月曜日, 1月 19, 2026
ホームコラムセンタービル問題 まだ続く迷走《吾妻カガミ》119

センタービル問題 まだ続く迷走《吾妻カガミ》119

【コラム・坂本栄】つくばセンタービル改修で市の迷走が続いています。市にはこの程度の事業も企画・実施する力がないのかと思ってしまうほどです。久しぶりにこの問題を取り上げ、首をかしげざるを得ないところを整理してみます。

3カ月前の「五十嵐つくば市政 揺らぐその原点」(8月2日掲載)では、広く市民・市議・識者の意見を聴いて事業を進めるという五十嵐市政の原点が、センタービル改修事業では失われているのではないかと指摘しました。市政の基本スタンスを自ら崩し、それをどう繕うかと焦り出したことが、迷走の背景にあるようです。

市民を軽視 議会も軽視

市報10月号を見て思わず笑いました。センタービル改修説明の下に、この事業について意見を募集しているとの告知があったからです。現施設の一部解体が10月半ばから始まるというのに、今ごろ意見募集とはおかしなことです。五十嵐市政の基本からすれば、事業立案段階で市民の声を聴かなければならないのに、着手後に意見を聴くとは順番が逆ではないでしょうか。市民軽視です。

市の議会対応にも笑いました。記事「『資金調達現在進めている』 改修工事費用でまちづくり会社」(10月16日掲載)によると、議会(全員協議会)に呼び出された第3セクター(センタービルの一部改修と施設運営を担当する会社=市が筆頭株主)の専務(市から派遣)が、改修の資金計画を示すよう迫る市議の質問から逃げ回ったというのです。議会軽視です。

市議の議決行動にも笑いました。一部の議員が「センタービル工事を議会や市民に説明なしに拙速に進めないことを求める決議」を議会(臨時議会)に出したところ、そんなことをやっていると改修工事が遅れると、否決されたというのです。市民に選ばれたはずの議員の多くは、市民の方ではなく、市執行部の方を向いているようです。軽い議会です。

設計した著名識者も軽視

市の常識の無さも笑いました。改修する建物や広場を設計した著名人にろくな挨拶もせずに、その文化的価値を壊すような図面を描いていたからです。記事「市長、磯崎さんに面会熱望」(10月8日掲載)を読んで驚きました。情報開示請求で明らかになったメールのやりとりによると、市職員が磯崎事務所を訪れたのは1回だけ、市長はまだ面会もしていない、というのです。識者軽視です。

この問題を点検していて、市民・市議・識者の意見を大事にするという五十嵐市政の基本が吹き飛んでいることが分かりました。センター広場改修に反対する活動をしている冠木新市さん(脚本家)には、「喜劇・センター騒動」を書いてもらいたいものです。市に税金を納めている市民にとっては悲劇ですが。(経済ジャーナリスト)

参考 <拙速に進めないよう求める決議への市議の賛否(敬称略)

賛成:飯岡宏之、宮本達也、木村修寿、塚本洋二(以上自民党政清クラブ)/橋本佳子、山中真弓(以上日本共産党つくば市議団)/金子和雄(新社会党つくば)/小村政文(創生クラブ)

反対:黒田健祐、長塚俊宏、神谷大蔵、五頭泰誠、久保谷孝夫(以上つくば自民党・新しい風)/小森谷さやか、川村直子、あさのえくこ、皆川幸枝(以上つくば・市民ネットワーク)/小野泰宏、山本美和、浜中勝美(以上公明党つくば)/高野文男、中村重雄(以上創生クラブ)/塩田尚(山中八策の会)/木村清隆(清郷会)/川久保皆実(つくばチェンジチャレンジ)

欠席:ヘイズ・ジョン(つくば自民党・新しい風)/鈴木富士雄(自民党政清クラブ)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

