帝国データバンク水戸支店は、県内企業366社を対象に5月18~31日、新型コロナウイルスに対する意識調査を実施した。感染症対策で今後実施を検討している施策では、4社に1社が従業員のワクチン接種を促す仕組みを検討していることが分かった。
具体的には、勤務時間内での接種承認やシフト勤務、特別休暇付与などで、4社に1社の23.6%が「従業員がワクチン接種をしやすくする工夫」を検討している。有効回答企業数は174社、回答率は47.5%。複数回答。
次いで、17.8%が「従業員のワクチン接種状況の一元管理」、16.1%が「ワクチン接種に関する従業員への情報提供」を検討するなど、ワクチン接種対策への企業の関心が高まりつつある。
同社は「企業はワクチン接種の進展による経済の回復を期待しており、政府、自治体は今こそ接種推進を始めとする感染拡大防止策を進め、同時に経済再生・企業活動の継続につながる経済対策の実行が求めれる」と提言している。
マイナス影響7割、2カ月連続増加
一方、1年以上に及ぶ新型コロナが自社の経営に「マイナスの影響がある」と見込む企業は全体の71.8%に上り、2カ月連続の増加となった。
業界別では「マイナスの影響がある」と答えた業界の最多は飲食店を含むサービス業で73.9%、次いで製造業73.2%、運輸・倉庫業72.2%、卸売業71.4%、
新型コロナの影響に対し自社が実施した、あるいは実施している施策は「政府系金融機関による特別融資の利用」が37.4%と最も多く、次いで「民間金融機関への融資相談」が35.1%、「雇用調整助成金の利用」が27.6%、「持続化給付金の利用」が25.9%、「テレワーク設備などIT投資の推進」が17.8%だった。(山崎実)