい。私たちも応援しているので茨城を、また野球を大いに盛り上げ、子どもたちに夢をもたらしてほしい」とあいさつした。
茨城アストロプラネッツは県全域を本拠地とし、県内各地の野球場でホームゲームを開いている。その中で今季は、日本プロ野球(NPB)のオリックス2軍と、巨人3軍との交流戦2試合を含む3試合が土浦開催となった。
「土浦は野球ファンが多く、駅から歩いて来られるアクセスの良い球場。なるべく多く開催したいが、高校野球や学童野球をはじめ市の行事なども多く、調整が難しい。それでも一番盛り上がる試合を土浦でやらせていただけた」と球団代表代理の金澤裕史さん。

小学生をホームゲームに無料招待する「夢チケット」や、新入生に入学祝いとしてプレゼントしている「茨城アストロプラネッツ自由帳」も好評で、子どものファンも増えているという。「野球などスポーツに身近に触れることで、心と体の健全育成を図り、夢や目標を持つきっかけとなってほしい」との趣旨だ。
試合の前後や合間には目隠しバッティングなどの体験イベントや、選手によるお見送りなどのファンサービスもある。「みんなで走ろう!ベースランニング」に参加した土浦市の大野平さん(9)は「塁間は意外と遠い。選手とハイタッチして楽しかった」との感想。父・義晃さんは「BCリーグは地域密着で親しみやすい。身近なプロ野球として、あちこちの球場へ応援に行っている」と話した。
南地区首位をキープ
この日のゲームは、序盤の5点差をコツコツと取り返し逆転勝ちを収めた。

茨城は2回表、先発の福田夏央が先頭打者をストレートの四球で出塁させると、投球リズムを乱し、3連打や走者一掃の三塁打などで一挙5点を失った。だが追い掛ける展開から打線が勝負強さを見せ、10安打と犠飛、敵失などで7回には逆転に成功。そのまま1点差で逃げ切った。
逆転打を放ったのは7番ショートの高橋拓也。7回裏2死一・二塁から左前へ適時打を放った。「チャンスは何度かあったが凡退が続いていたので、意地でも1本出してやろうと。打ったのは変化球でジャストミートではなかったが良いところへ転がった。自分の持ち味は勝負強さ。ここぞという場面で、ワンプレーで試合を動かす自信がある」と話す。

今月はここまで2勝4敗と黒星が先行していたが、前日の全員ミーティングの効果で、チームの雰囲気は良かったという。「勝ちきれない試合が続いていたが、投手陣の頑張りが流れを運んできてくれた。5点差をひっくり返したのも久しぶり。ここからまた良い流れをつかみ、一気に優勝を目指したい」
これで茨城は16勝10敗2分、2位の栃木に1.5ゲーム差をつけ、南地区首位をキープ。次節は6月14日、牛久運動公園野球場(牛久市下根町)で神奈川フューチャードリームスと対戦する。試合開始は午後5時の予定。(池田充雄)