108 コメント

108 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

3年 生井さんが最優秀賞 「ひとり暮らしガイドブック」の表紙に 日本国際学園大

日本国際学園大学(つくば市吾妻、橋本綱夫学長)が今年度実施した学内コンペ「ひとり暮らしガイドブック表紙デザインコンペ」(ジェイ・エス・ピーグループ協賛)で、3年の生井妃萌乃さんの作品が最優秀賞に選ばれた。 作品は昨年11月につくば市エリアで発行された学生向けマンション・アパート情報誌「学生下宿年鑑2026ダイジェスト版—つくば市エリア ひとり暮らしガイドブック」(同グループUniLifeつくば店発行)の表紙になり、年間で約5000部が発行される。 最優秀賞を受賞した生井さんの作品は、同グループのマスコットキャラクターでクマの「ユニライダー」やダルマの「スンダルマ」を用いながら一人暮らしの生活を表現している。生井さんは「パズルのような感覚で作ってみた。親しめるようなデザインにした。受賞は光栄。とても驚いている」と話す。 学内コンペは、学生たちの創造力を形にする場として、各地で各エリア版の「ひとり暮らしガイドブック」を発行している同グループの協賛で一昨年から実施している。今年度から奨励賞が加わった。 15日、同大で表彰式が催され、生井さんのほか、優秀賞の3年 柴田心歩さん、奨励賞の2年 関口千奈さんにそれぞれジェイ・エス・ビーグループの担当者から記念品が手渡された。 優秀賞を受賞した柴田さんは「家族と朝食を食べている雰囲気を出した」、奨励賞の関口さんは「人と違ったデザインにしたいと思いユニライダーの大量生産というアイデアを思いついた」と語る。将来は3人とも、デザイン系の仕事を目指したいと抱負を語る。 同グループの飯塚貴史さんは「作品はみんなレベルが高く甲乙付けがたい。来年も開催する予定なので、さらに多くの素晴らしい作品が集まることを期待している」と講評した。(榎田智司)  

批判には名誉毀損で対応 トランプとつくば市の事例《吾妻カガミ》215

【コラム・坂本栄】元日付コラムで、トランプ氏の内政・外交には呆然(ぼうぜん)としていると述べ、一例として「…ベネズエラの大統領を力で排除すると公言している」と指摘しましたが、新年早々、彼はこの言を実行に移しました。関税・移民政策で自国を壊すだけでなく、国際秩序も壊す動きに出たことに愕然(がくぜん)としています。 ベネズエラを植民地化する米国 トランプ氏と取り巻き連の主張を整理すると、米軍特殊部隊を使ったベネズエラ大統領の拉致作戦は「麻薬組織のボスを米国内法で裁く」ということでした。ところが、実行後の彼らの発言により、大統領排除の本音が▽ベネズエラに埋蔵されている石油が欲しい▽同国への中国の影響力を排除したい―だったことが分かりました。 つまり、地下資源と国際政治上の利益を得るために、もっともらしい理屈を付け、ベネズエラの政治機構を壊したわけです。トランプ氏によると、これからは米国がベネズエラを「運営」するそうですから、帝国主義による植民地政策の定義そのものです。 トランプ氏の言動で問題なのは、ベネズエラにしろ、デンマーク領グリーンランドにしろ、隣国カナダにしろ、「あそこが欲しい」と言っている先が中小国あるいは準大国であることです。一方、対ロシアでは同国が主張するウクライナ領切り取りに配慮し、対中国では貿易上の駆け引きで譲歩しており、強く出る大国には恐る恐る対応しています。 こういった米国のゆがんだ姿(米国が第一、弱者に横暴、強者には弱腰)を見てくると、日本が米国に追従(ついしょう)するのはとても危険です。特に防衛分野(例えば核の傘の信頼性)では再考が必要でしょう。 共通するのは「言論封圧」誘惑 トランプ氏のベネズエラ侵攻問題で熱くなり、今回の話題に充てる紙幅が少なくなりました。1メディア人として、トランプ氏の言動を批判的に伝えるメディアに対し、彼が名誉毀損(きそん)訴訟=損害賠償請求=で圧力を加え、言論封圧に出ていることにも強い違和感を覚えています。多様な意見によって練り上げられる民主主義を壊してしまうからです。 トランプ氏は1カ月前、英公共放送BBCの番組で自分の演説が意図的に編集され、名誉を毀損されたと、その損害の賠償をBBCに求める裁判を起こしました。2回目の大統領選でバイデン氏に負けたとき、トランプ氏が選挙結果の無効化をはかり、議会を襲撃するよう支持者を扇動したという筋書きになっていたとの主張です。放送でも記事でも限られた時間やスペースに素材を収めます。彼の主張はこういった編集作業を否定するものであり(無知?)、これでは政治家失格です。 BBC提訴の新聞記事を読み、4~5年前、つくば市でも似たような訴訟が起きていたことを思い出しました。トランプ対BBCに比べるとマイナーですが、元市議が発行したミニ紙聞に掲載された市政批判記事は虚偽が多いと主張し、五十嵐市長が名誉毀損で訴えた事件です。 詳しくは「つくば市長の市民提訴 その顛末を検証する」(2022年2月7日掲載)を読んでいただくとして、審理途中で勝てないと思ったのか、1年数カ月後に訴訟を取り下げました。私は市長の所業を「法律をよく調べないで市民を訴える=市長としての適格性に疑問符」「市民による市政批判を萎縮させる=民主主義の基本である『言論の自由』を軽視」と総括しました。(経済ジャーナリスト)

