水曜日, 2月 11, 2026
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東海第2避難計画請願を強行採決 《邑から日本を見る》105

【コラム・先﨑千尋】昨年12月27日のこのコラムで、「原発再稼働めぐり東海村議会が大変」を書いた。それからいくらも時間が経っていない。しかし、2月1日に村議会は原子力問題調査特別委員会で、村の商工会から出された「避難計画の速やかな策定を求める請願」を賛成多数で採択した。同委は議長を除く全議員で構成されているので、3月の本会議でも採択される見通しだ。

この日の委員会は、委員会室での傍聴者が10人に制限され、早くから並んだ商工会関係者と日本原子力発電係者に占められ、再稼働に反対する人は誰も入れなかった。

商工会の請願に賛成した議員からは「早期に策定するか、ゆっくり策定するかどうかが論点で、避難計画の中身の審査は必要ない。住民は早く作ることで安心したがっている。住民の安全のために、今ある知見で策定し、実効性は、その後に訓練などをして見直しをしながら高めればよい」などと主張した。

一方、反対した議員からは「委員会として確認していた専門家の話を聞くことについて、一方的に不要と決めつけるのは問題。2つの請願とも十分な議論が行われていない。実効性ある計画かどうかが大切で、議会が早く作れという意見書を提出することになれば、行政に圧力をかけることになる。採決は時期尚早」などと反論した。

委員会では、委員長が議論を途中で打ち切り、賛成多数で採決した。この請願に反対する議員の1人は「賛成多数で採択すれば、再稼働に伴う広域避難計画は、速やかに策定すべきと考えるのが村議会の意思だということを、世に知らしめることが狙い」と話している。

「今だけ、カネだけ、自分だけ」

昨年3月に水戸地裁は、避難計画の不備などを理由として再稼働を認めない判決を出しているので、再稼働を早くさせたい人たちが動いて、このような請願を議会に出した。

しかし実効性が伴わない計画では、被ばくしない避難や人間らしい避難所生活、元の生活に戻れるなどの保証がまったくなく、住民を危険にさらすだけとなる。早く作れという考えは、国が実効性のある計画策定をと言っているので、そのまま通るはずがないと思えるが、村当局にはプレッシャーになるかもしれない。

原発事故に備えて策定する避難計画の実効性については、国の原子力規制委員会が審査する仕組みになっていない。1月31日の毎日新聞によると、東京電力福島第1原発の事故後、原子力規制委員会が新設されたが、その際、避難計画の議論は置き去りにされ、自治体の避難計画などの審査が必要かどうかの議論はほとんどされなかった、防災も大きな話題にならなかった、という。国が責任を持つかについて、法律にも防災基本計画にも規定されていないそうだ。

事故が起きても、誰も責任を取らない。ブレーキが利かない、あるいはブレーキなしの車を運転するようなものだ。東海村に即して言えば、早く原発を動かしてほしい人たちは、事故が起きても、責任は取らないだろう。否、福島の事故を見ても、責任を取れるはずがない。誰かが「今だけ、カネだけ、自分だけ」と言っていたが、東海第2原発もそうなのか。

東海第2は100%安全だと言う人は誰もいない。もし事故が起きたら、私たち近くの(だけでなく首都圏までの)住民が困るのだ。東海村だけで決めてもらっては困る。(元瓜連町長)

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