国からの新型コロナウイルスワクチンの供給が見通せないとして、つくば市は20日から、ワクチン接種の予約受け付けを一時停止した。いつ再開できるのか、市新型コロナウイルス接種対策室は、現時点で見通しが立たないとする。予約の一時停止は全国でも起こっている。
同市は、国の掛け声に呼応して接種のスピードを上げてきた。65歳以上の高齢者の優先予約に空きが出始めたのを見計らって、6月21日から65歳未満に順次、接種券を発送し、7月15日までに、16歳以上の計約15万2000人に発送を終えた。
しかし国のワクチン供給にブレーキがかかり、16歳から29歳の予約受け付けを開始したちょうど20日午前、まだ残っていた大規模接種会場のつくば市配分枠が埋まってしまい、同日、予約受け付けを停止した。
大規模接種会場は、県が産業技術総合研究所に開設し、モデルナ社製ワクチンを接種する。予約が埋まったつくば市枠は、10月1日までの2万5000人分(2回接種分)だった。
一方、市内102カ所の診療所など医療機関での接種予約は、ファイザー社製の供給が見通せず、すでに7月中旬から新規の予約受け付けを停止していたという。
8月末まで供給量と予約ほぼ同数
市接種対策室によると、20日までのワクチン接種率は、医療従事者が1回接種96%、2回接種90%。65歳以上は1回接種74%、2回接種49%。6月24日から順次予約受付が始まった65歳未満については、1回目を接種したのが1万1042人、2回接種は1795人とわずかだ。
国からのワクチン供給は7月上旬現在、2週間に1回、1万7550回分が届く。現在、2回目の接種を待っている65歳以上の高齢者は約1万2000人、65歳未満は約9000人おり、ほかに予約をとったばかりで1回目の接種を待っている人もいることから、8月いっぱいまでは予約数とワクチン供給量がほぼ同数だという。
市担当者は「2週間ごとに国からワクチンが届くが、在庫はそんなになく、届いたらすぐ配送するという状況が続いている」と話し、その上で「予約したのにワクチンが無くて接種できないという状況だけは絶対に避けなければならない」として、止むなく新規予約受け付けを停止したと説明する。
今のペースでは、9月以降の国からのワクチン供給量が確定するのは8月に入ってから。市は今後、市内の医療機関を対象に、9月から11月までの予約受け付け状況を調査する予定で、国の供給量の見通しが分かれば、できるだけ早く予約受け付けを再開したいとする。
すでに予約した人については、2回目接種のワクチンは確保されている。(鈴木宏子)