つくば特別支援学校で「もう一つの成人式」 保護者、教職員らが手作り

「当たり前に明日を迎えられる子ばかりではない中で、こうして同級生たちと再会できたことは奇跡のようでもあり、本当に感慨深い思い」ー。 つくば市玉取のつくば特別支援学校(中村千秋校長)で17日、同校の卒業生を対象とした「二十歳を祝う会」が開かれ、卒業生の母親で主催団体「つく葉会」代表の根本希美子さん(47)はこう話した。 祝う会には今年度、新たに二十歳を迎える肢体不自由教育部門出身の3人と知的障害部門出身の13人、合わせて16人が参加し、家族や学校関係者らが門出を祝った。 会を主催するのは、卒業生と保護者、学校教職員らによる同窓会組織「つく葉会」。卒業生には、体調や障害などが理由で、行政主催の成人式への参加が難しいことがある。その中で、学校生活を共に過ごした仲間同士が集まり、家族や在学中に担当した教員らと節目の年を祝おうと始まったのが、この「もう一つの成人式」だ。コロナ禍で一時開催できなかった時期があったが、2007年に「県立つくば養護学校」として開校した当時から毎年続けられてきた。 「立派になったね」 最高気温16度と季節外れの暖かさとなったこの日、車いすでも負担なく着られるオリジナル着物を扱うつくば市天久保の呉服店「明日櫻(あすさくら)」には、3人の卒業生が集まった。午後に開かれる、祝う会に参加するためだ。 岡部嘉恋さん(20)は、妹と選んだという黄色地に赤い花柄の晴れ着に身を包んだ。萩原一貴さん(20)は銀色の紋付羽織に縞柄の袴。スタイリストに髪を整えてもらった。根本侑弥さん(19)は、大きな花柄の明るい着物に、シルバーとゴールドのハイライトを入れたツーブロックカット。着付けが終わると、家族らから歓声が上がった。 式が行われたのは、学校2階の音楽室。午前中から、昨年度の卒業生や保護者、教員らが色紙で飾り花を作るなど、準備を進めた。午後1時半、「新成人」たちが到着すると、「久しぶり」「立派になったね」と再会を喜ぶ声が広がった。 会の冒頭、中村校長は「二十歳を迎え、本当におめでとうございます。これからまた、自分の人生が始まります。頑張ってほしい」とエールを送った。あいさつに訪れた五十嵐立青市長は、「大好きな人たちと素晴らしい日を祝えることほど価値のあることはない。誰もが暮らしやすく幸せに過ごせる街をつくりたい」と思いを語った。 その後、在校時の写真を集めたスライドショーが上映された。運動会や校外学習、授業風景など校内で過ごす日常の一コマが映るたびに会場から小さな歓声が上がる。保護者が目頭を押さえる姿もあった。続いて行われた記念撮影では、晴れ着やスーツ姿の新成人、在校時の担当教員、家族らが思い思いの輪を作り、カメラの前に並んだ。シャッターの音に合わせて拍手が起こる。 当時の肢体不自由教育部門高等部で学年主任を務めた染谷創平さん(43)は「感無量。相手を気遣える優しい子たちだった。二十歳を迎えても、変わらない姿を見られてうれしい」と話した。肢体不自由教育部門でクラスを担当した金田一志さん(62)は「医療的ケアが必要な生徒もいた。学校で友達と活動するのを楽しみにしていた子たちだった。手を握ることで『イエス』『ノー』を伝えてくれた。キュッキュッと私の手を握り返して答えてくれる。そんなやりとりから、私自身が多くを学んだ」と振り返った。 最後の記念品贈呈では、保護者らが準備した、学校のロゴをあしらった特製の木製のハンバーが、教員から新成人一人ひとりに手渡された。 「これからも自分らしく」 奥澤真緒さん(20)の母、里美さん(51)は「ここまで長かった。最初は学校に慣れず泣くことも多かったが、友達ができて楽しく通えるようになった。これからも、自分らしく生活していってほしい」と目を細めた。萩原一貴さんの父、和典さん(57)は「先のことを見通せないこともあるが、立派に二十歳を迎えてくれて、うれしいの一言。在学中は先生方のおかげで楽しく過ごせた。健康で長く生活してほしい」と語った。 つく葉会会長の根本さんは、「卒業式から2年、この日をみんなが楽しみにしていた。多くの方の支えがあって、この日を迎えられた。これからみんなが、社会の中で生活していくことになる。周囲の手も借りながら、それぞれの形で自立していってほしい」と願いを語った。(柴田大輔)

サンガイア 7連勝 土浦市民デーを飾る

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は17日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で埼玉アザレア(本拠地 埼玉県狭山市)と対戦し、セットカウント3-1で勝利した。これでサンガイアはリーグ戦7連勝、通算成績11勝2敗で東地区2位。18日も午後2時から同会場で埼玉と再戦する。 2025-26 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(1月17日、霞ケ浦文化体育会館)サンガイア 3-1 埼玉アザレア25-1825-1922-2525-22 サンガイアは第1セットの立ち上がりからペースを握り、第2セットも序盤の5連続得点によるリードを生かすなど、危なげなく2セットを連取。だが第3セットでは終盤に埼玉の追い上げに遭い、初めてセットを失う。第4セットは中盤まで僅差で追う展開だったが、終盤にサンガイアが逆転し勝利をつかんだ。 「第1、第2セットは自分たちのプレーができた。第3セットは相手のペースに飲まれてミスが増えてしまった。第4セットは自分たちのやるべきことをやろうと話し合い、しっかり勝ちきることができた」とアウトサイドヒッターの畑中大樹。この日は2本のサービスエースを含む12得点を挙げた。 「相手はレシーブが良いチームなので、拾い負けないようにしようと話し合っていた。第3セットもラリーはつくれていたので頑張ってレシーブを上げ、第4セットもラリーから勝ちきることができた」と、同じくアウトサイドヒッターの長谷川直哉。チームトップの19得点を挙げている。 「チームの長所がたくさん出た試合だった。後半は相手も良さを発揮したが引き離されず、伯仲した展開から勝てたことは大きかった」と加藤俊介監督。第3セットで逆転を許したのは、相手がサンガイアの攻撃に慣れてきたことに加え、ローテーションの変更も要因の一つ。前列と後列を入れ替え、相手はサンガイアの守備陣に対し高さのギャップをつくり出してきた。そこでサンガイアはセッターに高さのある森居史和を入れ、攻撃陣にはバックアタックの得意な村松匠を加えるなど、チームの総合力で最終的に埼玉をねじ伏せることができた。 「簡単な試合は一つもないが、チームの状態は非常にいい。今の状態を維持し、コンディションを整えながら冷静に試合に臨んでいけば、おのずと結果はついてくると思う。残り15試合を総力戦で走りきりたい」と、加藤監督は後半戦に向けて意欲を示した。 市内小中学生らがエスコート この日は土浦市民デーとして、市内在住者50組100人が試合に招待され、安藤真理子市長が始球式を務めた。試合前に選手と手をつないで入場するエスコートキッズにも市内在住の小中学生8人が参加、そのうちの一人、大島蒼太さん(荒川沖小5年)は「初めてで緊張したが、選手はみんないい人だった。頑張って勝ってほしい」と感想を話した。 大島さんは昨年11月に初めてサンガイアの試合を観戦、選手たちのサーブの速さやレシーブのうまさに感動し、もっと深く知りたいと思って今回のエスコートキッズに応募した。スポーツは野球やバドミントンを楽しむほか、お母さんに付き添ってママさんバレーの練習にも参加しており、「一つ一つの小技が重要で、うまくなるほど面白い」と、やりがいを感じているという。(池田充雄)